結果こうなった
「椎菜ちゃんなら、自己犠牲できるってパパ信じていたよぉー。やっぱりね、仲間を大切にしないやつはダメだと思う!」
どこかの熱血漫画のセリフのようだ。
椎菜は忘れていた。
コメディでしたってこと。
自宅に戻る……ことはなく、グレイプニルに留まることを選んだ。
椎菜は、食堂でピーちゃん作のパフェを食べている。
「でも、あの拳銃、ぶっ放したらお花が出てくる設計になっていたらか、こめかみで発射されたらそれなりに痛かったと思う」
「だから必死にとりかえそうとしたのね。良く出来たモデルガンだこと」
不機嫌にそっぽを向く。
アリサも同席していて、気まずさのカケラもないような笑顔を向けてくる。
「悪かったってー。あたしだってねぇ、スパイのスパイなんてややこしいことしたくなかったんだけど、ダークなんとかに頼まれたら断れないのよぉ。色々恩義があるしぃ」
「いや、私のことを尊敬しているなら、ちゃんと名前は覚えていてほしいのだが……」
ダークフレイムマスターの言葉は空にかき消された。
なぜか、オネェ言葉に拍車がかかったアリサ。
実際は、男に興味があるそうだ。椎菜の前では男嫌いを治すために、男好きということは隠していたということだ。
ちなみに、好みはコウらしい。蓼食う虫も好き好き。
「ダンが監視カメラを見ていたのを、コウに知られたからあんな馬鹿なことをしたわけね」
謎が解けてよかった。ダンも断れない恩義とやらがあったのだろうが、コウは絶対ない。
「で、結局、奥歯の毒も嘘だった、と」
「シーナ以外には全員あるわよぉ。ダークなんとかが治療したフリをしろってさ」
あれだけ必死に奥歯を噛んだせいで、ちょっと欠けてしまった。元から虫歯があって、本当に詰め物をした、それだけだった。
欠けた歯は、すぐにナギに治してもらった。
「それで、椎菜ちゃんはパパの後を継ぐって決めてくれた?」
椎菜は、父を見据えた。
「決められるわけないでしょ、こんな短期間で」
「あー、それに、あの人の側にいたいし?」
ニヤニヤした顔を、アリサと父が向けてきた。
そうか、この二人とダンにはばれているんだ。
「ちが、そうじゃなくて……」
にょろっと新しい人物が登場する。
「俺のことが好きならそう言えばいいのにぃ!」
「コウじゃないから帰れ! っていつからいたの!」
この騒ぎを、ミュウは黙って見ていた。僅かに微笑みながら、ここへ来た時よりより自然体となり、笑顔の増えた椎菜を見つめ――。
ミュウが取った行為を、椎菜はしばらく知らない。
了
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
習作のつもりで書こうと思いつつ、誰にも見られないと続かないかも、とWebにアップさせていただきました。
Web用は描写を省いていますが、かえって読みにくくなってしまいました。
お気に入りに入れてくれたかた。
評価を下さった方。
アクセスしてくださった方。
ありがとうございました。




