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OLサツキ、初級編二日目スライムと二人

挿絵(By みてみん)

 人相は悪くても、この子は心根が優しそうだ。何かいい名前ないかな、とサツキは考える。その間に上のフロアへと続く階段まで到達した。


 全っっ然思いつかない。


「スライム……すーちゃん、ライム、すいちゃん

ラム……ラム!」


 スライム少女がこくこくと頷く。合格らしい。


「ラムちゃん、今からあなたはラムちゃんね!」


 サツキがそう言って微笑むと、ラムの身体が淡い光に包まれ始める。


「え? え?」


 何で光り始めちゃったんだろう。サツキが驚いて様子を窺っていると、すぐに光が消えた。


「今の何だったの……あ!」


 にこ、と返すラムの人相が、少し悪くなくなっている。足を見ると、何と足を上げられる様になっているではないか。


「ちょっとつつかせてね」


 ラムの頬をつん、とすると、おお! 弾力が増している!


「ラムちゃん、これって名前付けたからレベルアップしたってことなのかな?」


 他に考えられない。すると、ラムがうんうんと頷いた。


 成程、テイムして手懐けたモンスターに名前を与えるとレベルアップするらしい。アールは知らなさそうだったから、後で教えてあげよう。


 アールなら、人がテイムしたモンスターに勝手に名前を付けたのが分かっても、きっと怒らないだろうし。


「よおし! 弾力が増したところで、行くよラムちゃん!」


 ラムが『おー!』とでも言いたいのか、腕を高々と掲げた。


 二人は手を繋いだまま階段を登っていくと、上のフロアは植物だらけだった。杖で照らしつつ周辺を確認すると、早速果物らしきものが生っているのを発見した。


「ラムちゃん、果物ゲットだよ!」


 どんな果物かは分からなかったが、林檎みたいな形をしている。色はどぎつい紫だが、一つ手に取り匂いを嗅ぐと仄かに渋みのある甘そうな香りがする。何個かもぎ取りどうしようかと思っていると、ラムが手を伸ばし、自分の身体の中にきゅぽん、と入れた。おお、便利。ついてきてもらってよかったかも。


 更に何かないか探すと、ピンクに発光する小玉スイカの様な物が転がっていた。そして、それを守る様に伸びてくる棘付きの触手。


 スイカ風の物体の上から顔を覗かせたのは、大きなひまわりみたいな花の真ん中に性格の悪そうな顔が付いたモンスターだった。


「その果物、いただきます!」


 ちょっと決め台詞っぽく言ってみて、杖を構えた。燃やしたら駄目だろうし、ここは風魔法でいこう。


「ウィルウィンディーン!」


 風の刃が踊ってそうなひまわりを切り刻む。切り刻まれ地面に落ちた花びらから、にょっと触手が伸びたかと思うと、またあのひまわりが現れた。しかもなんだか瑞々しくなっている。


 水分だけって吸い取れないんだろうか? 枯れさせたらもう復活しなそうだ。


「よおし! ウォーマラー! からのウィンディーン!」


 温風が場に吹き荒れ、ひまわりが皺々になっていく。成功だ!


 かくしてピンクなスイカ風物体をゲットしたサツキとラムは、ルンルンと階下へと戻ることにしたのだった。

次回はリアムバージョン!

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