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世界一、気持ち悪い恋の始まり  作者: みかづきん


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2/4

さいっていな野郎

ーーーー





「ごめん‼︎本当に助かった!」





「いーいー、気にすんな、


にしても災難だったなぁ。」




楽は腹部を抑える。




「…たくよお〜。服装は男なのに、


身体はこうだから、やになっちまうよー」




「全く…その調子だと平気そうだな〜」




そうからかうも、楽は少し、顔が暗いー。





まぁ、今更いうべきことでもないが一応…。





ー楽は身体は、女だー。




ー心が男で体が女ー





別に変な話じゃない。







仲良くなってきた小5の頃に、




つい気になり、どうして女の子なのに髪が短いんだと聞き、その時話してくれ、気付いた。





確か、親御さんも知らなかったはずだ。







「……」




「…ウェーイ‼︎」




ドンッ!




「オッ!?、何すんだよこの筋肉ダルマ!」




「るせー‼︎、男友達に体当たりするのがダメかよ、挨拶だろ〜」




「…」




俺が軽く体当たりすると、楽はすこし驚いた顔をしつつも、ニヤリと笑う。




「それもそうだ…ナッ‼︎」




ドンッ‼︎




「いってえ‼︎」






たくっ、変に心配かけさせやがって…。








別に俺はこの先、こいつを女として思う事も、扱う事も無い。こいつが性別は男と言うんなら男だ。





ーそれ以外あってたまるかよ。








ーーーーー。





家に帰ると、いつもの様にご飯を食べ、




楽と、ゲームチャットしながら遊ぶ。





ピロンピロンー。





「んっ?」




スマホが鳴る。




同じ高校の奴らだ。




『優弥、宿題見せてくれん!?


明日豪Tの授業なのに全然解らん!』




「ーはっ??」





やばい…‼︎




すっかり忘れてた。




豪T、俺らの国語の教師は宿題は当日、その時間に出さないと評価に入れない。基本明日まで猶予をくれる先生と違う石頭。





「ごめん楽ー‼︎俺宿題忘れてた‼︎今からやるわッ‼︎」




《バカッ!w w例のゴリTか!ファイト〜!》




そう言いチャットを切り、すぐさまリュックから、なんか下手なおり紙の跡の様になってしまった宿題プリントを取る。





ーーーーーーーーーー




    『あったの忘れてた‼︎一緒にやろうぜ‼︎‼︎』




『ヤッバ w wいっそ俺ら諦めるか‼︎』




                『うるせー‼︎』




ーーーーーーーーーー







結果、深夜1時、


豪Tから出された大量の宿題を


俺とその友人は、何とか終わらせた。








ーーーー




『あのゴリラ◯そーぜ』




              『お前の顧問だろ』


   『テニスボールをわざと当てろよテニス部』




『退学させる気か⁇』




                    『 w』


               『眠いし寝るわ』


                『おやすみー』




ーーーーー








そんなやりとりで終え、





ため息をつき、スマホの画面を確認する。




『1:31』




部屋を出ると、あたりは暗く、耳を澄ますと、ドアを開けたまま寝てる両親の部屋から寝息が聞こえる。





「……」




頭をかきながら、ベッドに横たわる。先ほど脳は勉強してヘトヘトな筈なのに、何故か覚めてて寝れない。




勉強すればするほど興奮する変態な脳を持った事にため息を吐き、せっかくならと、普段しない整頓を軽くする。




拾ってはしまいを繰り返してるのに何故か減らないゴミを睨みつつ直す。





ガコッ





「んっ?」




突然、先ほど棚の奥で発掘し、


部屋の隅に置いてあった箱が落ちる。




「…」




ふと何だか懐かしい感覚になり箱を開ける。




「うっわ、ナツー…」




中には小学校一年から六年までの思い出の品がたくさん詰まっていた。





「飽き性だったのに、よく集まれたよな俺〜」




今の自分ではできないことを平然に成し遂げた自身に感心しながら、穴の開いてないドングリ、当たりのガリガリ君アイス棒、めっちゃハマってたポケカ、ベイブレード、鬼滅グッズ


