表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第十章 旅路 ハイグレード豊国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

263/269

第250話 Happy Birthday ♪

サプライズ

 大きな扉の先はパーティー会場のような広々とした空間でした。

中には私の知らない人ばかりなので戸惑ってしまいますの。


 これから何かのパーティーが行われようとしているのは皆さん挨拶だけで終わらせているようです。

 そんな感じの様子が伺えます。社交に無頓着であっても何となくですが、そんな雰囲気を感じることは出来ますの。


ディーネ:

青の勇者様を慕う会の皆様。

本日の主役の登場です。

赤の勇者様のカスミール様です。


 会場全体で称賛の嵐というのですか、凄い音量の歓声が聞こえてきました。

ディーネさんに「赤の勇者様」と紹介されましたが、パーティー会場の大勢の人がまさか青の勇者様を慕う会の人たちとは思ってもいませんでした。


 それに、今日の主役が私? そんなことはありませんよね?

見知らぬ人ばかりの中で主役と言われても本当に困ってしまいますの。


ファブルス:

初めまして、赤の勇者様。

私は勇者の一族の代表のファルブスと申します。

態々、こんな遠い所までお呼びしてしまって申し訳ありませんでした。

今日は赤の勇者様の・・・いえ、カスミール様のお誕生日を祝う会と青の勇者様を慕う会との面会を兼ねて開かせて頂いた交流の場で御座います。

どうぞ。ご自由にお楽しみ下さい。


カスミ:

あっ、はい。初めまして。

カスミールと申します。赤の勇者やってます。


 パーティー会場の中を良く見ると知っている人たちもいました。全く知らない人ばかりでなくて良かったのです。

 知っている人と言ってもヤマギワ村の父さんや母さんやレイラちゃんやジンくんやライムくんではありませんよ?


 賢者アレク様の屋敷で何度もお世話になったことがある賢者の一族の方も今回の私の誕生日に来てくれていました。

 誕生日パーティーを開いて貰えたのは嬉しいのですが、本当に私の誕生日なのでしょうか?


 私の誕生日は七十日前に終わっているはずです。

きっと、誰かの誕生日と間違えたのでしょう。七十日も過ぎた誕生日を祝うなんて聞いたことはありませんからね。


ディーネ:

カスミ様のお誕生日が過ぎてしまっているのは既に皆さんご存じです。

私たち青の勇者様を慕う会のメンバーがこれ程集まるのに時間がかかったことと会場を借りるのに手間取ったことは申し訳ありません。


カスミ:

どうして緑の勇者様がいないの?


ディーネ:

世間と緑の勇者様には赤の勇者様をまだ紹介出来ないからです。

緑の勇者様よりも圧倒的にカスミ様の方がお強いのです。

それにパルチ山のランクSの件もカスミ様が神の試練で認められたのに、緑の勇者様は神に認められずに・・・となればおそらくは揉めるのは必至ではないかと思いましたので。


カスミ:

それはあり得そうですね。

初対面でも「私が世界を救うようにと勇者に選ばれたんだから、それに協力するのは当たり前」みたいなことを言われましたからね。

たぶん、、今回の件を知ると大騒ぎになりそうですね。

勇者様を慕う会の方は、もう緑の勇者様と面会したの?


ディーネ:

はい。滞りなく済みました。

グランホーク王国に保護されてから比較的早期に行いました。

グランホーク王国だと転移門ゲートを使えますから集まりやすかったです。

カスミ様のお誕生日の少し前ぐらいの時期だったと思います。


カスミ:

どうして、こんな時期に誕生日のお祝いなのですか?


ディーネ:

・・・・


カスミ:

ディーネさん?


 ディーネさんから「それ、お前が言う?」みたいな目で見られながらディーネさんの無言がそう語っているように感じました。

 えっ何? これって私が原因なの? これって私が悪いの?


