煙い、煙い! これも人間の文化かと感心しつつも暁光帝は閉口してしまいます(^_^;)
ちょっと番外編っぽいことをやってしまいましたが、ようやく本編再開です。
我らが主人公、暁光帝は新たな冒険に旅立ちます。最初はおなじみ貧民窟の一角に据えられた怪しげな場所。
さぁ、どんな冒険が待ち受けているのでしょうか。
お楽しみください。
キャラクター紹介&世界観はこちら〜>https://ncode.syosetu.com/n2816go/
碧中海の中央に突き出したペッリャ半島、そこで栄える港湾都市、通称“瓦礫街リュッダ”はヒト族が支配するヒト族の町だ。
……と、言うのが建前である。
実際、歴史こそあるものの、大昔からの繁栄は様々な災難を呼んだ。
獣人海賊による侵略と支配、沿岸の海底都市から訪れる半魚人との軋轢など様々な脅威にさらされてきた。
異人種に支配されてしまった期間も決して短くはない。
現在も郊外の南東から蟻甲人に迫られ、穀倉地帯と都市の地下はすでに彼らの支配下にある。
もしも、アリ人間達が本気で侵攻してきたらヒト族に勝ち目はない。
昆虫から進化したミュルミドーンは感情が希薄で死を恐れない上に地下の巣は膨大な人口を擁している。戦争となれば休眠状態の蛹を起こすことでとんでもない兵力を活性化させるのだ。
また、北西の森には茸人の集落が潜んでいて密かに都市を窺っている。領土的野心の有無は不明だが、妖精人をも超えるほど魔法に長けた人種で潜在的な脅威として町の為政者たちから警戒されているのだ。
しかも、すでに一部が住人として町で暮らしている。
そして、海は海中の半魚人ばかりでなく、海上の豚人海賊やヴェズ朝オルジア帝国の艦隊が軍事的圧力を加えてきている。
栄えるがゆえに瓦礫街リュッダは脅威にさらされてもいる。
町の為政者達にとっては頭の痛いことだ。
しかし、そのような脅威の群れも左足の小指の股にできた水虫ほどの意味しか持たなくなるような、そんな重大な事案が迫っていた。
神殺しの怪物。
太古の神魔大戦で神々を殺め、地上から追い払った正真正銘の脅威が侵入していたのである。
それはいつの日にか、世界を喰らい滅ぼし尽くすであろう、最強にして最大のドラゴン。“破滅の邪竜”、“殺戮と破壊の化身”、“忍び寄る天災”などと恐れられる超存在だ。
太陽すらも覆い隠すほどの六翼と金属光沢に輝く紫色の鱗は見る者すべてに深い絶望をもたらし、発狂させる。白く透き通った鉤爪は歩くだけで大地を踏み砕き、その身は四足の姿勢でも雲を衝く。紺碧の海に銀河を散らしたような虹色の瞳はこの世の果てまでも見通し、何者をも見逃さない。
世界の危機そのものである超巨大ドラゴン“暁光帝”である。
いつの間にやら、それは人知れず、町の中を闊歩していたのだ。
そんな暁の女帝様がどうやって誰にも知られず町に入り込めたのか。
彼女はブタよりも小さな童女に変化していたのだ。
ドラゴンである彼女は始原の魔導師でもあり、強大な魔法を操れる。
人化の法もたやすく習得して早速遊び始めたのだ。
“世界を横から観る”という遊びを。
それまで常に世界を見下ろしていた彼女は天龍の巨体ではついぞ叶わなかった水平方向からの観察という遊びに興じていたのである。
瓦礫街リュッダは暁光帝の遊び場に選ばれてしまったのだった。
そして、現在は彼女が人化して4日目の午後。
童女の姿で魔法を控えていた暁の女帝様だったが、現在は豊乳の麗人に変身し、自在に魔法を使えるようになってしまった。
今や、奇蹟をもたらしたり、悪党を成敗したり、悩める醜男を巨乳の美女に変身させたり、好き放題に過ごしているのだ。
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その黒ずんだ塔だって建てられた当時は白かったのだ。内側と外側から燻されて今は真っ黒になっている。
麻薬の煙に。
何ともいかがわしい場所だ。
ここは裏通りだし、法律で禁止されているわけでもない。それでも“よろしくないもの”というイメージはつきまとう。