などなど…




「わーマジか!、


こんなザ・キッズだったんだ俺〜」





懐かしさと同時に黒歴史もフラッシュバックし、




少し悶絶しながらも漁る。





「…あっ。」




ふと見ると、鉛筆の芯ですっかり黒く、なった手紙を発見する。





「…」




ガサッ





少し、どこか切ない様な気持ちで開く。




予想通り、汚く拙い文字が綴られてる。




ひらがなだらけで読みにくい。




【楽へ




 オレ本当は、楽がすきです!




 ドッチが強い楽ちゃんが、かっこよかったし


 すごくくやしかった!




 ひっこしてたら、ドッチできないけど、




 近いから会いにいくから!まってろよ!




 もし楽もすきなら、オレとつきあってな‼︎




                 優弥より‼︎】








「…すぅ……、はっず‼︎、




うわぁ w w


本当に俺こんなの送ろうとしてたのかよ‼︎




バッカだね〜‼︎ガキの俺‼︎」




さっさとこんな黒歴史は消してしまおう。




そう思い、俺は手紙を折りたたみ、真ん中を掴み、横に裂こうと、力を入れる。






「…」




グッ、





どうしたものか、力を入れてる筈なのに、ビクともしなかった。




「…くそ硬えわこの紙、」




裂けない理由なんて、自分が1番わかってるくせに、聞く奴もいない言い訳する自分に冷笑する。









ー僕、本当は男になりたかったんだ。







あの言葉を聞き、もう4、5年経つのか。





五年の頃に、あいつは少しだけ遠くに引っ越し、




会えない距離では無いが、




ー毎日会える




のと、




ー休日に会える。




ではかなり違う。





当時の俺は、




小学生でマセガキだったのか。




ー当時、楽が好きだった。




もちろん『女の子』として、







ーだから、小5で引っ越す前で最後に遊びに行った日、




驚いたし、頭の中が固まった。




取り敢えず、


手紙は渡してはダメだ、という謎の本能が働き、




手紙は渡さなかった事はファインプレーだった。







そのおかげで、今は




『男友達』としてー




『親友』としてー




今は接することができてる。









未練がないのか?