ディーネ:

勇者の一族の方がカスミ様のお誕生日を祝おうと連絡したそうです。

カスミ様は何処かへお出かけしていて連絡が取れなかったそうです。

ハイグレード豊国までの移動に三十日も日数がかかってしまいましたので、お祝いする日が更に遅れたという訳です。


 あっ、もしかして私の誕生日付近ってタイガの大森林のランクSで力の調整などを行っていた時期ではないでしょうか。

 神の恩恵(ステータス)を更新して、身体が急に成長したり能力値が異常になった時期と重なりますの。


 そう言われると心当たりがありますの。


 力の調整から戻ったら勇者の一族の方から依頼クエストがあると聞きましたが、こういう理由だったのですね。

 まさか、私の誕生日を祝うためとは思わなかったのです。


 誕生日と言えば、昨年は確か朝起きたらおっぱいが大きくなっていて驚いた覚えがあります。

 急に大きくなったおっぱいに装備や普段着などの買い替えで忙しかったぐらいしか覚えていませんの。


 そして、今年の誕生日付近に神の恩恵(ステータス)の確認して身体が大きくなった(身長が少し伸びた)でまた普段着などを新調した覚えがあります。

 身体の急な成長に合わせた装備や普段着や下着などを買い替えは必須ですからね。


カスミ:

どうして、ハイグレード豊国だったのですか?

他の場所でも良かったのではないですか?


ディーネ:

最初はグランドール帝国で行う予定でした。

転移門ゲートで移動出来る場所であれば何処でも良かったです。

勇者の一族に手に負えないモンスター討伐の依頼クエストが入ります。

現在は、私たちはその脅威となっているモンスタを探している最中です。


カスミ:

それって世界の脅威の因子ですか?


ディーネ:

いえ、まだ脅威となる存在の確認は出来ていないそうです。

他の一族の方もご協力を頂き、集まっていた場所がここハイグレード豊国でした。

カスミ様。もしかして、今回の私たちが受けた依頼クエストの対象のモンスターを倒したとかでしょうか?


カスミ:

たぶん、そうだと思います。

アロマ村の奥地に、黒いライオンの世界の脅威の因子がいました。

黒いライオンのモンスターは倒しましたが冒険者ギルドには報告していません。

世界の脅威の因子の情報が広まれば問題となると考えたからです。


ディーネ:

ええ。それが万全と思います。

では、カスミ様。

会場にいる皆さんに挨拶をされてみてはいかがでしょう。


 ディーネさんにそう言われて、青の勇者様を慕う会の一同が集う方へ向かいって大きな声で挨拶します。


カスミ:

え~、皆様。

本日は私のためにお集まり頂きありがとうございます。

私の誕生日にこういった方々に祝って貰えるとは思ってもいませんでした。

また、皆様の中には私が赤の勇者ということを信じられないと思われている方もおいでかもしれません。

この時代には緑の勇者様以外に赤の勇者というもう一人の勇者がいるって信じられないと思うからです。

勿論、私ももう一人の勇者様がいると聞けば信じられないと思うでしょう。

ですが、これは本当のことなのです。


 私はそういうと赤の勇者の勇者装備した姿になります。

勇者装備は青の勇者様なら【青色】の装備一式、緑の勇者様なら【緑色】の装備一式はこの世界の人には知れ渡っている情報なのです。


 勇者様の【カラー】については有名なお話ですからね。

赤の勇者=赤色の装備一式を見て、皆さんは更に感嘆の声をあげます。


 「おお。赤色の勇者装備も良いものだな」とか「ちっちゃい勇者様。ばんざ~い」と言っている声も聞こえて来ています。

 私の挨拶の後は自由に青の勇者様を慕う会の全体の交流の場となり、私も色んな一族の方と交流出来ました。


 勇者の一族の方からは世界の脅威の因子を倒した時に得た魔石が受け取りたいという申出がありました。

 本来は出回らない魔石なので価格は未定(決められない)ということで正しい評価額を伝えることは出来ないと言われましたの。


 後日、正当な評価額の代金を支払うということで魔石の買取を了承しました。

 

 今日の誕生日会は終わりを迎え解散しましたが良い誕生日会になったと思いますの。こんなに大人数での誕生日会。それも王宮を借りてのパーティーは生まれて初めてと思う今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