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焚き染め  作者: とみ
出会い
13/15

13 隣村

「おじさーん」

伯父は家にいないようだ。かめに川魚があるから、夕餉には帰るのだろう。重い荷物を置いて、ふと思った。このまま一目散に帰ったら伯父さんに捕まらずに済むかな…。よし、そうしよう。今晩は山陰で明かせばいいや。

水を一口いただいてから、さっさと家を後にした。


「あら。お遣いご苦労だね、リュウくん」

「おばさんも洗濯ご苦労さま。伯父さんに会ったら、よろしく伝えてくれる?」

「あらあら、会っていかないのかい?あれだけ楽しみにしているのに」

苦笑いで「うん」と言ってそうとしても、「グレンさんにはいつもお世話になってるからねぇ。ちょっと寄ってっておくれ」と、美味しい団子をもらってしまった。


隣村を出る頃になって、小さく聞こえる声に呼び止められた。

「リューーウ!」

紛れもなく、伯父の声だ。声のした方を嫌々見ると、遠くの山裾に伯父が人を背負って立っているのが見えた。周りには子供が二人、不安そうに付いている。一人は泣いているようだ。ため息をついてから、僕は伯父の方へ駆けた。


「すまないね、リュウくん。ありがとう」

伯父の背に居たのは若い父親で、太ももを負傷していた。猪に襲われたらしい。既に簡単な手当がされており、顔は青白いが元気そうだった。僕は息子二人を連れて先に山を降りて治療の用意を整えると、山中に残してきたというウリ坊を取りに行った。年上の子が手伝いに付いてきた。

「ねぇ、リュウにいは一人で捌いたことがあるの?」

「あるよ」

「今日は3匹とれたんだよ。いつもは父さんがやるのを手伝ってるんだ」

「そうか、じゃあ今日はリクが一人で捌いてみるか」

「えっ!本当?!…できるかなぁ?」

「できるさ」

父親負傷で不安そうにしていた少年も、それを聞くと楽しみで仕方ない様子だった。

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