と言われたら、




全然と言われたら嘘になる。




でも今更、あいつを好きになることなんてない。





そんな関係だー。












ー一週間後









「おまっ、どしたのその格好⁇」




目の前にいた楽は、




明らかに好みでないはずの




ヒラヒラとしたワンピースに、




最近少し伸びたウルフカットの髪は、


編み込みのある。今時の女子っぽい髪に、




普段のはにかんだ笑みでなく、




無表情の楽が立ってた。






「…母さんに無理やり、遊ぶ相手が男ってバレて、勝手にデートだと思った母さんが、


無理やり着せてきた。」





そう言うと、楽は左斜めを向きながら、ヒラヒラな袖口を見る。





「母さん嬉しかったんだろうなー。女子校に通って、男のおの字も無かった娘が男と遊びに行くんだ」




笑っているのに死んでいる目で、スカートを見る。




「あーあ、服ぐらい好きにさせてくれよな〜…


たくっ、、、、」




「…楽、こっち来い」




俺はとにかく何とか少ない脳を振り絞り、楽の手を引っ張る。




「ハァ!?、おい優弥‼︎」





突然手を引かれた楽が相当混乱していたが、




知るか‼︎の勢いで連れたのは、古着屋だ。




「てんちょー‼︎友達に服着せるから割引して〜」




俺が一声かけると、店長が奥からヒョコッと顔を出す。




「あっ?んだとクソガキ〜、休みとって随分と余裕が…」




「ちょっと恥ずかしがりだからひっこんどいてッ‼︎」




「ハァ!なーんで俺が引っ込まないと」




「10%増しで買うわ‼︎」




「ヨシ!好きにしろッ‼︎」




そう言い店長は素早く奥に行く。


「ヨッシャァ!」


俺は持ち帰り用の袋を取り、

楽を連れ出して更衣室に入れ、袋を差し出す。




「それに今までの服を入れろ、


俺のファッションセンス見せてやんよ!」




「な、優弥…⁉︎」




「いいから!これとこれと…靴はそこまで嫌いじゃなそうなデザインだからそのまんまだな‼︎」




そのまま混乱する楽を無視して、服もついでに更衣室に放り込むとそのままカーテンを閉じる。





10分後、





「よーし、楽ー!いいかー?」




「お、おーう」




俺は、ゆっくり確認も込め、ゆっくりカーテンを開ける。




するとなんてことだろう。




ヒラヒラで可愛いフリルの肩出しトップスは、




ハワイかどこかの南国の写真をプリントされた


白いTシャツ




可愛い涼しそうな、膝丈までのスカートは、




遥か昔にはやったダメージジンズに、




少し寂しい手元には、たまたま店で置いてある百均クオリティの腕時計。





「おぉ!お前古着も合うじゃーん‼︎


お前が良かったらさぁ、服濡らしてもいい?




公園のクソガキかなんかに水かけられて、




友人の男が連れてったところが男物しかなくて買ったでいけるでしょあのお母さん、


ボーイッシュダメなわけじゃ無かったしさ〜」




「…ズッ、」






ッ!!!!?????





俺がふと振り向くと、楽はらしくもなく、泣いている。





「えっ、ちょ待って!ごめんって‼︎


古着嫌か?」




「違う…、ありがとう…」




そう言い楽は、顔をあげると、顔を真っ赤にしながら笑みを浮かべる。





「楽…?」





「いやさ…何でお前ってこんなにも優しいの…」




そう言うと涙を拭い、いつも通りの笑みを取り戻す。




「俺さ…ぶっちゃけ変じゃん?




みんなと違うし、いつも髪は男っぽい女の髪して


晒し巻いて胸潰して、バカみたいなのに…




…お前は男として俺を扱ってくれる。




…気、使ってくれてるんだろうけどさ




ありがと、優弥」




「ハッ⁇




いやそれはちょっと違うわ」




「えっ⁇」




楽は再び驚いた様な顔をする。




全くなんて情けねえ顔と、情けねえことを考えてんだコイツは…。





「いいか、お前は、何だ?お前の性別を言え、




…それによっては今後の扱い変え…」




「一応…女?」




「そうじゃねえ、本当か⁇、お前は、




お前自身が好きな方言え」




楽は口をポカンと開けたまま固まる。この時の時間が長く感じたのは俺だけじゃないと思う。




まさか秒針の進む遅さが、つまんねえ授業を超えるとは思わなかった。





「…俺は、男だ。」





「…楽、手を出せ」




「えっ、ああ…」




ーパンッ‼︎‼︎‼︎




俺はそのまま困惑する楽の手を勢いよく手のひらに


ハイタッチを決めると手を握る。





「よしっ‼︎、じゃあお前は男だッ‼︎誰が何と言おうと気にすんなよバカ‼︎」




「優弥…」




「いいか、俺は女には紳士、男には容赦なし‼︎




女なら、丁寧に接し‼︎男なら思い切り肩を組むは体当たりもするわそんだけだ!




『実は俺、心が男だけど、受け入れてくれるわけないよな』とか考えんな!めんどくせー‼︎」




そう言ったあたりから楽は大きく見開いた目から溜め込んでいた涙をこぼし始める。




「俺は‼︎、お前が男だって知ってるから‼︎


変形するロボに、ドラゴン好きなやつが!


