23.暗号解読(その3)
篠崎が気づいたのは、『久』という文字が出現する行の規則性だった。全体に4行おきに改行を入れると、『久』を含む2行に挟まれた『久』の文字が全くない2行と、『久』の文字が全くない4行が交互に出現する。
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久久久久久久久久遠久
仏仏仏遠仏仏仏仏遠仏
仏仏仏遠仏仏仏仏遠仏
久久久久久久久久久久
仏仏仏仏仏仏遠仏遠遠
遠遠遠遠遠遠遠遠遠遠
遠遠遠遠遠遠遠遠遠遠
仏仏仏仏遠仏仏遠仏仏
久久久久久久久久遠久
遠仏遠仏仏仏仏仏遠仏
遠仏遠仏仏仏仏仏遠仏
久久久久久久久久久久
仏仏遠遠仏遠仏遠遠遠
遠遠遠遠遠遠遠遠遠遠
遠遠遠遠遠遠遠遠遠遠
仏仏仏仏仏仏遠仏仏仏
久久遠遠久久久久遠久
仏仏遠遠仏仏仏仏遠仏
仏仏遠遠仏仏仏仏遠仏
久久久久久久久久久久
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彼は、縦方向の1列が1つの数字を表しているという考えを捨て切れていない。なので、先ほど抽出した右端の1列も改行を入れて見ると、数字につながる何かが見えてくるのではないかと考えた。
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久
仏
仏
久
遠
遠
遠
仏
久
仏
仏
久
遠
遠
遠
仏
久
仏
仏
久
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彼がメモ用紙に上の文字を書いていると、菊川が覗き込んできた。
「何をしているの?」
「ああ、これ? こうやると数字が見えてこないかなぁって」
「数字が? そこに? そんな1列じゃ数字なんか見えるわけないじゃない。数字ってそんなに細長くないよ」
縦方向に1列の文字列を書いているのであって、数字そのものを書いているのではない。
馬鹿馬鹿しいと思うより先に、菊川のその図形的発想が突拍子もないので、篠崎は吹き出した。
「おいおい、僕はこの並んでいる文字列から何らかの規則を導き出して数字を見つけようとしているんだよ。こんな1本線の中に数字なんか見えてこないさ。当たり前だろ?」
すると、曙橋が意外なことを口にした。
「菊川さんの発想を試したら?」
「はあ!? 試すって、どうやって?」
「こんな1本線――っていう1次元の直線を2次元の平面にする」
「ピンとこないんですけど。具体的にはどうやって直線を平面にするの?」
「今5つある4文字のパーツを左に並べていけば2次元になる」
そんな馬鹿なとつぶやきながら、篠崎は次のように並べ替えた。5つある4文字の塊を左へ左へとつなげていくのだ。これで4行5列の四角形=平面になる。
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久遠久遠久
仏遠仏遠仏
仏遠仏遠仏
久仏久仏久
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「これのどこが数字なんだよ?」
篠崎はそう言って、書いたメモ用紙を180度回転させて、正面にいる菊川へ突き出す。
ジッとそれを見ていた菊川は、不思議なことを口にした。
「これ、ずーっと見ていると『山』って文字が浮かんでくるよ」




