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第一話 終わるという希望

舞台は2062年、AIが発達し人の心をもつロボットさえ作れるようになった時代のことである。



 目を開けると、目の前には、知らない天井がみえていた。

 

 どうやら僕は僕は病院にいるらしい。


 おそらく、登下校のときに変なハチに刺されたのが原因だろうがそこからの記憶がまったくない。


 はあ、あのときは死ぬかと思った…

いや、死んじゃったほうが僕的には良かったかも…

 はあ…また学校いかないとか…そういえば僕は何日眠ってたのだろう、近くのテレビで確認…


 待てよ、どのチャンネルも何もやってない。こんなこと普通あるか?


 急いでポケットの中のスマホも見てみる。充電切れだ。


 よく考えれば当たり前だが、そんなことを考える余裕はなかった。


 もしかして何か緊急事態? いやはや、揺れはとくになかったから災害の類ではないはず…


 そう思ってあたりを見返してみると、本来いるはずの患者、看護婦が全くいない。隣のベッドには暴れたようなあとと塵が少し積もっているだけである。


 コレはやっぱりなにかかなりまずい状況なのかもしれない。


 急いで僕は腕についていた点滴を外し、病院を駆け下りていった。


「おーい! だれか? だれかいませんか?」


 その呼びかけに応じる者はいなかった、いるのはロボットだけ。人間は誰一人としていない。意味が分からない状況だった。


 なにか、なんでこうなったのかだけでもわかれば…


 そうだ! コンビニに置いてある新聞だ! アレがあればスマホやテレビが使えなくても状況がわかる!


 はあはあ、たしかこの病院のすぐ横にあったはず…


 そうして僕は急いでコンビニへ向かった。


 はあはあ、どこだ、新聞…あった! あった!


 どれどれ…2062年6月4日だと!? 僕がハチに刺された日のちょうど二カ月後じゃないか! 少なくとも僕は二ヶ月以上も僕は眠っていたのか…


 そこまで命を繋ぎ止められたのも、あのロボット達のおかげか…


 内容も確認しなきゃ…


 そうして僕は見出しに目をやると僕は今までの人生で、一番…いや三番目ぐらいの衝撃が走った。


「謎の流行り病、致死率百%。発生源アメリカではすでに人口60%減」


 は、はあ?! あ、あの少しインフルに毛が生えたぐらいだった病気が?!


 も、もっと内容を読むか…


「あのコロナの再来とも噂されていた謎の流行り病は、感染してから一カ月が経過すると身体が徐々に塵となって死ぬ恐ろしい病気だったことが判明した。WHOによるとこの病気は空気感染やら経口感染やら、すべての感染しうる場合で感染するとのこと。対処法は家に閉じこもるのみ。日本政府は現在、すべての空港の封鎖を進めているが、感染者は現在3名発見されており、この封じ込めが功を奏すのがいなかはわからない。」


 …マジかよ、じゃあ僕はなんでこんなピンピンしてるんだ?


 思い当たる節は…あ! あの変なハチか? あいつの毒が抗体だったのか? そんな映画みたいなことあるか?


 でもそれ以外に全くもって思い当たる節がない…


 ラッキーだったのかそれとも死に損なってアンラッキーなのか…


 いや、待てよ。もうおそらく人類はほぼ絶滅したんだ。


 僕みたいに変なハチに刺された人以外は。

 て、ことはだ…なんでもできる!


 もう怒られたりもしないし、自分に劣等感を覚える必要もない!あのクソったれの学校の奴らも皆死んだんだ!


 こんな最高なことってある?


 はーはっは!


 そう言って僕は一週間の間、豪華な家に住んだりバイクに乗ったり、一人を満喫した。しかし…我に返るとやはりなんだか言い難い感情が押し寄せてくる。不安、孤独感、虚しさ、様々な感情が入り交じった複雑なものだ。


 学校で友達が一人もいなかった自分でも、やはり孤独とは辛いものなのだと実感した。


 いくらロボットがいるといっても、人間の感情をもつ「シグマロイド」は、反乱を起こさぬように人間の監視化になかったら強制的に機能が停止する。


 シグマロイド以外のロボットは、話の一つもできやしない。


 やはり僕のような人間を探すべきだ、そうでなきゃいつか僕の気が狂う。駅へ向かおう。


 電車なら空港のように封鎖はされていないはずだ。


 そう決意した僕は、家にあるチャリの鍵を手に取り、最寄り駅へと向かった。


 最寄り駅へいく道中で、どこか違和感がある場所があった。というのも、駐車場にエンジンがかかったままの車があったのだ。普通、ずっとエンジンがかかっていたらガソリンがなくなると思うのだが…


 まさか僕と同じ生き残り!?こんなところにいるものなのか…?


 そんなことを思っていた時、どこからかバイオリンの音色が聞こえていた。


 僕は、その音色がなっている場所へと一直線に向かった。

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