第22話『正義の檻、破られるとき』
仮設広場に緊張が走る。
魔王たちが姿を現し、民衆の心に動揺が広がる。
そして、ジャッジレッドの一言がすべてを引き金に変えた。
ジャッジレッド:
「グリム、ネビュロス、ヴェルミリオン──お前たちを秩序妨害罪により、その場で“断罪”する。」
結界が展開され、空中に光の柵が走る。
兵士たちが一斉に構え、群衆が息をのむ。
◆始まる応戦
ネビュロスが静かに手をかざすと、凍気が一帯を包み込み、
兵士たちの武器を凍らせて動きを止める。
ネビュロス:
「こちらにその意志はなかった。
だが、一方的に押しつけるというのなら、応じるまでだ。」
ブレイズレッドが炎をまとい、広場中央に着地。
ブレイズレッド:
「またお前たちか。民衆の心を利用して、いい気になるなよ!
ここで終わらせる……!」
グリムが拳を握ると、地面から黒炎が噴き上がる。
グリム:
「潰すとか潰されるとか、そんなのどうでもええ。
やるってんなら、やったるだけや……!」
◆乱戦、始まる
セイジレッドの解析魔法がネビュロスの術を追い、
ブレイズレッドとグリムが火と炎をぶつけ合う。
ヴェルミリオンは群衆を巻き込まぬよう幻術で避難誘導。
ヴェルミリオン:
「正義だとか悪だとか、言葉はどうでもいいけど……
僕は、誰かの自由を潰す正義には与しないよ。」
◆民衆の反応
民衆たちは一様に恐れていた。
だが、その中で、ひとりの少女がぽつりと呟いた。
「……魔王、私たちを守ってくれてる……?」
◆揺れる心、燃える瞳
その様子を遠くから見つめていたバーニングレッド。
拳を強く握り、唇をかみしめる。
──これが、本当に俺たちの“正義”か……?
目の前で力を振るう仲間たち。
対して、言葉少なく民衆を守る魔王たちの姿。
──俺たちは、ただ命令通り動いてるだけじゃないのか……。
バーニングの脳裏に、かつて“救えなかった光景”が過った。
正義を掲げて行った戦い、その裏で泣いていた誰かの姿。
◆剣を断つ者
ジャッジレッドが巨大な光の剣を召喚し、
グリムめがけて振り下ろす──
その瞬間、バーニングが割って入り、剣を受け止める。
火花が散り、広場が静まり返る。
バーニングレッド:
「もうやめろ、ジャッジ。
それは、俺たちのやるべきことじゃない。」
ジャッジレッド:
「バーニング、何をしている。秩序のためだ。」
バーニングはまっすぐに剣を見据えたまま、言葉を放つ。
バーニングレッド:
「もしこの剣が……誰かを押さえつけるだけのものなら。
俺は、もうそれを“正義”とは呼びたくない……!」
その言葉が、広場全体に静かに響き渡った。
崩れかけた“正義の檻”──。
いま、確かにその檻が音を立てて軋み始めていた。
(第23話へ続く)