実際、富裕層の中には麻薬で身を持ち崩した者がいるらしい。彼らは麻薬のやり過ぎで目が濁り、涎を垂らしながらうわ言をつぶやく。
その姿はひたすらに退廃的で家人や友人を大いにおののかせたものだ。
もっとも、決して安くない代物だからそこまで耽溺する者の数は限られている。
けれども、ここにそんな麻薬、“阿片”に挑む者がいた。
黒ずんだ塔“阿片窟”の3階、せむし男に導かれた個室の中央に突っ立ったまま、彼女は阿片を吸い込んでいる。
「どうぞ、ごゆっくり」
金貨を受け取ったせむし男は上機嫌で出てゆく。
金払いのいい客だ。
今後もご贔屓にしてもらいたい。
せむし男は歪んだ口を更に歪ませてホクホク顔だ。
「むむむ…なんともはや」
長椅子に腰掛け、帝国式兜を脇に抱えて黒光りするハゲ頭を撫でる美女はギュディト百卒長である。黒い肌の下を隆々たる筋肉が躍動し、一般的な成人男性の頭が肩までも届かないほどの巨女だ。そもそも阿片など吸う気はなく、あくまでも付き合いである。
自分の力のみを信奉する百卒長は薬物による肉体の強化を潔しとしない。
ただ、ただ、ひたすら“強さ”という理想を追求するだけだ。
だから、目の前の麗人が必死の表情で煙を吸い込む姿にはため息しか出ない。
「あぁ……」
巨女の言葉に金髪妖精人は短く応えるのみ。
こちらは百卒長とは対称的にだらしない爆乳を揺らす豊満な肉体だ。美しい三次曲線を描くくびれはともかく、おしりも太もももお肉が満載、ぶるんぶるん揺れている。
実際、爆乳の下乳と胸の間に汗が溜まってむず痒い。
エルフらしからぬふくよかさだが、超特級魔導師なのでろくに運動もせずに美味しいものを食べて暮らしていたら豊かに育ってしまったのである。
もっとも、その美貌が人目を引きすぎるため、今も逆さ化粧、見た目をみすぼらしく見せる技術で“ただの太ったおばちゃん”のように見せかけている。
そんなエルフのナンシーだったが、目の前の光景はあまりに異常。
目を皿のように見開いて愕然とするしかない。
「アチュタしゃんもものじゅきでつね」
見物人の最後の1人はこの場に最もふさわしくない、目の据わった幼女だった。
敬愛する主の所業を見ても動じない。暗い栗色の髪を子供らしく二つ結びにしているが、つたない言葉遣いにも関わらず、鋭い眼光は歴戦の勇士のよう。
見かけは幼女のクレメンティーナだったが、実は暁光帝の龍の巫女であり、ヒトはおろか、魔法の得意なエルフや茸人も及ばぬ強大な幻獣なのだ。
「「「……」」」
今、3人は長椅子に腰掛け絶句している。
そして、この個室でただ1人、座らず、突っ立って懸命にパイプの煙を吸っている人物。
「スパー、スパー、スパー!!!」
彼女こそが暁の女帝様に他ならない。
“破滅の邪龍”やら、“忍び寄る天災”やら、恐怖の二つ名に事欠かない、超巨大ドラゴン暁光帝が人化した麗人である。
大きさこそギュディト百卒長の巨乳やナンシーのだらしない爆乳には及ばないものの、ツンと上を向いた見事なボール型の豊乳を反らし、目を剥いて必死の形相で阿片の煙を吸い込んでいる。
必死で煙を吸っていると自然と爪先立ちになる、その足に靴は履いていない。白く美しい、剥き出しの裸足が黒ずんだ床に立っているのだ。
若く美しい乙女の姿をしてはいるが、身の丈よりも長い髪は紫色の金属光沢に輝き、重力に逆らって踊るように流れる。本人の意志で自在に動くそれは不安げにたゆたいながら上に伸び、煙で黒く燻された天井を掃いている。
この動きは彼女の心情を表しているのだろう。
それにしても吸い方が激しい。
紫煙をくゆらす喫煙どころか、毒蛇に噛まれた赤ん坊を救わんと懸命に毒の血を吸い出す母親のようだ。
「味がしない! 全っ然、美味しくないよ!」
パイプから口を離すと暁の女帝様は全力で不満をおっしゃられる。
龍の巫女のクレメンティーナと同じく、一見して人間にそっくりの姿だが、よく観るとだいぶ違う。
強烈な意思を湛える虹色の瞳は紺碧の海に夜空の星々を散らしたかのように輝き、パイプを離した口には切歯も臼歯も犬歯もない。人間らしい歯の代わりに、白く透き通った凶悪な牙がずらりと並ぶ。
