第246話 反省会という名のお説教 ♪
お説教コース
まさか、森の奥を住処にしていたモンスターが黒虎ではなく黒ライオンの世界の脅威の因子だとは思いもしませんでしたの。
結局、数年前に発見された黒虎の行方は不明ですが、世界の脅威の因子に取り込まれたかもしれませんね。
世界の脅威の因子の報告と魔石は隠して、大猪と群れのボスを倒したことだけを報告するとしましょう。
本来、討伐したモンスターの魔石は倒した冒険者や冒険者パーティーが受け取ります。
今回は報酬について話し合っていなかったので私が本当なら全て受け取れますが、戦闘の邪魔になるので眠って貰ったお礼というか眠らせたお詫びというか脅威度Dの魔石が二十個ありますが、全て青い風にあげようと考えていますの。
眠らせたことに文句を言われそうなので、無理や無茶をして死んでしまったら意味が無いなどお説教付きなので無理矢理にでも黙らせようと思いますの。
それで彼らををどうするか考えましたが、魔法で起こそうと思いましたの。
眠らせる魔法があるなら、眠った者を起こす魔法があっても不思議ではありませんの。
逆転の発想というか寝たなら起こせば良いやって考えからですの。
さすがに五人もの冒険者さんを担いで運ぶと絵面が悪いので運ばないのです。
そんなことを言ってるけど本当は運べないからだろ? と疑われそうですから先に言っておきますね。
現在は聖女アンズ様と聖女かすみーるの【身体強化】がかかっている状態なので、力の制限を解除すれば五人の冒険者を運ぶことは可能ですよ?
かすみ:
わたしが眠らせたから起こしますわ。
神よ。私の願いを叶え給え! 【起床】
ダイチ:
う~ん。ここは?
【起床】の魔法で、淡い青色と緑色が混じったような魔法の効果が彼ら青い風を包み込みます。
一番最初に起きたのはリーダーのダイチさんでしたの。続いてジョアンナさんとマリアさんとアリサさんの女性陣が起きて、最後にアレンさんが起きましたの。
カスミ:
眠らせてしまってごめんなさいね。
きっと大猪と群れのボスの対応に間違って混乱してバラバラに逃げてしまうと私では対応出来ないから仕方なかったと判断したからなの。
ダイチ:
大量の大猪が押し寄せると俺たちではあり得ないことではないと思う。
それで、俺たちを起こしたってことは大猪は無事に倒せたってことで良いんだよな?
カスミ:
はい。もう大丈夫です。
それでは夜が来るので村に戻りましょう。
青い風のそれぞれは色々と文句を言いたそうでしたが、夜が近いからという理由で村へと戻りましたの。
霧の森での夜は強力なモンスターが出るという噂があるそうですの。
おそらくは、かすみがと剣神ジョア様で倒した世界の脅威の因子のことでしょう。または、黒虎の存在がそう噂させているのかもしれませんね。
村に戻って冒険者ギルドの役割を持つ支部に村長さんに出向いた貰って、今回の依頼の報告したのです。
無事に依頼である森の中にいる大猪を倒したことで群れのボスを倒したことまでは伝えましたの。
さすがに、森の奥地にいたモンスターが黒虎ではなく、世界の脅威の因子や黒いライオンのモンスターだったとかそれを私が倒したとか詳しくは話せませんの。
話した所でその意味を理解出来るとは思っていませんので無駄に恐怖を植え付けるだけですからね。
アリサ:
あの。カスミさんはどうしてあんなことをしたのですか?
戦闘中ですよ? 私たちがどうなろうとどうでも良かったのですか?
かすみ:
ええ。そうですわ。
逃げてバラバラに逃げ去ってしまうとわたしにはどうしようもありませんわ。
逃げないようにしたら、わたしなら一人でどうにか出来ましたわ。
ダイチ:
アリサ。無茶を言うな。俺たちでは無理だったんだ。
バラバラに逃げてカスミちゃんに迷惑をかけるぐらいな眠らされてた方が良かったと思うしかないんだ。
ジョアンナ:
私たちの目の前にいた大猪が三体だけじゃない?
大猪の群れや群れのボスがいたとかカスミちゃんがそう言ってるだけで、私たちの誰も確認してないのよ。
アリサ:
そうだよ。ダイチくん。
私たち誰も大猪の群れを見ていないんだよ。
ダイチ:
この大猪の脅威度Dの魔石を二十個を見ても同じことが言えるか?
マリア:
カスミちゃんが最初から持ってたってことはないの?
マジックバッグがあれば魔石の二十個ぐらい入るんじゃないの。
ダイチ:
アレン。何とか言えよ。
お前はカスミさんに言われて【索敵】で大猪の群れを確認したんだろ?
アレン:
【索敵】を確認はしたんだけど、戦闘中に眠らせる行為は問題だと思う。
かすみ:
もう、村長さんがいないから見せますが、この魔石を見てどう思いますか?
私はそう言うと世界の脅威の因子の脅威度SSの魔石をテーブルの上に置きましたの。テーブルの上に置かれた凄き大きな魔石を見て、青い風は息をのみ込んだのが分かりましたの。
かすみ:
この魔石は森の奥にいた存在の魔石ですわ。
脅威度SSの魔石の持つモンスターが森の奥にいたわ。
それが大猪の群れを狙っていたわ。
それをDランク冒険者パーティーが対応出来るとは思えないわ。
ダイチ:
どうしてそんなモンスターがいたんだ?
かすみ:
数年前から、この森の奥地で黒虎が目撃されていたのはご存じかしら。
アレン:
ああ。ギルマスから依頼を受ける時に黒虎が目撃されたという報告があると聞いた。
マリア:
でも、黒虎が目撃されたのって数年前の出来事でしょ?
大丈夫と思ったから依頼を引き受けたの。
ダイチ:
それがそうじゃなかったというだけだろ。
かすみ:
もしかすると黒虎が出るかもと判断したギルマスがわたしをこの依頼に参加させたわ。
これがどういう意味か分かりますわよね。
アリサ:
ええ。嫌な予感がいたってことですよね。
かすみ:
ええ。そうですわ。
それにもし黒虎やそれ以上のモンスターに遭遇したとしてもわたしなら対処出来ますわ。
アレン:
黒虎って脅威度Aのモンスターのはずだよ。
その脅威度SSの魔石はどうしたんだい?
ジョアンナ:
アレンくんは聞いていなかったの?
森の奥地にいたモンスターの魔石でしかないよ。
カスミ:
森の奥地に脅威度SSのモンスターがいたことは誰にも言わないで下さいね。
脅威度Dの魔石二十個は私には必要ありませんから黙ってて貰える口止め料と思って下さい。
ダイチ:
それだとカスミちゃんの報酬が減るんじゃないか。
カスミ:
私はそれでも良いと思っていますの。
脅威度SSのモンスターの出現したことが世に知れるよりマシですの。
それに、これから長い夜が来ますよ。
冒険者が警戒を怠るなんてお説教コースですからね。
ダイチ&アレン:
まじか~
ジョアンア&マリア&アリサ:
え~~~~
その後はお察しの通りにかすみちゃんによりお説教が本当に朝まで続いたんだとか。翌日の青い風は朝から疲れたという感じで元気がなかったのです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




