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九十九
「九十九、九十九、九十九……」
不思議な事に、この狭い闇の中で数字を数えていると落ち着くのだ。
とっても辛いはずなのに。とっても苦しいはずなのに。
何も見ることができず、耳だけがただ敏感になる。
じっとりと湿っていて、意識すらもはっきりしない。
きっと、母親のお腹の中は、こんな風なんだろう。
狭いのが気持ちいい。苦しいのが気持ちいい。
そう思うしかない。
だって狭くて苦しくて、どこにも逃げ場がないのだから。
「九十九、九十九、九十九……ぐぅ」
次は……百。
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「九十九、九十九、九十九……」
不思議な事に、この狭い闇の中で数字を数えていると落ち着くのだ。
とっても辛いはずなのに。とっても苦しいはずなのに。
何も見ることができず、耳だけがただ敏感になる。
じっとりと湿っていて、意識すらもはっきりしない。
きっと、母親のお腹の中は、こんな風なんだろう。
狭いのが気持ちいい。苦しいのが気持ちいい。
そう思うしかない。
だって狭くて苦しくて、どこにも逃げ場がないのだから。
「九十九、九十九、九十九……ぐぅ」
次は……百。
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