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三匹のおネエ ~おネエ達の異世界生活~  作者: ジェード
第Ⅱ章 人里に出た三匹
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K01 村の変化

ジェシーちゃん視点です。

 

 キョウさんが私と村を救ってくれてから数日。

 私の生活は一変しました。


 村の皆さんはあの日、私にこれまでの事を謝って下さったのですけれど、今度はキョウさんを保護者に持つ家の子として羨望の様なものを受けている気がします。

 どうしてそうなるのかと最初は戸惑いましたが、気にしてもどうにもならなそうでしたので気にしない事にしました。何事も考えても無駄な事は悩むだけ無駄な事だと、私は両親が亡くなり兄が病に伏せてから痛感したのです。


 そんな事より驚いた事がいくつかあります。


 それはキョウさんが商人ではなく旅のハンターだと思われていて、実際私もそうだと思っていたのですが、それが違うという事を本人に聞いて分かった事です。キョウさんは冒険者ライセンスをお持ちではなかったのですが、では商業者ライセンスを持っているのかというと、それも持っていないという事でした。

 東方の国は詳しくわからないのですが、世界中に支所を置くというギルドのどこにも所属せずに行商先探しの旅をされているという話は、どう理解して良いのか分かりません。キョウさんの顔立ちなどを見ると確かに東方の方だと思いますけれども、東方にはまだギルドも入らない国があるのでしょうか。それは行った事がないため私には確認のしようがありません。

 でも、これほど強くて頭も良いキョウさんの事を考えると、もしかしたら身分を隠す必要があるような立場のお方なのかもしれません。そう考えると二人のお子さんの綺麗な容姿や大人びた反応や言葉遣いも納得出来る気がしますし、キョウさんの物腰の柔らかさや品の良さ、何よりあの柔らかい優しげな手もわかる気がします。


 この事を私は誰にも告げるつもりはありません。

 キョウさんがあえて何も仰らない以上、そこに触れてはいけない事なんだと思うんです。ライル達にも何も告げずにいる辺り、むしろその様に勝手に憶測し広まる事を望んでいる様にも思えます。


 家には沢山の方がお見えになります。

 村を救った救世主の役に立ちたいとやって来る人や、ご近所の人達、村長さん一家やライルのとこまで、本当に沢山の方が出入りする様になりました。でも、皆さんの様子を見ていると、どうもそれだけではなかった様です。


 うちに来て皆さんまず驚くのは、土間と土足厳禁の部屋の区切りです。

 土間は綺麗に白い石の一枚岩になっているから、みんな地面を見て暫く見ているなんて事があります。他にも水場の丸い輪を回せば水が流れる水瓶は、村の奥様方の注目の的でした。そして次に驚かれる事は室内が明るい事。

 天窓から降り注ぐ陽の光のお陰で薄曇りの日でも室内が真っ暗になる事はありません。高価なガラス窓が使われているというだけでもキョウさんの財力を示すものですが、より財力を見せつけている分かりやすいものはガラス戸棚です。

 私も最初に見た時は驚きましたが、ガラス窓の嵌められた綺麗な木製の棚の中には、沢山のガラスの器やカップが入っています。キョウさんからはその食器を使ってお茶をお出しして差し上げる様お願いされていますが、こんな高価なものでお茶を出されたら落として割った時のことを思うとドキドキしそうなものです。

 でも意外にも皆さんの反応は良好で、逆にお金持ちとしてもてなされている様な気分がしてうっとりしたとライルのおば様は仰っていたわ。

 どうも私はこの一年あまりに磨いた節約の心掛けが影響している様です。

 何はともあれ、この様に皆さんはうちの内外の物をよく観察しに来ている様に感じます。その気持ちは分からなくもないのですけれど、こうも毎日色々な方がいらっしゃると落ち着きません。

 しかし、皆さんがキョウさんの体を心配してやってくることも本当の事で、そういう方々が沢山いらっしゃることから、私が居なくてもキョウさんの世話は回りそうな感じでしたので、私はあえてそちらには回らずにキョウさんのお願いを受けて動く事にしました。

 毎日の日課である農作業をして、その後はキョウさんのお願いを聞いて方々に出かけたり、村長さんの家で筆記のお仕事をしたりしていました。

 キョウさんは私に筆記のお仕事をできる様になって欲しいそうで、キョウさん同様に衰弱して体力的に覚束無い村長さんを補佐し筆記業務を代行する事で勉強して来て欲しいと言われたんです。

 最初は私にそんな事が務まるのかと思いましたが、やってみれば大変ではありますが出来ないことではなかったので、村の執務が滞る事も無くキョウさんの考える新しい施策が次々に始められる運びとなったので、何とか私も村に役立つ事が出来ました。

