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ラストダンジョンに登場する雑魚モンスター『ヘルライダー』になっていた。魔王のお手伝いをすることになった  作者: 愛原ひかな
第2章

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錬金術の存在を知る


 この光の眩さは、ダンジョンでワープした時に味わったものと似ている。

 ただ大きく違うとしたら、小声がよく聞こえることだ。


 ル、オクラーヴァル。アメシスト。


 大杉の耳元で囁かれた。


 アイリーンが錬金術を行う工程で、必要になる魔法の言葉。


 この世界の錬金術は、魔法に近いのものなのかもしれない。


 大杉は神秘的な錬金術を前に、興味を湧かせはじめる。


「またゲームや漫画などでは味わったことのない体験か……興味深い……」


 息を呑む大杉が右手を伸ばすと、眩い光が小さくなっていく。


 錬金術を終えたのだろうか。

 釜の上にキッチンシンクが浮かび上がっていた。


 しかしながら、まだ実体がなかった。

 興味本位に大杉が手を出したのだが、キッチンシンクに触れることなくすり抜けてしまう。


「錬金術は凄いが、これでもまだ未完成品なのか……?」


「違いますぅ。この状態で現地まで納品してから実体化させるのですよ」


 嫌そうに答えるアイリーンは、ため息を吐きまくっている。


 アイリーンの視線はヒュドラ卜に向けられていた。


 疑問をすぐに出す大杉よりも、にこやかにするヒュドラ卜のほうがよっぽど気を悪くしていた。


「あ、アイリーンさん……ひとつだけ質問しても大丈夫ですか?」


「答えれる範囲であればだけど、どうぞ」


「俺のこと、どう見えてますか?」


 大杉はアイリーンのことを不思議がっていた。


 だからこそ、少し意地悪な質問を投げかけていた。


「どう視える、ね……ふふふっ……」


 アイリーンは苦笑いする。



「貴方、お名前は?」


「ヘルライダー大杉です」


「変な名前ね。あだ名と呼ぶべきかい?」


「アイリーンさんは……どうしてそう思ったんだ?」


「魔族召喚の儀で、モンスターとして呼び出しされているでしょ。召喚主まではわからないけど、エルフだから視えるのよ。人間の顔とかが」


「地球での、俺の顔がみえている……?」


「さしずめそんなところかね。エルフはね、召喚された存在かどうかの判別をすることの出来る力があるのよ。元々は精霊に愛された種族だから……」


「精霊が……この世界にいるのか」


「居るよ。魔王の近隣には精霊なんて居なかったと思うけど……何か忘れている気がする」


「そうなのか」


 大杉はもっと質問したいと思ったが、そもそも質問したいことがすぐに出てこなかった。


 言葉が詰まりそうになる。

 何か喋らないと。


「アイリーンさんが忘れていることを思い出したら、俺に教えて下さい」


「変わったことを言うのね……」


「すみません。これでも俺は魔王に従う雑魚モンスターなので」


 大杉は胸を張って言い切る。

 これは紛れもない事実だ。


 ヨミルと出会って、大杉はヘルライダーという雑魚モンスターになった。


 雑魚モンスターとして振る舞えているのかはよく分かっていないけど。


「ところで……これどうやって運ぶんだ?」


 大杉は半透明なキッチンシンクに再び目を向ける。


「それなら良い考えがごさいマスわ」


 ヒュドラ卜の手が、大杉に視界に入り込んだ。


「ヒュドが魔獣の姿に変身して空を飛んだらすぐなのデス!」


「……ヒューはキッチンシンクを早く設置したいのでしょうけど、街中で魔獣の姿なんかみせたら大騒ぎになるからやめてあげて。収納アイテムと馬車はこちらで用意してあげるから、お代だけ置いて早く帰って」


 はっきりとした言葉を伝えてきたアイリーンは、ヒュドラ卜に対して相当怒っている様子だった。


お読みいただき、ありがとうございます。

面白いと思いましたら、感想やブックマークをよろしくお願いします。

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