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OLサツキの中級編三日目の午後、占いの館へ

挿絵(By みてみん)

 今回はラムは留守番になった。占いの館にモンスターは立ち入り禁止、というのがその理由だ。


「話に寄ると、昔、占われたモンスターがテイム前のことを思い出して暴れたことがあるらしい」

「それで皆立ち入り禁止になっちゃったの? 極端だね」

「占いの館が壊滅したらしいからな」

「……」


 一体どんなモンスターをテイムしたのかはユラも聞いていないらしいが、建造物を壊滅させたのであればそこそこなレベルのモンスターに違いなかった。


「ほら、あそこだ」


 ギルドがある広場を通り過ぎ暫く行くと、出店の奥に何だか怪しげな通路があった。薄暗いのに色が紫っぽいところが怪しさを増長させている。


 結局、ユラの追加能力が何かを聞けないまま、到着してしまった。


 ユラが周囲を見回して言った。


「今日は大分人が少ないな。昨日一昨日で大分出来上がったんだろうな」

「言い方……」

「事実だろうが」


 情緒もへったくれもないストレートな言い方はいかにもユラらしい。


「こっちの人ってその、結婚ってどうやってするの?」

「ん? 結婚? 何サツキ興味あるのか?」


 またそうやって意地の悪い聞き方をするのだ。サツキは精一杯どうでもよさそうな顔をしてみせたが、それが成功したかは分からない。


「そうじゃなくて、制度としてどうなってるかが気になっただけよ。私は結婚する気なんてないし」

「そうなのか?」

「だって誰と結婚するのよ。イケメンだけどおっさんで中身は女だよ? そんなのを好きになる人なんて。しかも中身は私だし」

「サツキはそればっかりだな」

「え?」


 ユラは呆れ顔だった。


「自分をそうあんまり卑下すんなよ。お前にゃお前のいい所があるだろ」


 いい所と言われても、正直思い当たらない。


 サツキが首を傾げていると、ユラがヒントをくれた。


「少なくともさ、他人がテイムしたモンスターが懐く何かはあるだろ」

「……ラムちゃん?」

「俺だってお前がムカつく奴だったら放っといたし」


 それは人畜無害ということか? いや、でも考えようによっては、人畜無害もいい点ではあるかもしれない。少なくとも悪事を働く気はない。


「成程」

「分かってもらえたならよかった」

「うん、まあ何となく」

「ほら、ここだ」


 ユラが案内してくれたのは、薄暗い灯りの奥に続く通路にある一角だった。通路に沿ってずらっとカーテンがかけられ区切られたスペースがある。正に占いの館だ。この辺りのイメージはサツキの世界とあまり変わらないようだ。


「入るぞ」


 ユラがカーテンの奥に声をかけると、男性の深い声が返ってきた。


「連れてきたね」


 とてもいい声だった。ドキュメンタリー系のナレーションとかが似合いそうである。


 カーテンを潜ると、二人掛けのベンチの様な椅子が置いてあり、テーブルを挟んで声の主が座っていた。


 明らかに(めし)した壮年の男性がそこにいた。

次回はリアムバージョン!

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