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アニメクリエーター、転生先はツンデレ王子の想い人でしたが、面倒だと思っていたら隣国の皇太子に愛されました  作者: 遠野まみみ


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2/2

2・転生したら王妃の侍女

メイドのミティスと共に城へ上がり部屋に入ると、知り合いの人たちが

「お元気になられてよかった」

「ご病気と聞いた時には私も倒れるかと思いましたわ」と、言って訪ねてくるが

優香はああああ、ドレスのデザインをインプット インプット。と、

じっくり見てしまった。


お見舞いを言う人たちの中に同じように行儀見習いの貴族令嬢がいた。

カリア・マロリス・レ・クロエード伯爵令嬢。

皇太子の花嫁候補の一人で浮気相手だ。


記憶から彼女とその取り巻きに、ずいぶんと嫌味や意地悪をされたことを

思い出す。

うん、ライバルですか。 優香は面倒そうに、でもニコニコして挨拶する。

コソコソ話をするカリアの取り巻きたちを見て、ふうん。

いつか仕返しして差し上げるわ。と思う。


高校の頃、マンガ絵ばかり描いている優香を見て

悪口を言っていた人たちを思い出す。

ああ、あの人たちに顏が似てるんだわ。と、思うとますます仕返ししたい。


               *


王妃に挨拶をしに行くと、元気そうな優香を見て喜んでくれた。

「ご心配をおかけしまして、申し訳ありませんでした」

「あなたは少し体力がなさすぎる。

もう少し運動をしたほうがいいかもしれぬ。

来週は貴族たちを招いての野獣狩りがある。もてなしの手伝いをしておくれ」

「はい。」もてなし…野獣狩り?鷹狩りとかキツネ狩りみたいなものだっけ。


               *


その日はよく晴れて、狩り日和だった。

狙う獣は大型のイノシシのような動物だった。作物を荒らすので

定期的におこなって騎士でもある貴族の戦闘実習も兼ねている。


優香は彼らに飲み物をふるまった。

レミリアの記憶のおかげで、礼儀作法は完璧。ありがとうレミリア。


他にも貴族やその跡取りや令嬢が伴侶を探すために参加している。

ウォルターは例のライバルちゃん・カリアと笑い合っていて、

優香と目が合うとフンと横を向いた。 


あー、はいはい。本気でツンなら、なぜ婚約しようと思ったんだろう?

なんなら取りやめてもいいわよね。面倒だし、と思っていると

ライバルちゃんが声をかけてきた。 


「レミリアさま、馬に乗せてもらいましょうよ」と、カリアが誘ってきた。

これは何か企んでいるかのな?と、思いつつ

「いいですね、乗せていただこうかしら」と誘いに乗った。


優香が馬に乗ろうとした瞬間、突然馬が暴れて優香を振り落とそうとした。

カリアも驚いて転んだが、優香は受け身で見事に着地してその身のこなしに

「おおおー」と感嘆の声が上がった。


これでも運動不足を補うために、週3でジムで筋トレしていて

運動神経はいいんだから。と、優香はドヤッと背筋を伸ばした。


「びっくりしました。カリアさま、お怪我は?」と、

座ったままのカリアに声をかけると

「カリアさまはレミリアさまに突き飛ばされたんです!

レミリアさまは自分で突き飛ばしておいて、心配するフリをしているだけです。

爵位が上のレミリアさまに、カリアさまは逆らえないのです」と

カリアの取り巻きが言いだした。


人々から「なんてこと、ひどい」と声があがる。

カリアはしくしく泣きだして、ウォルターが「大丈夫か?」とカリアを支える。


はああ??思い切り悪者にする作戦ですか、そうですか。と優香は思ったが、

カリアを見て違和感を持つ。ドレスの腰のリボン。何か膨れている。

ほんのわずかな違いだが気になって、デジカ目を起動させた。



瞬きをすると、先ほどの記録が目の前に映し出される。

馬に近づくと、カリアが笑いを浮かべて馬に触れている。馬の尻に触る手。

アップすると手に何か持っている。太い針が見えた。 

それで馬を刺したのか。


カリアに近寄って、「失礼。ここに何かあります」と

リボンに手を入れて太い針を取り出した。


「馬を針で突いてわたしを落馬させようとして失敗して

勝手に転んで、自作自演お疲れ様でした」


優香に指摘されて、座り込んで

「違うんです、違うんです」と泣くカリアはそのまま失神して

屋敷に運ばれて行った。


               *


その夜はパーティーで狩りの腕をたたえ合う人や、伴侶を見つけた人が参加して

賑やかなものになった。


「あー。会社の打ち上げを思い出すわ」と優香。

セクハラ発言をする先輩を、酔ったフリをしてぶん殴ったのがいい思い出だ。


シャンパンのようなサイダーを持って、これにフルーツを入れたら

おいしいかも。と目の前にあったフルーツを適当に入れたら

とっても美味しくてみんなにも受けた。

女性にも飲みやすい。と喜ばれて優香は満足だった。


バルコニーで気持ち良くぼんやりしていると、ウォルターが目の前に

グラスを差し出した。

「殿下、ありがとうございます」  

「カリア嬢は寝込んでいるそうだ。自分の行いを反省しているらしい」

「それは、それは。本当に行いを反省でしょうか?

それともバレたコトを反省でしょうか?」


「君は少し変わったな。以前は何も言わない…いや、言えない人だった」と、

優香の言葉に笑いをこらえながら言った。

「そうでしたね」レミリアの記憶にはウォルターの言う通り、

優香がイラっとするくらい、何をされても言われても「NO」が言えないレミリアがいた。


「今の君はとても素敵だ」と顔を近づける。

「え?えええ?ツンはどうした!?…お酒の匂い?酔ってますか?」


「どうだろう…」

ウォルターはその後、地位と財力に寄って来る女性の話し。

その中で慎ましいレミリアに好意を持った事。時期国王としての責任。

支えてくれる人がほしいこと等など、まじめに話しをする。

ただのツンデレではない、きちんとした考えに感心する優香。

やがて優香にもたれかかる。優香はよろめいて手すりに背中がぶつかった。


少々華奢だが背の高い彼の胸の中で、さすがに照れて優香は赤くなる。


「……寝てるんかぃ」 

ウォルターの寝息が聞こえた。


この人、いくつだっけ?レミリアが17歳。彼は…たしか20歳。


わたしの7つ下か。…次期国王ってプレッシャーなのかな。そうだよね。

大変だもの…

てか、よだれ垂らさないでよ。背中が痛い。

と、思いつつも護衛が気が付くまでそうしておいた。


読んでくださってありがとうございました。


次回3話・転生したら強気になった

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