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三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第III章 グレイズの三匹
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073 僕っ子

視点変わります。

 はいはーい、ケリーですよ~。

 私はこれから僕っ子になるよ~。


 え? 何を唐突にって?

 そんなの簡単だよ~。


 この容姿を考えたらどう見たって僕っ子の方が様になるでしょうよ~?

 え、そんなの誰も期待していないって?

 嫌だなぁ、そういう需要ってものが世の中にはあるんだから、お応えするのが僕の務めってものでしょ~? それに~、十年前まではこれが素だったんだよ~。老けたからさすがに痛くなって封印したけど~。


 え? おネエ言葉は痛くないのって?

 おネエに賞味期限は無いからだいじょーぶ!テヘ!


 というわけで、私改め僕で過ごすことに決めちゃった僕ですけど~、人里に出たはいいけど初っ端からずぶ濡れに始まって、可愛い系の痛い耳と尻尾付きのコスプレちゃん姉妹に追剥されかけちゃったんだよ~。


 う~ん。やっぱ、可愛いって罪なことだよねぇ。


 そんなことより、折角だから彼女達の家に居候させてもらうことにしたんだよ~。

 だって夕暮れ時だったし、屋根のないところで眠るの嫌だったから。それに彼女達もとっても快く受け入れてくれたし~。あ~、でも家に来てみれば結構なあばら家で、こういうの見ちゃうとガリちゃんって凄いんだなぁって改めて思ったんだよ~。


 家の中に入っても真っ暗なんだけどね、不思議なことにあの姉妹は物にぶつかったりもせずに母親の寝ているところに歩いて行ったんだよ~。何で分かるんだろうなぁとか思いつつ、慣れていれば困らないのかな~。僕も鑑定で家の状況を把握しているから、彼女らにそういう力が有ったとしても不思議じゃないのかも~。

 

 彼女らが見ている母親だけれど、随分と苦しそうな呼吸が聞こえるから鑑定してみたら重めの病気になっている様なの。キョーコちゃんの万能薬がバッグやガレージにあるから、とりあえずバッグから一本取り出して飲ませてみたんだけれど、効果は出ているようだけど起きる気配は無かったんだよね~。

 そこで試しに魔力感知を使って体の中の魔力の流れとかを見てみたんだよ?

 そうしたら黒い力が流れ込んできているのが見えたんだ~。


 これって邪の力だよね~。


 邪の力は僕の検証では呪術的なものと関係しているっぽくて、例えばそこらの動物を見たとして、あの動物なんて死んでしまえ~って念じると、その思念が魔力を帯びて対象を呪殺しちゃうんだよ~。こわいよね~。

 とっても厄介な魔法だと思うけれど、この魔法には明確な害意と正確なイメージの他に大量の魔力が必要なんだ。たぶん、こんだけチートな内容だから簡単に使えない様にするためのハードルとして燃費が悪いんだと思うんだけど、そんな縛りを誰がしたのかと考えると、魔法って不思議な能力だよね~。

 あと、聖のレベルが高くなるにしたがって~、邪の力の必要消費魔力が上がっているのも確認しているから、反属性関係にあたる聖と邪の同居は難しいのかもしれないかなぁ。

 他の四属性や光と闇の関係と比較すると、この二つの属性はとても変わった関係だと思うよ~。


 キョーコちゃんから教わった聖属性の結界を使ってまずお母さんを囲ってあげると、その中で邪の魔法が逃げ出してきたから浄化の魔法で追い立てて魔石に移動させたんで、とりあえずオッケーかな~。

 サイコロキャラメルサイズの魔石に属性相殺した魔力を込めて~、それをお母さんの色に染め上げてから邪魔法を移動させたから、術者側も見かけ上は継続している感じに見えているはず~。まぁ、そのうち気付くとは思うけれど、その頃には片付ければ良いことだよね~。


 彼女ら一家は快く僕の滞在を許可してくれたから、僕はゆっくりここを拠点に動くことに決めたよ~。え、詳細が色々と違うって?

 そんな細かいことは気にしな~い気にしな~い。


 ここのことは全く分からないから、まずは情報収集しつつ僕の為に動いてくれる人達を増やさないといけないと思うんだよねぇ。

 その気になれば街に入ることは出来ると思うけれど、彼女らみたいにこのスラムにいる人達の理由とか、この世界で起きていることをある程度把握しておきたいってのもあるよ~。

 

 僕はその日はガレージから適当に食事を出して食べたんだ~。

 あ~、一応アリサ一家にも世話になっているから、ちゃんとお裾分けしたよ~。

 そうしたら、三人で涙を流して僕のことを天使様とか言い始めたから、そんなに僕のご飯が美味しかったんだねぇ。これまで美味しいって笑顔で褒めてくれる人はいたけれど、涙流して拝まれたことは無かったから、びっくりしちゃったよ~。


