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最高の誕生日

有梨華さんと紗奈蘭さんと一緒に暮らし始めて2ヶ月半が経っていた。ジメジメとした梅雨の季節になった。最近雨が降ることも多くなり水泳部も休みになることが多くなっていた。

今日も雨がたくさん降っている中俺は特別な日を迎えていた。


今日は俺の17歳の誕生日だった。


誕生日というものは年に1回しかない特別な日だ。生涯を通しても3桁もないレアな日だ。

今年の誕生日に祖父がいないのは悲しいがその代わりに有梨華さんと紗奈蘭さんがいる。

それだけでとても嬉しいものだ。


学校が終わり家に帰る前に祖父が眠っているお墓へと向かった。

ここに来るのは2回目だった。

俺はお墓の前で今日誕生日で17歳になったこと、有梨華さんと紗奈蘭さんのおかげで毎日楽しい日々を過ごしていることを話した。

そして最後に"ありがとう"と言った。


祖父が亡くなる最後まで俺のことを心配してくれていたのは遺言を読んで分かった。

祖父が有梨華さんに俺の世話を託していなかったら俺の生活は確実に変わっていた。

いくら感謝しても足りないぐらいだ。


墓地を去り俺は家に帰った。

思った以上に帰りは遅くなった家に着いた頃には19時になっていた。


「ただいまです。」


「太陽くん‼︎ 遅くなるんだったらちゃんと連絡しなさいっ‼︎ 」

有梨華さんは玄関の扉を開けすぐの所で立っていた。いつもとは違う怖い有梨華さんだった。


「すいません。祖父のお墓に行ってて遅くなりました。」


「そうだったんだ...でも遅くなるならちゃんと連絡しなさいっ私すごく心配だったんだよ。」


「すいません。迷惑かけて。 」


「もぉう。今度からは気をつけてね? とりあえず部屋の中に入ろ? 」

有梨華さんは右手を差し出す。俺はその手を握ると指を絡ませて手を繋ぎそのまま和室へと入って行く。


和室に入ると俺は思わず目を見開いた。

派手に飾り付けがされていたからだ。

弾幕には"太陽くん17歳の誕生日おめでとう‼︎ "と書かれている。少し恥ずかしいがとても嬉しかった。

「太陽くんっ誕生日おめでと〜‼︎ 」

有梨華さんは俺を抱きしめて言った。

髪と肌からとてもいい匂いがしてとても心地いい感じだった。


「太陽誕生日おめでとう。これあげる。」

紗奈蘭さんは俺に手作りのクッキーを渡した。

焼きたてでとても美味しそうだ。


「紗奈蘭さん。ありがとうございます。」


「太陽くん。私からはこれを受け取って...」

有梨華さんは俺に白い小包を渡す。それを受け取って中を開けて見ると黒いブランド物の腕時計が入っていた。


「太陽くん腕時計持ってなかったから丁度いいかなーって思って。」


「有梨華さんもありがとうございます。俺すごく嬉しいです。」


「喜んでくれてよかった〜。それじゃあ夕食にしよっか。今日は豪華だよ。」

有梨華さんと紗奈蘭さんはキッチンから夕食を運んでくる。骨付鳥にピザ、スパゲティ、リゾット、マカロニサラダが次々に運ばれてくる。


「すごい...」


「マカロニサラダとスパゲティ以外は買ったものだけどね...」

紗奈蘭さんが苦笑いした。


準備ができると俺たちは手を合わせて夕食を食べ始めた。どれも優劣が決まることができないぐらい美味しかった。いつも豪華な夕食だが今回は特に豪華でとても美味しくて堪らなかった。


「んー!どれも美味しいです。ありがとうございます。」


「喜んでくれたみたいで良かった〜。」

有梨華さんは必死に食べる俺を見て微笑んでいた。


夕食を食べ終えると食後のデザートとして手作りケーキが出された。手作りには見えないぐらいクオリティが高かった。

苺のホールケーキはとても甘くてふわふわして美味しかった。


「有梨華さん、紗奈蘭さんありがとうございます。とても美味しくて楽しい誕生日でした。」


「太陽くん。一緒に誕生日を祝えて私も嬉しかったよ。」


その日の夜

俺たちは珍しく夜更かしをしたのだった。

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