第26話 グランドワール王国 王都グランドワール
王都は凄い大都市だった
長い旅路でしたが旅の目的地であるグランドワール王国の王都グランドワールまでやって来ました。
さすが王都って言えるぐらいその大きさに驚きを隠せないです。
領都でさえもこんな大きな都市は見たことが無いと思ってましたが、そんな領都と比べようがない大都市。それが王都グランドワールです。
王都への入り口も南門、東門、北門、西門と全ての方角に大きな門で出入りを管理し、その大きな門の傍にも比較的大きな門の前には入場の審査を待つ馬車や人の長い列が出来ていて、貴族用の門と思われる大き目の門の前でさえも豪華な馬車が列をなしています。
(貴族用の通用門でさえ領都の正門と同じ大きさの門って・・・)
大きな城門から入ると遠くに大きなお城が見えます。
正門からも遠いはずなのに、こんな遠くからでも大きく見えるお城なのですから、近くで見るともっと大きなお城なのでしょう。
大きなお城を中心にその周囲に目立つように付近より大きい建物が四つ。
この大きな建物は、教会、オーション会場、魔術師学園本校、ギルド管理本部だそうです。
王都の教会は元の世界でも有名な大きな教会(サ?で始まる建物)に似ています。アズアン聖神国から派遣されている司教クラスの人が大勢いるそうです。
アズアン聖神国は国名こそ宗教国家ですが、政治は王国制に近いものだそうです。ラノベに出て来るような宗教国家ではないそうです。
この世界には神様は一柱だそうです。(神様に性別はないらしいです)
全ての人がこの神様を信じているそうで、それ以外の神様を信じる=怪しい宗教活動とされているそうです。
青の勇者様と同じ時代を生きたアズアン聖神国の建国主の聖女様がそう語っていたそうです。
(聖女様は神様と話したことがあるそうです。本当かな?)
魔術師学園の回復魔法版が教会と考えると分かりやすそうです。
魔術師学園も王都にあり、国内にある魔術師学園の本校と呼べる位置づけです。魔術師ギルド本部も魔術師学園内にあり、日々魔術や魔法の研究や実験などが行われ、学生への教鞭も行っているそうです。
要は、学園+ギルドって感じだそうです。
オークションは、グランドワール王国ではここオークション会場でしか出来ないそうです。
各国に一つしかないオークション会場では、毎日行われるオークション、十日ごとに行われるオークション、二十日ごとに行われるオークションがあり、開催される間隔が長いほど貴重なアイテムがオークションにかけられて販売されているそうです。
建物の中では一階は出品物の取り扱う会場となり、二階の会場では珍しくないアイテムの売り買いが出来ます。
三階では高額なアイテムがやり取りされ、出処不明なアイテムなどが極秘に売り買いされています。十日ごとや二十日ごとに開催されるオークションは三階で行われるそうです。
極秘と言っても、出品者の情報が秘匿されたり、購入者の情報が秘匿されたりすることです。
王国が取り締まらないといけないような秘密事項に関係する内容ではないそうです。
協会を巨大化させたような施設がギルド管理本部だそうです。
ここには、冒険者ギルド本部、商業ギルド本部、薬師ギルド本部、鍛冶師ギルド本部など様々なギルド本部が一つの大きな建物の中にあります。
基本的にデータ管理がメインなので、ここが壊滅すると世界中の人々は混乱に陥ると言われています。
冒険者カードなど各種組合カードの謎に便利過ぎるシステムなどを管理・運用している機関。各組合の管理(昇格試験など)や流通するアイテムの価格の取り決めなどもここで決められています。
冒険者ギルドが何処か道行く人に聞き、冒険者ギルドへと向かいます。
いつものように受付のお姉さんに相談に乗って貰おうとしますが、王都の冒険者ギルドだけに受付がたくさんありました。
何処に行こうか考えていると・・・ギルドの男性職員さんが声をかけて来ました。
男性職員:
お嬢ちゃん。今日はどうしたのかな?
カスミ:
あのう。少し情報が欲しくて、どの受付へ行けば良いのか迷っていました。
男性職員:
情報? どんな情報だい?
カスミ:
この王都付近でダンジョンに挑戦出来ると聞いたのでダンジョンに関する情報が少しでも手に入れば良いかなと思います。
男性職員:
ダンジョン? ダンジョンってあのダンジョンかい?
カスミ:
多分、そのダンジョンです。
男性職員:
お嬢ちゃん。馬鹿言っちゃ駄目だよ。
お嬢ちゃんの年齢でダンジョンには入れないぞ。
カスミ:
あのう。こう見えても私はCランク冒険者です。
男性職員:
マジで?
「「「「・・・・ウソだろ?」」」」
男性職員:
マジだった!
私の冒険者カードを信じられないと言った男性職員さんとその会話を盗み聞きしていた人たちは驚いた様子でした。
このやり取りを更に隠れて聞いていた人たちは素早く目を逸らしました。
私は先程の男性職員さんに個室へと案内されます。
男性職員:
ダンジョンの情報はDランク未満の者には秘密にしないと駄目なんだ。
こんな男と個室で悪いが勘弁しろよ。
それでダンジョンのどんな情報が欲しいんだい?
