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2/21

始まりはおもしろおかしく 2

 

「...っ!...うあ...」

 

頭が痛い、目を開けると一気に光が差し込んでき目が開けれない。だんだん目が覚めてき周りを確認するとどこか見覚えのある部屋に俺はいた。勉強机のようなものにタンスそして今俺が寝ているベット。俺は必死に状況を飲み込もうと脳を回転させるが、頭痛が酷く再びベットに倒れこむ

 

「頭痛てぇ…なんだよここ...たしか俺コンビニいって...あ」

 

激しい頭痛の中、何があったのかをようやく思い出す。事故にあったのだ。そして俺は死を覚悟した…なのに生きている、それどころか別に頭痛以外はどこも痛くない。それにその頭痛も良くなってきている

 

「翔ーー!!ご飯食べなさいよ!!」

 

ふと聞こえる女の声。聞き覚えのある、どこか懐かしい声。俺は再び脳をフル回転させ現状を確認する。どこか見覚えのある部屋、俺は古い記憶を引き出した、ここは間違いなく幼き日の俺の部屋だ、それもまだオカンがいた頃の、そしてこの懐かしい声は間違いなくオカン。俺はようやく現状を呑み込んだが、非常識な現実に目を背けようと、ほっぺをつねったりビンタしたりする。だが

 

「嘘だろ...?」

 

ちゃんと痛い...現実だった。俺はベットから起き上がり机の上を見る、机の上には学生証のようなものが置かれており、それを手に取って中身を確認する

 

「木下 翔 15歳高校1年3組…え?」

 

どういう事だ...俺は学生証を机に投げつけ、古き記憶を蘇らせる。ここが俺の元いた家なら、手洗い場は俺の部屋を出てすぐの所にあるはずだ、部屋のドアを開け、向かい側に手洗い場はあった

 

「え?ええぇええええ!!!!」

 

手洗い場の鏡を見て俺は絶叫した...若返っている。あったはずのヒゲはなく完全に若かりし日の俺だ...だが、こんな事があっていいのか?これあれじゃんよく小説とかで見る転生?って奴か?でも転生なら別の世界じゃ...など色んなことが頭を駆け巡る

 

「どうしたのうるさいわね!早く朝ごはん食べなさいってば」

 

俺が絶叫しているとその声に反応した母親が、手洗い場を覗きに来た

 

「えぇえええ!!」

 

母親の顔を見て俺は再び絶叫した、オカンや、間違いないオカンやぁ...母親はちょっと引いたような顔をしてこちらを見ていた

 

「頭でもおかしくなったのかしら、は、早くご飯済ませちゃってね...」

 

あかん、マジで高校1年の時の俺になってる。どういうこっちゃ、俺は考えに考えたがやはり、死んで戻ったとしか考えられない。しかも戻ったのは時間だけではなく、歳もだ。まだまだ考えるべき事は沢山あるがとにかくこの流れに納得した訳では無いが、朝ごはんを済ませなくては。俺は記憶を頼りに1階のリビングへと向かった

 

記憶が正しければこの家は2階立て、1階にはリビングなどがあり、2階には自室、手洗い場などがある。階段を降りていくうちに、美味そうな香りが鼻腔を刺激した

 

「お、おぉ…」

 

俺はリビングに着くなり、並べられた朝ごはんに感動した。味噌汁、白米、目玉焼きとオーソドックスな朝ごはんだが、懐かしきオカンの飯だ涙が出そうになる。決して、決っして、まともな飯が死ぬ前に食べれなかったから泣いてるわけじゃないからな?勘違いすんなよ?

 

「い、いただきます」

 

「は〜い」

 

まず、目玉焼きを箸で1口、口へと運んだ。俺は1口食べただけで再び泣きそうになっていた。とてつもなくおいしい、そして懐かしい。死んだはずのオカンが目の前に居て、そのオカンが作った飯が再び食べれるのだ。俺は感激していた

 

「おいしい?」

 

「うん、すっげぇうまい」

 

「そう、良かった。食べ終わったら学校行くのよ、もうすぐ迎えに来るでしょ」

 

迎え?おかしいな、なにか引っかかる、俺は高校の時はずっと1人で登校してたはずだ。まぁ、高校の場所もあんま覚えてないし、迎えが来るのは助かる。俺はあまり気にすることなく飯を完食した

 

「えーと、確か制服はここに」

 

記憶を頼りに制服をクローゼットから取り出し着用する。白い普通のカッターシャツに黒のズボン、校章が襟に書いてある学ランに懐かしさを感じつつなれない手つきで制服を着る。制服なんて何年ぶりだろうか…こんなに着るの難しかったかな…

 

制服を着た俺は手洗い場で歯磨きを済ませ、学生鞄に教科書を詰め込む、勉強机の時計を見ると今日は5月で月曜日、勉強机の横の壁に貼られている時間割表を見ながら、準備をする。そして、俺の記憶が正しければ家を出るのは8時ちょうど今は7時50分、あと10分ある。恐らく迎えが来るのも8時だと推測した俺は、この状況について詳しく考える事にした

 

どういうわけが、死んでしまった俺は若返り高校1年の5月入学し友達がそこそこ出来てきていたであろう、1番楽しい時期に戻ってきた。家の構造や母親、自室などは記憶の通りだが、お迎えがあるという謎。覚えてないだけ等では絶対ない。間違いなく俺は1人で登校していたはずだ。そんな友達いなかったもん...

