表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
242/728

OLサツキの中級編三日目の午後の鑑定結果

挿絵(By みてみん)

 この人には一体何が視えているのだろうか。


「あの……私、死んだかと思ってたんです」


 電車に接触しそうになり、運転手と目が合ったあの瞬間に。


 するとユラが言った。


「リアムは完全に死んでたぞ。黒焦げだったし、俺の初の死者蘇生の術が効いたからな。サツキの方も一旦死んだんじゃね?」


 サラッと怖いことを言う。


「あのね、こっちと違って、私の世界では怪我は一瞬で治せないし、死んだら死者蘇生の術なんてないから。それに電車に撥ねられそうだったから、もし撥ねられてたらぐしゃぐしゃに……」


 想像したら背筋がぞくっとした。


 リュシカが言う。


「死んだと認識したのだろうな。似通った波長を持つリアムが同時に死んだと思ったことで、互いの碇の元へと導かれたのだろう」

「碇の元に導かれた?」


 リュシカが頷いた。


「しかしユラが死者蘇生を唱えたのか」

「なんだよ、リュシカまで俺をへっぽこ僧侶って言うのかよ」

「へっぽこってなんかもう二つ名になってない?」

「へっぽこ言うな」

「仕方ないでしょ、二つ名っぽく聞こえたんだから」

「サツキって時折すっごい毒吐くよな」


 するとやり取りを聞いていたリュシカが、さも可笑しそうにクスクスと笑った。


「余計な話をしてしまったな。その二つ名が知りたかったのだな」


 するとユラが身を乗り出した。


「ちょっと待てよ、その碇のことをもっと詳しく」

「ユラ」


 一瞬の溜めの後、リュシカがユラを呼んだ。それは有無を言わせない声だった。


「……何だよ」

「これ以上言うと、私は彼女達の運命を舵取ることになる。だがそれは神の領域だ」

「何だよそれ」

「私が出来るのは、こういった道もあると選択肢を増やしてやることだけだ。他者の進むべき運命を方向付けるのは、やってはならないことなのだよ、ユラ」

「でも、だってその碇を見つけないと、サツキがやばいんだろ?」

「別に死ぬわけではなかろう。ただ元の世界に戻るだけだ」

「でも!」


 ユラが珍しく食い下がっている。うまく聞けないサツキの為に。こういうところは本当にいい人なんだけど。


 サツキがリュシカに尋ねた。


「リュシカさん、向こうの私……リアムは、生きているんですね?」

「それは間違いないだろう」

「そっか……」


 なら、いい。今はそれでいい。リアムの身体を奪って、死んだ身体に行ってもらった可能性もあった。いくらなんでもそれは自分で許せなくなりそうだったけど、向こうで元気ならそれでいい。


「なら、よかったです」


 サツキはにっこりと笑った。ユラはそれを見ると、口を尖らせたがもう何も言わなかった。


 サツキが続ける。


「じゃあ、二つ名の鑑定をお願い出来ますか?」

「任せなさい」


 リュシカが請け負うと、ユラが膨れたまま言った。


「リュシカはがめついからな、きちんと払わないとしょぼい二つ名を付けるぜ、きっと」

「ユラってば。あの、ちゃんとお支払いしますから」

「ははは」


 リュシカは笑うと、暫く見えない目でサツキを見つめる。そしておもむろに、言った。


「変化の魔術師。それがサツキ、貴方の二つ名だ」

次回はリアムバージョン。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