耳の後ろあたりから覗く3対の角はやはり白く透き通っていて、流行りのアクセサリーなどではない。間違いなく自前であり、頭骨から直に生えているのだ。
さらに言えば、麗しい顔は人間にあるまじき完璧な左右対称、否、完全な線対称だ。左右の睫毛、眉毛の一本すら違わない。その上、手足にも顔にもそれら以外の体毛はなくつるつるである。
稀代の人形師が作り出した傑作のような美女の造形だが、何やら微妙に手を抜いた様子も窺える。
まるで片側を完璧に作った人形師が途中で飽きて面倒くさがり、残り半分を複製で済ませたかのよう。
やはり、人外の怪物がヒトに変化した姿だ。
とんでもない。
「何、これ? 煙いだけじゃないか 聞いた話と全然違うよ!」
暁光帝はパイプに追加の阿片を詰めながら怒っている。
象牙のパイプは口が齧られてあちらこちらが欠けてしまっている。それは龍の牙を受けたのだ。砕けなかっただけ、マシだろう。
「『阿片は最高。一口吸うだけで天にも昇るような夢心地が味わえる』って聞いたんだけどさ!」
不満たらたらの麗人は再びパイプを咥えこんで――
「ん」
一言つぶやくだけで呪文も唱えないし、浮遊魔法陣も浮かび上がらせない。瞬時に火の精霊魔法を発現させ、新しい阿片を炊いて吸い始める。
「スゥー! スゥー! スパァー! スパァー!」
思いっきり吸い込み始める。
「凄ぇ……」
金髪エルフがつぶやく。
何が凄いのか。
その魔法の技量も凄まじいのだが、アスタは息を吸うばかりで吐いていないのだ。吸気ばかりで呼気がないから肺の内部の圧力がとんでもないことになっているだろう。
どうしてそんなことができるのか、さっぱりわからない。
わからないが、実際にできているし、ついでに言えば瞬きもしていないし、汗もかいていない。
元の超巨大ドラゴンの肉体を何千億分の1に縮めたのだろうか。驚異の形態変異だ。ヒト族の若い女性に人化しても暁の女帝様は規格外の超存在なのである。
もっとも、頑丈なドラゴンの舌に並んだ味蕾もまた頑丈で人間の感じるはずの辛味を全く感じない。それ故、阿片の煙はほぼ味のしない煙でしかなく。
「うむぅ……」
一声唸るとあきらめたのか、彼女は大きく口を開けて。
バリバリバリッ!
パイプの口に齧りつくとそのまま噛み砕いてしまう。腕よりも長い管だってものともしない。
そして、粉々に粉砕する端から両手で口の中に押し込み。
ゴックン!
きれいサッパリ阿片ごと飲み込んでしまう。
「何という健啖っぷり!!」
「しゃちゅがはアチュタしゃんでつ」
「人間じゃねぇ……」
観客からは様々な感心の声が上がった。
素直に世界最強を称える声や主への称賛の声が上がったものの、一部に少なからず否定的な感想もあった。
三者三様なのでそれは仕方あるまい。
実際、彼女は人間ではないのだから。
「そりゃぁ、カンタレラや亜砒酸だって効くわけないんだから阿片ごときどうってことないんでしょうけれど……」
名の知れた毒を挙げつつ、金髪エルフは当惑することしきりである。
「『一服すれば天にも昇るような夢心地』とか、よくよく考えたらおかしいじゃないか! 人間って空飛べないじゃん! 飛べもしないのにまるで自分が体験したかのように語る! また人間の嘘に騙されたよ!」
紫色の金属線が勢い良く舞い踊り、麗人は激しく憤っている。
「たしかにそんな話もありますね。外国ではまことしやかに囁かれているようです」
ナンシーは顔をしかめる。
阿片の原料であるケシの産地、メヘルガル亜大陸とこの瓦礫街リュッダはかつて非常に長い交易路で結ばれていた。そのせいで阿片も香辛料も高価な商品だったのだ。
その状況を一変させたのが“暁光帝のマラソン”である。
ある日、何を思ったのか、遥か彼方の空から超巨大ドラゴン暁光帝がエレーウォン大陸の西端に舞い降りた。そして、そのまま東端との間の往復を始めたのだ。
それも毎日、23日間に渡って。
幾何学的な正確さにこだわる女帝様だから巨大な足跡が一直線に並んだ。もちろん、彼女が山や谷に遠慮するわけがなく、大山脈は大穴を開けられ、大渓谷は埋め尽くされた。そのおかげで長大にして広大な交易路“女帝様の散歩道”が生まれたのである。