カスミ:
ダンジョンのことは初めて聞きました。
私にも挑戦出来ると聞いたのでどんな所にあるのかと一般的な情報がまずは欲しいです。
その情報の中から私がする質問に答えて貰えるだけで構いません。
男性職員:
そうか。それじゃダンジョンについて説明するか。
ーダンジョンについての説明ー
王都から東へ馬車で約一日ぐらいの所に通称「ダンジョン街」と呼ばれる大きな町があるそうです。
ダンジョン関係で栄えていて、町はダンジョンからの産物で成り立っているそうです。
特にドロップアイテムが高額で取引されてるそうです。
無闇にドロップアイテムを見せびらかす行為は禁物で、ダンジョン内で狙われるかもしれないそうです。
ーダンジョンのランクと冒険者ランクの比較一覧ー
ランクE:Dランク以上 ※初めてダンジョンに挑戦する者
ランクD:Dランク以上
ランクC:Cランク以上またはランクDをクリアしたDランク
ランクB:Bランク以上またはランクCをクリアしたCランク
ランクA:Aランク以上またはランクBをクリアしたBランク
ランクS:SランクまたはランクAをクリアしたAランク
以前にも貰った『ダンジョンのランクと冒険者ランクの比較一覧表』からの情報を元にすると最初のダンジョンはランクEのダンジョンからしか入れないそうです。
ランクEのダンジョンをクリアすると次のランクDのダンジョンに挑戦出来ると言った具合に、ダンジョンをクリアしないと次のランクには挑戦出来ないそうです。
これには裏技のようなことがあって、ランクAに挑戦可能な冒険者パーティーと同伴してダンジョンの経験の無いAランク冒険者もランクAに挑戦出来ますし、クリアするとランクAクリアが認められます。
条件さえ充たせば、ダンジョンのランクを飛ばして挑戦出来るようになっています。これはメンバーが減った冒険者パーティーが追加要員のダンジョン経験を待たなくても現在挑戦中のダンジョンに変わらず挑戦出来るようにする処置だそうです。
ダンジョンの中に入れば監視の目も届かないので、殺しやかつあげなどの温床で気をつけないと駄目なそうです。
殺されそうになっても殺せば罪に問われない。死体はダンジョン内に吸収されるので見つかることもない完全犯罪が成立するそうです。
ダンジョンに入れるのはDランクの冒険者からなので、それなりに強い冒険者ばかりなので返り討ちにするのも大変だそうです。
道具屋、武器屋、防具屋、料理屋といった店もダンジョンの産物の恩恵を受けていて、ドロップアイテムや宝箱から入手出来る武器や防具や魔道具なんかを販売しているそうです。
オーク肉のようにドロップアイテムを調理し、料理としている飲食店や宿屋もあるので食事には困らないそうです。
ダンジョン街の住民は、ダンジョン探索する冒険者かそれを商売にする店かのどちらかしか存在しないそうです。
なので、宿もたくさんあって女の子なので安全な宿を選んで泊まるようにと言われました。
武器の新調を考えていると言うと王都で買うよりはダンジョン街で購入した方が良い武器は手に入りますが、直ぐに手に入れる必要があるなら王都で買った方が良いそうです。
冒険者カードをもう一度見せて貰えないかと言われ冒険者カードを見せました。
カスミール
レベル20
年齢:15歳
性別:女性
クラス:魔法戦士
ランク:C
スキル:剣術レベル5、槍術レベル5、斧術レベル7、盾術レベル5、初級魔法レベル5
男性職員:
その恰好で前衛職だと?
カスミ:
はい。ソロ冒険者で前衛希望です。
男性職員:
悪くはないスキルだが、その身体の大きさが問題だな。大きくなれるとか?
カスミ:
・・・ひ、酷い(><)
男性職員:
成人したてで、そのレベルとそのスキルだったら、村出身でどうせ子供の頃から毎日のように冒険してたんだろ?
カスミ:
・・・ひ、秘密です。
男性職員:
図星か。
カスミ:
あのう。出処が言えないヤバい物って何処で売れますか?
冒険者ギルドで買い取って貰えますか?
男性職員:
それはオークションしかねえぞ。オークションなら出処も検索しねえからな。
そんなヤバい物を持ってるのかい?
カスミ:
もし、もしですよ。
ダンジョンで凄く珍しいドロップアイテムを手に入れたらどうすれば良いのか聞いてみただけです。
男性職員:
そんな時は俺の所に相談に来い。俺がオークションで捌いてやるからな。
俺はこれでも王都冒険者ギルドのギルドマスターだからな。
ギルドが少し手数料は貰うがオークションに出してやるよ。
お嬢ちゃんに失礼なこと言ったお詫びによ。
カスミ:
ギルドマスター?
男性職員:
ああ。そうだが何か?
カスミ:
・・・み、見えませんでした。すみません。
厳つい感じの男性のギルドマスターが、冒険者ギルドの入り口をうろ着いているなんて誰も思わないんじゃないかな。
もしかするとギルドマスターと知っててもあんな対応なのかも。
聞きたい情報はまた出来た時に相談に来ようと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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