 寝る前にお風呂に入りたいところだけれど、お風呂なんてキョーコちゃんしか持ち運べないから、僕の三十センチ四方の小さなガレージでは、いくら沢山用意できても大きな物は入れられないのよぉ。……というわけで、僕が生み出した生活魔法「ソニックシャワー」で解決だよ~。

 ソニックシャワーは風魔法の力で汚れを落とし、すっきり爽やかにする旅のお友達。僕が旅立つ日の為にと用意した特別な魔法なんだ~。

 ちなみに微妙に匂っていた双子姉妹や母親もこれで綺麗にしたら、随分と見られる顔立ちになったから、小奇麗にしていたらそれなりの令嬢っぽいのかも~。

 しかしまぁ、こうして改めて見ると、この双子って全く似てないんだよね~。

 母親の面影はなんとなーくあるから親子だとは思うんだけれど、双子って言われなければ分からないよぉ。しかも、名前がアリサにサリアだよ~。この世界の言葉でも狙っていると思うのよね~。

 それは兎も角として、ソニックシャワーで三人も突然スッキリ爽やかになったからか、何だか気持ち悪いくらいに笑顔でダラダラしていたんだよ~。

 魔法があるんだから、こういう生活魔法くらい有っても良さそうな物だよね~。


 とりあえず今夜はもう寝ようと思ったんだけれど、家に変な人が入ってきても嫌だから聖魔法の結界を張ったんだよ~。


 え、お前が既に変な人じゃないかって?

 やだなぁ~、こんな可愛い僕が変な人なわけないじゃんか~。


 あー、ただねぇ、あの結界使うと家の中が仄かにキラキラ光るでしょ~? 僕って寝る時に明るいと気になって眠れない方なんだけれど、これだけのあばら家だと色々と変な虫とか入ってきそうで嫌だったから、光と虫を天秤に乗せて光に軍配を上げた感じなんだよねぇ。まぁ、僕も贅沢は言っていられないなぁって思うんだぁ~。


 色々と用意も済んだことだし、僕はガレージから寝袋を出して寝るつもりだったんだけれど、姉妹もあの母親同様に板間に藁敷いて寝てる感じだったから、自分一人寝袋でぬくぬくってのもちょっと気が引けるでしょ~? もう仕方ないから寝袋を開いて掛布団にしてあげて、僕は板間に適当に大き目の布を被って寝たよ。


 僕って優しいでしょ~?

 おかげで板間に寝て翌日は背中が痛かったんだから~。


 翌日はご近所さんにまずは挨拶回りをしたよ~。

 怪しいものではないですよ~って教えておかないと、変な気を起こされても困るでしょ~? 引っ越しの定番はお蕎麦ということだけど、流石にラズウルドでは蕎麦まで作るなんて出来なかったから、兎肉の干し肉を配って歩いたよ~。

 ちなみに欲し肉も兎や豚よりダークウルフの肉で作った犬肉の方が薬効みたいなのが有るんだよね。やっぱり魔力を豊富に持つ個体から作る肉には相応の何かが詰まっているって感じなのかなぁ。


 んで、話を戻すと、勿論僕が怪しいとかって話ではなくて、周りの中に「怪しい人」がいることも考えておかないといけないでしょ? だから、どんな人がいるのかは僕自身が把握しておきたいんだ。こう見えて僕って人の顔を覚えるのは結構得意でね~、一度会えばどんな人かは記憶している方なんだよ~。

 姉妹を伴って回ったんだけれど、最初はこの姉妹、凄く行くの渋っていたんだけれど、あんまり言うこと聞かないから二人の長い髪を姉は玉葱に、妹は三つ編みおさげにしてやったら、とっても喜んで素直に付いて来るって言ったのよ。

 もう、最初から素直に返事すれば良いのに~。


 見たところ、姉妹の説明にも有ったけれど、確かにご近所に居るのはおじいちゃんおばあちゃんとか、弱そうな男達かしら。色々な素性の人がいるんでしょうけど、その中で目星をつけるべき相手はそうそう居ないと思っていたら、一人おかしな人を見つけちゃったんだ~。

 ふ~ん、こういう人がいるんだねぇ~。


 その人の頭からはふよーっと長く伸びる「何か」が付いているのよ。

 これは私似たようなの見たことあるよ~。

 きっとそういう力を使っているんだとは思うけれど、これを使う意図は何処にあるのかは気になるよねぇ。まぁ、向こうもこちらの事が気になるからこういうのを寄越すんだと思うけれど、さて、そんなに気にしてくれるなら、バッチリデートでもした方が相思相愛になれるってもんじゃないかしら?

 フフ。

ケリー視点でした。

色々と素の出るケリーさんなのでした。

次はシーン変わります。

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