 

「翔〜、来たわよ〜」

 

やがてインターホンが押され、母親が俺を呼ぶ。時間が過ぎるのは早いものだなと思いながら、鞄を右肩に背負い玄関へと向かう。玄関はやな思い出しかねぇなぁ…

 

「じゃあ、行ってきます」

 

「は〜い行ってらっしゃい」

 

玄関を開け、2メートルほど先の門を開けるとそこには1人の女子がいた。背は身長165の俺より低く160程度、ショートカットの可愛らしい女の子だ

 

「おはよう、翔くん」

 

「おう、おはよう」

 

...誰…?え?お迎えってまさかの女子?男子じゃないの?俺って女子の友達いた?いや、いるっちゃいるが、こんな子知らないぞ

 

「行こ〜」

 

その女子はそう言って俺の左手を、掴み引っ張っていく。...誰?朝からこんなリア充みたいなことできるのは嬉しいけど、誰...?待て待て待て待て、色々とおかしいぞ...

 

「あ、あのさ」

 

「ん?どうしたの?」

 

俺はこの状況を把握するために思い切って、聞いてみることにした

 

「君誰だったっけ?」

 

失礼だ...自分で言うのもなんだが大分失礼。頭おかしい奴だもん、よくよく考えてみ、朝一緒に登校するぐらい、仲良い友達に君誰だっけ?とか言われてみ?俺なら縁切るレベルだぞ...自分で言っておきながら早くも後悔する

 

「もー、翔君ってば冗談キツイよ〜。私だよ〜高橋 夏樹(たかはし なつき)だよ〜」

 

いや、ほんとに誰だよ!!?待て名前ぐらい聞けば思い出すと思ったが本当に誰だよ!怖ぇよ!!

 

「そうだそうだごめんごめん」

 

「も〜」

 

いや、可愛いよ。このからかわれた感じでニコッって笑う感じなんか最高に可愛いよ?でもね、ほんとに誰だよ…可愛いのいやほんとに可愛いの。なんでこんな美少女と歩いてんのってぐらい。でもね、俺の記憶にないの。...俺の記憶が1部ないのか?そういうことにしておこう、じゃないと頭がおかしくなりそうだ

 

「まぁまぁ、いこ高橋さん」

 

「え...?」

 

俺がそう言うと夏樹は立ち止まり、こちらを先程までとは比べ物にならないほど冷たい目で睨みつける。俺まずい事言ったのか…?

 

「なんで、苗字なの?下の名前で呼んでるじゃんいつも…なんで、ねぇ?なんで?」

 

「ごめん、冗談だよ夏樹」

 

「...そか、ほんとにさっきから冗談ばっかりやめてよ〜」

 

俺がそう言うと一気に笑顔になり、先程までの明るさを取り戻し元気になる。え?なんで?すっげぇ怖かったんだけど。泣くかと思ったもん。人間ってあんな急に表情かえれるの?借金取りとタメ張れるレベルだよ。怖すぎる…

 

「ほら、早く行くよ〜遅刻しちゃうよ〜」

 

夏樹はそういい俺の手を取り、再び歩き出した。さっきから色んなことが既に起こりすぎてもう頭が痛い。

 

「ところで翔君部活何に入るの?」

 

え?部活?あー、もうそういう時期だな。俺の記憶が正しければこの時期は部活体験が終わりいよいよ、部活を決めて本格的に活動していく時期だ

 

「まだ決めてないかなぁ」

 

「そーなんだ、私吹奏楽入るんだけど一緒にどうかな?」

 

「吹奏楽かぁ...」

 

中学の時俺は陸上部に所属していた。成績は上々で、大会で優勝するなど数々の成績を残してきた。だが、吹奏楽となると、運動部と文化部違いは一目瞭然だ。そして高校時代は俺はまた陸上部に所属していた、中学の時同様、様々な成績を残したが…

 

「考えとくわ」

 

「うん!!翔君と同じ部活に入れるなんて考えるだけでもニヤける...」

 

「何か言った?」

 

「何でもないよ〜」

 

そんな話をしながら、登校していると、だんだん俺や夏樹と同じ制服に身を包んだ生徒が周りに増え始める。恐らくもうすぐ着くだろう

今から人生2度目の高校生活が始まる。これは将来を変えるチャンスでもある。1度目の記憶を生かし2度目は上手いこと行くようにし、2度とあんな目には合わなきようにしようと、心に誓い歩みを進めた

 

 

 

ここまでご覧くださりありがとうございます!

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