見晴らしも見通しもいい交易路はフキャーエ竜帝国の管理もあって治安が良く、貿易量は格段に増えた。
それで瓦礫街リュッダでも阿片の流通が増えたのである。
もっとも、そんなことを当の女帝様がご存じのはずもない。
どうやらどこぞの人間が描いた旅行記でも読んだらしい。いや、麻薬中毒患者の記した随筆のたぐいか。
いや、人間から幻獣に伝わった話、人魚や海魔女から又聞きした話に暁光帝が胸を躍らせたのだろう。
だが、麻薬が効能を発揮するのは一部の人種だけだ。侏儒には効果が薄いし、神々をも殺める超巨大ドラゴンが酔えるわけがない。
それでもそんな現実を受け入れられない貴婦人が憤る。
「だいたい、“天”とか雲の上を誇張表現しやがって! ボクはいつも飛んでいるけどそんなにありがたいものじゃないぞ!」
憤懣やる方ないと言った表情で紫の金属線を舞い踊らせる。
少し考えてみる。
雲の形の変化は面白い。
気象現象が気圧や気温、そして、大気中の精霊がもたらす魔荷の量で変わる様子、それを予測するための数学モデルを組むこと、予測の精度を確認する遊びがある。
また、雲海の中に生息する気生藻の分布や活動を観察して楽しむ。
雲すらも見下ろし、天空を飛ぶドラゴンの楽しみは人間の理解の範疇を超える。
いや、暁光帝の巡航高度に迫る幻獣は不死鳥を含めて存在しないから、他の誰にもわからないのかもしれない。
「まぁ、雲の上がつまらないと言いたいわけじゃないけどさ…“極楽”とか、キミ達の想像上の何かでしかなくて…地上の面白さをとんでもなく超えて面白いということではないんだよ」
珍しく言い訳しているが、そういう問題ではない。
「ア、ハイ…そうですか」
おざなりに返事を返すナンシー。
いやいや、思いっきり空の上に常在していることを喋ってしまっているではないか。
それも雲の遙か上だ。
そんなところは鳥ですらたどり着けない。
このドラゴン、自分の正体を隠す気があるのかと困惑したが、この不用心さもまた暁の女帝様だ。
おおよそ何でもできるのだが、嘘は吐けない。
自分の知っている事実と異なる話をでっち上げる能力に欠けるようだ。
その辺は他の幻獣と同じである。
そして、人化を解かなければ正体はバレないと思いこむくらい素直というか、単純。
そもそもが言葉によるごまかしなどと無縁の幻獣だ。非常に賢くはあるが、言葉で騙したり、ごまかしたりは大の苦手である。
「そっかー、世界最強だと空も飛べるし、天に昇ってもあんまり感激もしないんですねー」
ギュディト百卒長はアスタの言葉をそのまま受け取り、素直に感心している。
そこにあるのは力への絶対的な信頼。
強ければ空も飛べると単純に思い込んでいる。
いや、今までのアスタを見ていればそう考えるのも無理からぬことだろうけれども。
元より、黒い肌の巨女は力への信奉が殊の外、強い。
そして、単純だ。
武人だから、戦い以外の物事をあまり深く考えない。
回復系の超特級魔導師も兼ねていて、極めて複雑な魔術式や呪文を憶える知能があるはずなのに。
とりわけアスタについては大概のことを『世界最強だから』で済ませてしまうきらいがある。
「やっぱりアチュタしゃんにとってはけむいだけでちたね。しょれでもたのちみだったアヘンをちゅえたんだからいいのでは?」
主の無念も鑑みつつ、クレメンティーナは目的の達成を確認する。
物事が重大なのか、くだらないのか。
それは体験する人物によって変わる。
大いに変わる。
そんな世界の真実に若くして気づいている幼女の目が据わっているのはある種の悲劇だろう。
幼女がしなくていい苦労をしたという証拠でもあるのだから。
裏路地にそびえ立つ阿片窟で阿片を吸う、その肝心の阿片が主の舌にも肉体にも何の効果ももたらさないことはわかっていた。
それでも、だ。
雲上を亜音速で飛び、滅多なことでは地上に降りてこない超巨大ドラゴンにとってはそれすらも得難い体験だったはず。
いや、阿片欲しさで頻繁に降りて来られては地上が保たないのだが。
こうして見物人達は三者三様で状況を呑み込んでいる。
仕方ないではないか。
それが暁光帝という存在だ。
「全く! 楽しみにしていたのに散々だよ!」
