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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第十章 旅路 ハイグレード豊国

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第249話 思わぬ再会

こんな所で再会です。

 冒険者ギルドで勇者の一族の方と待ち合わせの時間が来ましたの。

ここで思わぬ人と再会しました。その人は何とディーネさんですの。 


 緑の勇者様と一緒にグランホーク王国にいるはずの人物がどうしてここハイグレード豊国の首都グレードにいるのかは分かりません。

 グランホーク王国からハイグレード豊国は高速馬車を使うと何と約五十日~六十日ぐらいかかると思います。


 あれ? 私と同じグランドール帝国から高速馬車で向かった方が時間が早いことに気付きました。

 ディーネさんは私が乗車した高速馬車とは違う高速馬車でグランドール帝国経由で来たのかもしれませんね。 


カスミ:

あれ? ディーネさんではありませんか?


ディーネ:

おや。カスミ様ではありませんか?

こんな所で奇遇ですね。


カスミ:

ここへはお一人ですか?

緑の勇者様の件は大丈夫なのですか?


ディーネ:

ええ。私一人で行動しています。

その節はお陰様で助かりました。


カスミ:

緑の勇者様の元を離れて大丈夫なのですか?


ディーネ:

緑の勇者様と聖女キャロル様は、カスミ様もご存じのようにスライムでレベルと経験値を稼ぐそうです。

暫らく、私は用事がありませんから大丈夫です。


カスミ:

もしかして、私がここに呼ばれた理由にディーネさんは絡んでいませんか?


ディーネ:

相変わらずですね。

そうですね。私がここに来るのに少し手間取りましたのでカスミ様には二日三日待って頂きました。


カスミ:

それで勇者の一族の方はどちらに・・・


ディーネ:

勇者の一族の方はここには来ません。

私が勇者の一族の方に代わってカスミ様をお迎えに来ました。

どうぞ。私に着いて来て下さい。


 ディーネさんの後に続くと冒険者ギルドの入口に豪華な馬車が一台準備していました。

 私が冒険者ギルドへ入る時にはこんな豪華な馬車が入口にはなかったと記憶しています。


 私って冒険者ギルドの入口から入って来ましたよね?

冒険者ギルドに入って少しディーネさんとお話したぐらいの時間しか経っていないのに、私が冒険者ギルドに入る前から馬車が待機してたなら、こんな豪華な馬車の存在に気付かなかったことになります。


 私たちが冒険者ギルドから出ようとしたタイミングに馬車が停車したのではなく、事前に準備していましたって感じで馬車が停車していたのです。

 これは間違いないはずですの。私の見間違いではありませんの。


 ディーネさんが用意したのか勇者の一族が用意したのか分からないですが馬車に乗って目的地まで行くようです。

 私はてっきり冒険者ギルドでダンジョンでジェルスライムを捕獲して来てとか頼まれると思っていましたがそうではなかったみたいですの。

 

カスミ:

あのう。ディーネさん?

この馬車はどこまで行くのですか?


ディーネ:

何処まで行くのかと聞かれましても私も何処に向かっているのか分かりません。

私はただ冒険者ギルドでカスミ様と一緒に馬車に乗ってくれと頼まれただけです。

目的地までは聞いていませんし、教えて貰えませんでした。


カスミ:

どうして、勇者の一族ではなく賢者の一族のディーネさんなのですか?


ディーネ:

それは私が賢者の一族を通してカスミ様と面識があるからです。

見知らぬ人が勇者の一族と名乗っても信用を得ることが困難なこともあります。

冒険者ギルドで依頼クエストを受けるのではなく、いきなり「馬車に乗って下さい」と言われて素直に馬車に乗るようなことはありませんからね。

その点、私だとカスミ様と面識がありますし、安心して勇者の一族が用意した馬車に乗ると思ったからと思います。


カスミ:

これから何処に向かうと思いますか?


ディーネ:

たぶんですが、このコースだと王宮に向かっていると思われます。

冒険者ギルドから街の外へ出るとするなら馬車が進む方向が違います。

街の中心地に向かって反対側の門から出るという考えも出来ますが、このルートだと王宮へ向かうルートのはずです。

周囲の商店とかも賑やかですし大きな建物も目立ち始めましたから。


カスミ:

王宮へ向かって何をするのですかね。

私は貴族とか王様とか会ったことはありませんし礼儀作法も知らないですよ。

言葉遣いもたぶんまともに出来ないと思います。そんなので大丈夫なのかな?


ディーネ:

大丈夫と思います。


カスミ:

どうして、そう言い切れるのですか?


ディーネ:

私がこの国の王様を知っているからです。

身内である騎士や貴族には凄く礼儀作法に厳しいそうですが、国の外から来た冒険者に限って言えば礼儀作法はそう厳しくはありません。

カスミ様は今のままでも大丈夫でしょう。


カスミ:

そうなのですね。

厳しい礼儀作法を求められて、不始末で打ち首だとか言われたら困っていました。


ディーネ:

・・・王様は冒険者には寛容ですから、そんなに怖がらないで下さい。


 ディーネさんとお話している間に馬車は王宮に到着しました。

ここが王宮だからか馬車の扉は開けて貰えました。豪華な馬車だから御者の方がいて扉を開けて貰えるなんて初めての体験ですの。


男性:

魔剣のディーネ様と攻略の幼女(リトル・ガール)のカスミール様ですね。

ハイグレード豊国にようこそ。ここはハイグレード豊国の王宮で御座います。

さあ、他の皆様もお待ちしておりますのでお早目にお願い致します。


カスミ:

初めまして。私はカスミールと申します。

本日は宜しくお願いします。


ディーネ:

カスミ様。さぁ、中へ入りましょう。


 挨拶をした男性を先頭にディーネさんと案内されるように、ただ着いて行くだけしか出来ませんでした。

 初めての王宮で凄く緊張します。中は想像以上に広くて綺麗で途中で逸れたら迷子になる自信があります。


 これから、この国の王様に会うのかな? と思っているとそうではなかったようです。

 玉座のある部屋に向かうには階段を登って真っ直ぐに向かうようなイメージがありました。


 途中で待機所みたいな所で待たされて王様の準備が整い次第で面会になるという印象です。

 でも、私たちが案内されるのは真っ直ぐに進む訳ではなく違う方向へ進んでいると思います。


 このままでは本当に途中で逸れたら迷子になってしまいますの。

気を引き締めて逸れないように後を着いて行くだけですの。


男性:

どうぞ。こちらへお入り下さい。


ディーネ:

カスミ様。どうぞ、お先に入って下さい。


 男性とディーネさんに言われた通りに大きな扉の先に入って行くと・・・

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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