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後から話を変えてくるのはどうかと思いますが……言ってもきっと無駄なのでしょうね。  作者: 四季


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2/2

後編

「それは、どういうことですか?」

「よりハイレベルな仕事に挑戦してみたいとは思わないかい」

「お話を聞かせてください」

「ありがとう! そう言ってもらえると嬉しいよ! では、こちらへ。まずは話を聞いて、判断はそれからでいいよ」

「分かりました、ではお願いします」


 ルヴェンズに関係を終わらせられたことは非常に残念なことだった。

 だが、その件があったおかげでより熱く仕事に取り組めるようになったと考えると、残念に思った出来事さえも無駄なことではなかったのだと思えるようになっていった。

 すべてが上手くいっている時はすべてをポジティブに捉えられる。

 この勢いを失うことなく進んでゆけば、私はきっと、どこまでだって行けるだろう。絶対的な根拠はないけれど、今はそんな気がする。


 そして私は王族との関わりもある仕事場へと移った。


 それからの日々はさらにハードなものだった。けれどもやりがいは確かにある。だからそこにあるハードさはマイナスな意味でのハードさではなかった。


「リリアさん」


 そんな日々の中で巡り会ったのが――この国の第一王子であるナインス。


「は、はい! 何かご用でしょうか!」

「いつもてきぱきと仕事をこなしていらっしゃるお姿に尊敬の念を抱いています」

「お褒めの言葉、ありがとうございます」

「この国のために熱心に働いてくださっている貴女には本当に感謝しているんですよ」


 ナインスは当たり前のように私の世界に入り込んできて。


「今度、よければ一度お茶でもしませんか」


 定期的に声をかけてくるようになった。


「申し訳ございません、しばらく仕事が詰まっていて……」

「お茶も仕事なことにしてしまえば問題なしですよ」

「それは……難しいです」

「そうですか」

「やるべきことがたくさんありますので。お誘いは嬉しいですが、申し訳ございません」


 忙しい中で彼の相手をする、ということになかなか慣れず、時には少々苦労することもあったけれど。


「リリアさんは本当に真面目ですね」

「すみません」

「いえ! 尊敬できるところですよ。そういったところも含めてリリアさんだと理解していますから。真面目さは長所ですよ!」


 徐々に心通い合って。


 ――そうして気づけば結ばれることになっていた。


 彼から想いを告げられた時は驚いた。

 貴い人からそんな風な言葉を貰えるなんて思っていなかっただけにかなりの衝撃を受けた。


 それでも彼の真っ直ぐさに押され、結婚することとなった。


「ナインスさんと結婚することになるなんて……夢にも思いませんでした」

「驚かせてしまってすみませんでした」

「いえ、いいんです。ナインスさんのこと、嫌いなわけではないですから……むしろ、温かなお言葉をいただけて嬉しかったです。ありがとうございました」


 仕事に打ち込んだ先でこんな展開が待っているなんて思わなかったけれど、こういう展開も悪い展開ではないと思う。


「リリアさん、どうかこれからもよろしくお願いします」

「こちらこそです。仕事しかできないあまり面白みのない女ですが、よろしくお願いします」


 王子と結ばれ、希望ある道へと歩み出すことができた。


 一方ルヴェンズはというと、あの後色々あって社会的に終わったようだ。


 私を切り捨てた後、別の女性と婚約したそうなのだが、婚約期間中に浮気を繰り返してしまったそう。で、それに激怒した婚約者から責められた際に衝動的に殴ってしまい。その一件によって彼は牢屋送りとなってしまったそう。もちろん婚約は破棄となり、そちらに関しても償いのお金を支払わされることとなったようである。


 彼は婚約者を殴った犯罪者。

 寒い牢屋で生きていく。

 命だけはあったとしても、社会的に終わっているため、この先一生まともな道を歩むことはできないだろう。


 ルヴェンズの歩む道に光が射すことはもう二度とない。



◆終わり◆

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