アスタはプンプン怒っている。
「そうですか。それは残念でしたね……」
ナンシーは少し悩む。
阿片窟といういかがわしい場所で阿片といういかがわしい物を吸って『美味しくない』『効かない』と文句を言うばかりの麗人だ。
一応、見かけも身分も貴婦人だが、それはいい。
何事にも鷹揚な瓦礫街リュッダでは阿片も合法。薬用としても用いられるし、所持も吸引も何ら法律に触れることはない。
普通に考えれば何の問題もないが。
本質的な問題は彼女の正体が暁の女帝様であることだ。
四足で歩いても頭が雲を衝き、どんな高山もひとまたぎ。ただ歩くだけで国々が踏み潰され、何万人もの罪なき人々が何もできずに果ててゆく。しかも、それだけのことをしておいてすら、暁の女帝様ご本人は気づきもしない。平然と立ち去るだけである。
そこに議論の余地はない。
倫理道徳の評価も、司法の判断も、暁光帝の行いにはなじまないのだ。
彼女が世界を揺るがすような大事件を引き起こしても、それで彼女の責任を問えるだろうか。
その調子で魔界の悪魔どもと神界の神々をまとめて滅ぼした事件から“神殺しの怪物”と恐れられているのだ。
だから、現在、最大の問題はそんな超存在が阿片に満足できず、落胆しているということに尽きる。
「そうですか。それは残念でしたね……」
エルフは声を少し震わせながら、空虚な言葉を繰り返す。
ここで暁光帝が人間社会に飽きて人化を解かれでもしたら何もかも終わってしまう。
彼女が真の姿を現し、地上に降臨したときには、村も町もなくなる。国ごと踏み潰されて誰も彼も果てるのだから。
だから、絶対に彼女を退屈させてはならない。
自分が彼女の正体を知っていることを隠しつつ、彼女を面白そうな場所に誘導しなければならない。
それが今、ナンシーの面前に突き付けられた課題である。
もっとも、それ自体は大して難しくもない。
「それでは近場の市場にでも行ってみますか? 裏通りに珍しい店が並んでいますよ」
失望している麗人に声をかける。
とたんに彼女の虹色の瞳が輝く。
「ほぉ…それは面白そうだね」
満面の笑顔だ。
希望に満ち満ちている。
「ええ。ぜひとも楽しみにしてください」
エルフも笑顔で応える。
彼女は恐るべき神殺しの怪物だが。
珍し物好きで珍奇なものに惹きつけられる。
どうしようもなく。
そう。
彼女はどうしようもないくらいに世界が大好きなのだ。
ここまで読んでいただきありがとうございます♪
さぁ、新章<<路地裏の興行! 酔っ払って脳みそログアウト中の下級冒険者が挑んできたぞ!>>が始まりました。
あぁ、うん……何か、前に投稿してからがっつり2年以上が経ってしまっていましたね。
びっくり\(^o^)/
まぁ、前回の投稿の後にすぐさま続きを描き始めたんですが、途中でちょっと表現上の問題にぶつかってしまい、あ〜でもない、こ〜でもないと悩んでいるうちに色々と気を引かれしまいました。
主に『スター○ーシャン6 THE DIVINE FORCE』とか、『GRANBLUE FANT○SY Relink』とか、『ドラゴンズド○マ2』とか、『アサシン クリード シャド○ズ』とか、大規模言語モデルAIのGeminiとかwww
こんぴーたーは時間泥棒(^_^;)
とりわけ、『ドラゴンズド○マ2』は気がついたら260時間ぷれいしてましたよ。
メインポーン:「こちらです、覚者様!」
自キャラ(大神官):「おぅっ!」
メインポーン:「うわぁぁぁぁぁっ!」(崖から落っこちる→死亡)
サブポーン1号:「きゃぁぁぁっ!」(追いかけて落っこちる→死亡)
サブポーン2号:「だめぇぇっ!」(追いかけて落っこちる→死亡)
パーティー全滅………
ってなことがありまして、爆笑してました。
いや、とにかく不便で、何をするにも手間取らされて(>_<)
でも、それがいい☆
広大な大地を冒険する楽しみを嫌と言うほど味わわせてくれました。
インターネット上では批判する意見も数多く見かけましたが、竜憑きで町が全滅したイベントもいい思い出でつ。
いや、これが初めてのビデオゲームRPGだったら子供はトラウマになってたかも……大人で良かった。