 

 月日が経過し、キョウさんが回復して施策が村の至る所で始まった頃には、また新しい変化が起こりました。


 キョウさんのお陰で村から汚物の匂いが消えた頃、より良い香りを求めて村内に花を植えるという話が起こりました。村の家には土魔法で作られたカダンというものが出来て、そこに野山の香りの良い花が植えられる様になり、村の中が花の良い香りでいっぱいになりました。


 土魔法といえば、用水路というものが整備され、畑や村内に流れる川の支流が出来ました。この流れのお陰でカダンの水遣りも簡単に出来るという事情もあってカダン作りが進んだという背景もあります。最近では村内舗装事業が始まったので、村の中の至る所で土木工事をしている状況です。


 そして、同じ頃から村のあちこちで土間と板間を分けるうちと同じ家の作りを真似る動きが起こりました。あの暮らし方は清潔に暮らせてとても良いと皆さん感じられた様で、村内で新たに建てる家もその様な作りになりました。ただ、キョウさんの助言もあり、土間は入り口付近のみの形に変わって行きましたが。


 服装も変わりました。


 キョウさんの作った新しい装飾品類は、これまで女性向けしか作ってこなかった村に男性向けという新しい物をもたらしました。でも、作ったからと言って直ぐに誰もが使ってくれるとは限りません。最初はキョウさん自身やお二人の息子さんや私の兄と弟、それにライルとアレンさんが実際に使って見せるという形で知ってもらう事になりました。

 兄や弟は兎も角としても、キョウさん一家やライルにアレンさんは元から見た目が良い方なので、何を付けても似合うものです。なので、彼らは格好良いけど自分は無理という感覚で尻込みしている様な印象でした。しかし、キョウさんはその程度で諦めたりはしませんでした。


 数日後、いつの間にか飾り気の無い村の男達の服装が格好良く見える様になって、村の女性側の反応も変わって来ました。……というのも、キョウさんが村を歩いていて不恰好な人を見掛けると、その場でキョウさんの組織したポプリビフォーアフターズという人達が格好良く変えてしまうんです。それはもう魔法の様に。

 キョウさんの話では、このビフォーアフターズは村の女性部の人達の中でも若くて比較的美人な奥様方5名で組織されていて、村の男性に限らず服飾や美容について企画する美を追求するチーム……というものだそうです。

 キョウさん達率いる彼女達の活動ですが、例えばそれまで粗野な男性にしか見えなかった人は、その粗野な雰囲気を活かした色気というのでしょうか、村の新しい男性用装飾品を纏った姿はとても素敵な方と錯覚してしまう程なんです。これはもう魔法という他に無いと思うのですが、魔法なんて使っていないのは知っているので不思議です。


 ビフォーアフターズの活躍で村からむさ苦しい男性が消えました。

 何という事でしょう。


 村では自警団に男達全員が所属する事になって、村の男達はみんな参加しています。

 それぞれ労務の日に参加して訓練を受けるのですが、パトラッシュ君とインディ君の二人が教官として立っているそうで、キョウさんの息子さんと侮っていた村民の殆どは初日で傷だらけという有様でした。

 大丈夫かなと心配していたのですが、その必要は無かった様です。

 二人に鍛えられた男達は日に日に体格も良くなって、ライルから話に聞いた分にはもう何人かは国の兵士として志願出来る程のライセンスを取れるんじゃないかと言うんです。

 私はそれ程に皆さんが強くなったという事にも驚いたのですが、つまりあの子達はそれ以上の実力があるって事ですよね。しかも、ライルも二人に教わっているという話で、ここ最近生傷が絶えないライルという印象でしたから、村で一番と言われたライルよりも二人は強くて、キョウさんはその二人よりも……考えたら目眩がしそうな気がしたので、この辺で考えるのはやめておきました。


 私は半ば事務仕事に没頭する事で考えるのを止めていた様に思います。

 でも、そんなことをできる様になっただけ村が平和になり、私達の暮らしも穏やかになったのだという実感も湧きました。


 この生活を一年前に誰が予想できたでしょう。

 それは誰にも予想できない事です。

 そして、その予想外の幸せを大事にしたいと私は思うのでした。

ジェシーから見た村の変化です。

キョーコとマルティアで企画された新しい村の商品。

その商品を広めるために結成されたビフォーアフターズ。

ちなみにマルティアがビフォーアフターズのリーダーです。

ジェシーもその変わりように何という事でしょうです。

それだけではなく、村のあちこちで変わり始めました。


※キャラ視点限定ではない閑話はKシリーズとすることにしました。

 とりあえずこんな設定で進めますが、後で変更することも。

 

 本日は事前予告したほどは遅くなく、思ったより早く投下出来ました。

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