『男』つってんなら男だ‼︎」





ポロポロ落ちる涙は更衣室のカーペットを濡らす。




あーあ。後で店長に叱られる。





「ゆ、ゆ"うや"ぁ…‼︎」




「何だ‼︎、友よッ‼︎」




「お前…。やっぱ最っ高の親友だよッ‼︎‼︎」…。




「おうッ‼︎たりまえよッ‼︎」











ーーーーーーー







それから暫くその辺うろうろして、




服を適当に濡らして、楽を返す。





「つーか、お前も不良じゃーん、共犯かよ」




「お前はお嬢様バッカじゃーん、俺のところは基本校則の1、2個破るクソガキ集団だからいいの♩」




「何だソレ!」




「へへ…じゃあな、今度は俺の店寄って金落とせよ。」




「うるせーよ、たまには…な、」






そう言い、俺は駅のホームであいつを見送る。






俺はそのまま帰る…


…訳でなく、ある場所にまで戻る。






ー古着屋のスタッフルーム。





…ガチャ




「よー、クソガキ、よくまあのこのこと、


店長追い出した挙句、結局1時間も時間無駄にしやがって〜」




「もー店長、どうせ人の来ない店だしいいっしょ〜」




「黙れクソガキ…、ところで、あの子か…。










…『最っ低な恋をした、親友にした。』」





「…そうだよ」




そう言うと、店長は暫く黙り、じっと見ると、タバコを一服する。






「…てっきり俺は、




親友の彼女に惚れたかと思ったんだけどな…





ま、別にダメでもねえだろ」




そう言い、低いのに、どこか温かみのこもった声でそう言うと灰皿にタバコを押し付ける。




「ダメなんだよ…」




「ハッ?」




店長は不思議そうな顔で、こちらを見る。




その場でしゃがみ込み、下を見る。


顔を見られたくねえ。




「俺さ…、あいつのこと見てドキッてする瞬間あんの…




えっと…髪をかきあげる時でしょ、




ほんとにレアで、恥ずかしがる顔でしょ…。




…無邪気に笑う顔ね…。




 …たまーに、伸ばす髪ね………」





だんだんと声が小さくなる。




「…」




店長はそのまま黙って俺の方を向いて話を聞いてくれる。











「…俺ね。




あいつをね…。  」









あーくそ、俺の方が悪いのに、涙が出るのは何なの




くそ…





「…………。あの子を、




『女の子』として…。好きになっちゃった……。」





歪んで見える瞳からは、ぼんやりとした床のデザインしか見えず、




肌から滴る涙と、ポタっ、と落ちてしまう音に、




涙が止めたくても止まらなくなってしまう。





「小5の頃ね、


あいつがああ言った時に決めたの俺…。





男として接しようって、、、





なのにな、俺はね………





『女の子として、




あいつを好きになっちゃったの』」







それからだ。俺は両手で顔を覆い、啖呵が切れたかの様に泣き叫ぶ。





「う"…、ウ"ワ"ア"ァ"ア"‼︎‼︎




ア"ア"ァ"ア"ア"ァ"ッ‼︎‼︎」




バカだよ俺、最ッ低だよ俺。





あいつは俺が男として扱ってくれるから、




俺を、親友にしてくれてる。





なのにッ‼︎、俺はこうして‼︎‼︎





勝手に好きになって、傍迷惑にもほどがあるッ‼︎







「………」





店長は黙って俺のところまで歩き、しゃがむと優しく背中を撫でる。





「…ダメな恋でもしてもな、人はするんだ。




それはな、もうしょうがねえ事なんだよ




優弥、お前は最低なんかじゃない。




ちゃんと、好きじゃねえか。」





「う、ぢ、ぢがうんだ…‼︎」





違うんだよ…。





俺は、男として生きたいあいつを、




『女の子』として好きになったのが嫌なんだよ…









だってよお…‼︎




俺が最初に、あいつが女の子の格好した時に思った事なんだと思う!?









ーああ、めっちゃ可愛い





だぜ。





さいっていだよ…。あいつが内心嫌な事すらも気づかずに俺は…





挙げ句の果てに、俺がそのあと思ったことも何だと思う…。




傑作だぜ!




まさにピエロw








………





【もしかして、俺の為に?】






だぜ…。




バッカだね〜‼︎ガキの俺‼︎……






……クソガキの俺。



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