まぁ、急性心筋梗塞と肺水腫と重度の低酸素血症と糖尿病の合併症で集中治療室に担ぎ込まれて以来、小生も強くなりましたからwww
血糖値600[mg/dL]オーバーと脳性尿酸ナトリウム480は伊達じゃない\(^o^)/
うん……我ながらよく生きてたなとは思いますけど、まぁ、異世界転生できずにこうして執筆を続けられたんだから儲けものですよね。
そして、大規模言語モデルAIのGeminiは面白すぎて寝食を忘れました。
長年の問題を解決してくれました。
命題「(p⇒q)⇔(¬p∨q)」の証明です。中学時代に半分の「(¬p∨q)⇒(p⇒q)」は証明図が描けていたんですよ。残り半分、「(p⇒q)⇒(¬p∨q)」の証明図がなかなか描けず、集中治療室で究極の暇つぶし&苦痛からの逃避で考えてみたんですが、どうにもなりませんでした。退院してから海外のインターネットを漁ったんですが、見つけた証明図そのものに納得できませんでした。しかし、Geminiに聞いたら「矛盾を導き出しての背理法を利用する」と応えてくれまして、見事に残り半分の証明図を完成させることが出来ました。
ついでにフォン・ノイマンによる自然数の集合論的構成を利用して加法の交換法則を証明しました\(^o^)/
いや、できちゃうんですね、交換法則の証明…ずーっと公理だと思い込んでましたがやろうと思えば出来ちゃう話でした。
実は! 任意の自然数a,bについて「a+b=b+a」が成り立つのです☆
まぁ、当たり前っちゃ、当たり前なんですが、「そういうものだ」という思い込みはいけませんね。
これ、証明できるんで、公理じゃなくて定理でした。
集中治療室で一週間、地獄の苦しみを味わいましたが、数学に集中することで何とか意識を苦痛から逸し続けられたんですぉwww
「数学なんて日常生活の役に立たない」っつった高校時代のS山君に言いたい。
おかげで脳みそが狂わずに済んだよwwww
ちなみにノイローゼにも鬱病にもなってませんwwwwww
数学は効く!
辛いこと、悲しいことがあったとき、「4で割って1余る素数は2つの平方数の和として表せる」ことに思いを寄せましょう。
例えば、「61=5²+6²」で、「97=4²+9²」です。そして71は4で割って3余るので平方数の和には出来ません。こ〜ゆ〜の、考えていると悩みを忘れることが出来ます。
文字通り!
現実逃避だろうって? いいんですよ、小説執筆も現実逃避の遊びなんですからwww
ついでに我らが瓦礫街リュッダのモデル、西暦千年のイタリアの港湾都市バーリについてもGeminiに調べてもらいました。
何と! 地中海にはウミヘビがいないようです(ToT)
いえ、ウミヘビを登場させる予定はないんですが……
ついでにバイカナマコみたいな大型のナマコもいないそうで、作中の描写と現実に齟齬が出ちゃいましたが、そこは剣と魔法のファンタジーだから大型ナマコも魔法の力で何か海底を這いずり回っていたってことでよろしくおねがいします。
後、『GRANBLUE FANT○SY Relink』、実質『ファイナルファ○タジー』じゃありませんかね?
個性的な仲間達と広大な世界を冒険する、小生の大好きな『ファイナルファ○タジー6』や『ロマンシ○グ サ・ガ3』の楽しみを再現してくれました。
えっ、毎回、亡国の王子様が放浪するゲーム?
ポリコレの悪影響で美女も美少女も出てこなくなった時点で敬遠しちゃいましたよ。
『13』が一番面白かったな〜
頭のアフロのヒヨコを飼ってたおっさんとか面白かったし、がっつり百合カップルもいたし。
『GRANBLUE FANT○SY Relink』は敵にも熱い奴らがいたり、仲間は性格も技も個性的で超楽しいし、近年の『ファイナルファ○タジー』が捨てちゃった要素を保ち続けてくれたので嬉しい。
まぁ、来年、リメイク版『ロマンシ○グ サ・ガ3』が出るのでそちらに期待しましょう。
さて、そういうわけで次回は『獣人街の市場を歩きましょう。何やら面白いものが観られるかもしれないと暁光帝は興味津々です。』です。
請う、ご期待!




