一般人ではなくなっていたらしい
どうも、投稿遅くなりました。
見上げると、空はどんよりと曇り今にも雨が降りそうだ。そんな中、礼奈さんは男と対峙していた。男は白い服に身を包み、その顔は隠されて見えない。しかし、僕は直感的に思った。この男は強い。
「初めまして、綾式礼奈」男が口を開いた
「妾こそ」
両者は微動だにしない。まるで世界の時間が止まったようだ。静寂の中には嵐の予感が重く垂れ込んでいる。
僕は今、礼奈さんを見ている。
綾式礼奈、僕の雇い主だ。見た目は少女だが中身は子供ではない。彼女は人形を作っていると言うが、その実、最早本物の身体である。と言うか、同じ機能を有しているので、義手や義足は勿論義身まで作ってしまっている。そして、僕と妹も礼奈さんの義身の使用者だ。僕らは小さい頃に遊びに行って崖から転落したらしい。一度死んでしまったが、礼奈さんの義身のおかげで今まで生きてきた。人形が人間として。そんな、スーパースキルを持つ礼奈さんは世界にも名の知れた錬金術師、らしい。
ニュースでも報道された魔女狩りを表す紋章。それを見て礼奈さんはいきなり飛び出して行ってしまった。留守番を頼まれた僕だが、呪いの電話がかけられ、僕は気を失ってしまう。説明をしていたアルシャッドさんが何か提案があるらしいのだが…
「僕が魔術を使えるんですか!?」僕は驚いてアルシャッドに聞き返す
「僕にはその右手に只ならぬ気配を感じているけどね。」
綺麗に整理されていてどこか物悲しい部屋で、時計の針の音が聞こえる。
「いやいや、それはないですって」僕は胸の前で両手でバッテンを作る
「僕は普通の一般人ですよ」錬金術師や魔術師と関わっている時点でどうかとは思うが
「そうかい?じゃあ、やってみよう。」アルシャッドが木の棒を持ってきて言う
「目を閉じてイメージするんだ、足下に白い光でできた円を描いて」
言われた通りにイメージする
「その円で作った面を右手で触りながらイメージする、この棒が松明のように燃えている様子を」
「目をあけて良いよ」アルシャッドが押し殺した声で言った
…パチパチッ
目の前には燃え盛る炎があった
「素晴らしいよ」アルシャッドが興奮した面持ちで言う「しかし、不思議だね。この前会った時にはそんな気配はしなかったのに。それに原理がわからない」その筋肉質の首を柔軟に傾げて不思議がる
「そういえば、この前彩式さんに言われて右手を交換したんでした。新機能とか言って」右手を閉じたり広げたりして眺める。外見は普通の手だ
「今度は目をあけてやってごらん」アルシャッドがいうので言われる通りもう一度白い円をイメージをする
「っ!」
すると僕の足元には眩しいほどの白い円ができていた
「なんですか、これ」
「君がイメージで魔力によって作り出した魔法陣だよ。まっさらだね、まだ何も書き込んでいないから無限の可能性を持っている」
「魔法陣ですか」
「今度は自分が空を飛ぶところをイメージして、手を当ててみるんだ」
「ええ」空を飛ぶ所、身体を縛る重力を切りはらう
円でできた面に触れる。すると、そこから波紋のように白く光った線でできた図形が広がっていく
すると身体全体がふわりと浮いていることがわかった
「素晴らしい」アルシャッドがさらに興奮していう。「君の右手の中には基本的な魔術の魔法陣の情報が蓄積されているらしい」
実は僕は一般人では無くなっていたらしい




