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31 ポーション

お読みいただきありがとうございます。

 そういえば、これも売れるなら売らなくちゃね。


 回復ポーションと魔力ポーション。


 塩に予想以上の値がついて、すっかり満足して忘れてた。


 白竜さんに視てもらい、効果の高いものから三種類に分けてランク付けしてもらってきた。


 ベテランというか魔力量の高い、且つスキルが上達した者の作った効果の高い回復ポーションを、仮に上級ポーションとした。


 そのうち村の錬金スキル持ち全員が上級ポーションを作れる様になっちゃうかもしれないんだけどね。


 でも、どれが売れるのか判らないので、一応全種類見せようと思う。それで値段を付けて貰おう。


 人の命を救うものだから、私が納得できる値段なら売るつもりだ。


 でも、買い叩かれる様なら、直接冒険者ギルドに売るって言ってみる。


 私は一番効果の高い回復ポーションから順に3本と魔力ポーション1本をテーブルの上に置く。


「あの、これもいかがでしょうか。こちらに卸せたら私どもは楽ができるんですが。もし、無理なら冒険者ギルドの方に…。」


 それを出した瞬間にレナルドさんの雰囲気が更に真剣なものになって、無言で私の出した回復ポーションを凝視している。


「…これは…。これもプロビオン商会で扱うのですか?」


「はい。ウチの領で作れますので……なにか不都合でもございますか?」


「…別に不都合と言う訳ではありません…が、これほどまで上質のポーションは王都の職人には作れる者がおりません。この事が知れれば、これを作った職人が狙われるのではと。」


 えぇー。ウチの殆どの人が狙われちゃうの?


 引き抜かれるとか、脅されるとか、拐われるとか…監禁されちゃうとか、殺されちゃうとか?


「あの…これは現在ウチの領民、数十人が作れます。そのうちほぼ全員が作れる様になると思いますが、何か防衛策を講じてから、売りに出した方がいいのでしょうか。」


「…全員…?!まさか!」


「多分、その王都のポーション職人さん達も、ウチの領で作業してれば、あっと言う間に上達すると思いますよ?…あ、王都みたいな都会の人では、耐えられないかもしれないですけどね。ちょっと過酷な工程がありますので。」


 そう。過酷な工程とは、魔力枯渇からのぶっ倒れだ。例の魔力量増強作業。


 白竜さんから教えてもらったのだけれど、魔力を込めれば込める程上質のポーションになるので、魔力量が増えて初めて上質なポーションを作成出来るのだ。


 ウチの領民は皆、ハングリー精神旺盛(私を筆頭に文字通り飢えてた)で、向上心に溢れている。


 老人から子供まで、もの凄い頑張り屋さんが揃ってて、貧乏なウチの領を盛り立ててくれている。


 って…あれ?


 上質って、この効果の低い下級ポーションも?


「この、一番効果の低いと仰っているものでも、王都で売られているものより数段上に見えます。王都で手に入るものですと、血止めくらいの効果ですから。それでも、冒険者達にそこそこの値段で売れます。」


 うん。そういえば確かに下級ポーションに分別されたこれでも、小さな切り傷や転んだ時の擦りむいた怪我を治せたね。


 …どんだけ質が悪いのよ。王都のポーション。


お父様は最初の挨拶で握手してから、ずぅーっと無言で座っております。

彼もぶっ倒れ魔力増強法を娘に隠れて実施しており、交渉が決裂したりしたときに備え、娘を守る為に待機しています。

因みに水・氷魔法の使い手。

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