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正義撲滅 魔王戦隊ダークトリニティ  作者: DD22


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第二部〜黒き統合と希望の炎〜第9話『決別の炎、選ばれし正義(中編)』

──ジャスティスタワー・第四の間。


バーニングレッド──ライガの拳と、ユナイトレッドの掌撃が正面からぶつかり合い、爆炎と共に空間が裂けた。


だが、その衝突の直後。

ふたりは互いに弾き飛ばされ、距離を取る。


──それは、かつてのような“師弟の距離”だった。


「……ライガ。お前は、変わったな」


ユナイトの口調は無機質なはずだった。

だがその言葉には、かすかな“人間らしさ”が混じっていた。


ライガは黙って構える。白炎を灯した拳が揺れていた。


「変わったのは……お前だ、ユナイト。

あの頃はまだ、“拳”で語り合えた。

お前が信じていた正義も──あんな冷たいものじゃなかった」


「感情は錯誤。個体の選択は、最適化された正義に比べて劣る」


まるで自身に言い聞かせるような、どこか迷いを含む声。


──そして、ライガの記憶がよみがえる。


──過去。


かつて、ライガとユナイト──本名カイは、ジャスティスフェイスの初期候補生だった。


互いの信念を拳で確かめ合い、何度もぶつかり、励まし合いながら育った日々。


ユナイトは、正義に疑問を抱いていた。

だがそれは、「誰かを守る手段」としての正義を求めていたからこそだった。


「正義って……誰かを助けるためにあるんじゃないのか?」

そう言ったのは、カイのほうだった。


あの頃の彼は、迷いながらも希望を探していた。


だが──統合作戦の計画が本格化し、上層部による「感情排除プログラム」の導入が進められる。


感情を持つ者は、“秩序の障害”とされる。


カイはその中で、誰よりも早く“選ばれた”存在となった。


正義の“顔”として。


「統一された世界の象徴」としてのユナイト。


──それは、かつてのカイの意志とは正反対の運命だった。


ライガの白炎が強くなる。


「お前は、本当は誰よりも“間違いを恐れていた”んだろう。

誰かを傷つけることが怖かった。

だから、感情を切り捨てたんだ……全部、正義に預けて」


「……記録にない情報。

誤差──感情影響を排除する」


ユナイトの拳が、鋭く振るわれる。

紅の軌跡が空を裂き、ライガに迫る──


だが、ライガは受け止める。

白炎の篭る拳が、それを押し返した。


「俺は、今ならわかる。

お前は、俺たちの誰よりも“正義”に囚われていた。

けれど、それは“間違い”じゃない。

お前は、ずっと誰かを守ろうとしていただけなんだ」


衝撃。


拳と拳がぶつかるたびに、塔の空間が軋む。

周囲の床が焦げ、壁に亀裂が走る。


──それでも、ライガの声は止まらない。


「ユナイト……いや、カイ。

あの時のお前の正義は、たしかに誰かを救っていた。

今でも、心に残ってる」


ユナイトの動きが止まった。


揺れ。

その瞳に、わずかに揺らぎが走る。


(……正義とは、誰かの命を守ること)


(……俺が、最初に拳を振るった時、何を願っていた?)


その記憶を思い出しそうになった瞬間──

ユナイトのシステムが再起動をかける。


「記憶干渉──排除。

感情揺らぎ──リセット」


彼の瞳が、再び冷たく閉ざされた。

だがライガには見えていた。


──その一瞬の迷い。


「お前が、もう戻れない存在なら……

俺は、それでも拳を向ける。

でも、もし少しでも“お前自身”が残っているなら……

俺の拳で、思い出させてみせる!」


バーニングレッドの全身が、白炎に包まれる。

まるで命を燃やすような輝き。


ユナイトが構える。

紅の閃光が集まり、次の一撃に備える。


両者、最後の一撃に向けて、踏み込んだ。


(第9話・後編へ続く)

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