表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第十章 旅路 ハイグレード豊国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

257/269

第244話 モンスターの討伐依頼

注意)グロ表現があります。

 村長さんから最奥の畑に青い旗みたいな物を付けた人形があると聞きましたの。


 その目印になっている人形の更に奥にある畑に今回の依頼クエスト大猪グレートボアが出て畑を荒らされて困っているんだとか。

 森に近い畑なので大猪グレートボア以外にも畑を荒らす動物やモンスターがいるそうですが、大猪グレートボアが出るようになってからはと言うと他の動物やモンスターは近づかないんだとか。

 

 畑の奥側は「霧の森」と呼ばれる森でヤマギワ村でいう魔の森に似た森だと感じましたの。

 森の奥の方には強力なモンスターがいるかもしれないから村人は近づかないようにと言われていて、定期的に冒険者ギルドを通して冒険者さんにモンスターの討伐を依頼しているんだとか。


 それで今回の依頼クエスト大猪グレートボアが討伐対象になったのです。

時にはオークやゴブリンなどの討伐依頼もあり、大猪グレートボア以外のモンスターの討伐依頼もあったんだそうですの。


ダイチ:

暗くなると足元が見えづらくなるし、夜行性のモンスターも活動するようになるから目印の人形の所で急ごうぜ。


 リーダーの指示で目印に設置している人形を探しに最奥の畑へと向かいますの。

夜が近いからか大猪グレートボア三体が畑へ出て来て畑を荒らしている場面に遭遇することが出来ました。


ダイチ:

あのモンスターが討伐対象の大猪グレートボアだ。

アレンとマリアは畑を荒らさない程度に魔法の準備をしてくれ。

俺とカスミとジョアンナが三方に分かれて隙を突いて攻撃するから、アレンの魔法を合図に全員で攻撃するぞ。


カスミ:

あのう。大猪グレートボアは匂いに敏感なモンスターです。

私たちが目視出来てる範囲に姿を見せていますが、おそらく気付いていると思います。

奇襲攻撃は出来ないと考えて下さい。

それに見えている三体だけとは限らないと思います。

周囲の警戒が先ではないですか?


ダイチ:

大丈夫なはずさ。


アレン:

カスミちゃんはリーダーの指示に従ってくれ。


カスミ:

はい。分かりました。


 私は最奥の場所に行き大猪グレートボアの様子を伺います。

畑の作物を夢中で食べているように見えますが、周囲への警戒は怠っていなさそうですの。


アレン:

火炎よ。我が敵を打て 【炎球ファイヤーボール


マリア:

強風よ。我が敵を切り裂け 【風刃エアカッター


 アレンさんとマリアさんが同時に魔法を使った【炎球ファイヤーボール】と【風刃エアカッター】が大猪グレートボアに向かって行きます。

 魔法が着弾すると同時にダイチさん、ジョアンナさん、私と一斉に大猪グレートボアに向かって走って行きます。

 

アリサ:

キャ~~~~


 私たちは攻撃のモーションに入っているので止めることも移動することも出来ませんの。手薄になったアリサさんの所へ大猪グレートボアが向かっていました。

 魔法士の二人は魔法を使った直後なので、モンスターを撃退するのに呪文を詠唱する時間=魔法を完成させる時間が足りないのです。


 アリサさんが怪我程度で住めば良いのですが、それ以上の怪我が問題ですの。

回復役のアリサさんが戦線離脱は戦力ダウンになることもあります。

 

 Dランク冒険者パーティーが油断なく十分に警戒して戦法を組み立てていれば大丈夫だった問題ですの。

 周囲を警戒して当然のことなのです。だから、出来ていなかった部分をアドバイスしたのに必要ないと切り捨てたのはリーダーさんやアレンさんの判断なのです。


 グレードの冒険者ギルドのギルドマスターからも出来るだけ「青い風(ブルーウインド)」に任せて、危なくなったら助けて欲しいと言われているのです。

 私は事前に察知を使って大猪グレートボアの群れ二十体ほどに囲まれているのを知っていたので「周囲の警戒を」と警戒することを促した訳ですが聞いて貰えませんでしたの。


 青い風(ブルーウインド)はもしかするとDランクになったばかりの冒険者パーティーかもしれません。この辺は聞いていなかった情報なのではっきり分かりませんの。

 大猪グレートボアが二十体もいれば脅威度Cまで跳ね上がりますの。Dランクに昇格したばかりの冒険者パーティーでは太刀打ち出来ない脅威度のモンスターの集団なのです。


 本当の実力を見せる訳にはいかないですが怪我されるのも面倒なのです。

間に合わなかったと言われるとそれまでですが私には何とかする方法はあるのです。


(カスミ):

青の勇者様。

どうするべきですかね。

私としては助けたいのですが・・・


(タイチ):

どんな方法で解決するのかな?


(カスミ):

土魔法で作った石を投げつけます。


(タイチ):

それなら助けない方が良いよ。


(カスミ):

えっ、どうしてですか?


(タイチ):

今のカスミの力だとモンスターは石が当たっただけで爆散すると思う。

モンスターが爆散するとどうなると思う?

アリサさんっていう回復魔法士の女性は爆散するモンスターの被害をモロに受けて血みどろになるんじゃないかな。


(カスミ):

・・・


(タイチ):

あり得ないことではないよね?

そんな状態になったらトラウマを植え付けるかもよ。

それならアンズ、かすみ、カスミという怪我を回復出来る聖女がたくさんいる訳だから即死にならなければ助けられるんじゃないかな。

それにポーションの強力なやつを大量に持っているでしょ?

怪我ぐらいなら大丈夫じゃないかな。


 私はまだ力加減とうか手加減が出来ないです。青の勇者様の言われるように土魔法で石を作って投げると青の勇者様が言われた通りに大猪グレートボアは爆散すると思いますの。


 青い風(ブルーウインド)の方々には急にモンスターが爆散したとしか認識出来ない訳で、アリサさんにとっては襲って来た大猪グレートボアが目の前で爆散し自身を血みどろにしたということになりそうですの。


 私なら泣いてしまいそうな場面なので、今後は大猪グレートボアを見るのは怖いと感じてしまうかもしれませんし、アリサさんだったら戦えなくなるかもしれませんの。

 それでは困るのでアリサさんが怪我をしないように祈るしかありませんね。


 ポーション類はたくさんありますし、回復魔法も私やかすみや聖女アンズ様もいて万全な状態ですからね。

 即死さえ防げれば何とか出来るということは、見逃して耐えるしかありませんの。


 これは仕方ないのですと自分に言い聞かせるしかありません。

出来るのであれば助けてあげたいし、全員無事に無傷で帰りたいのです。


 それが叶わないのであれば私は我慢するしかありませんの。私が考えた方法では無理があるのですからね。

 それに例え目の前の大猪グレートボアを何とか出来たとしても残り十六体の大猪グレートボアが私たちを包囲している状況は変わらないのですから。


 何とかしなければならないのは、モンスターに包囲されているこの状態なのです。もし、私がSランク冒険者でなければ詰んでいた状況なのです。


 私が目の前の大猪グレートボアを倒そうとすると・・・


(賢者アレク):

仕方ないのう。


(賢者アレク)&カスミ:

光よ。我が敵を貫け 【光矢ライトアロー


(タイチ):

アレク。それはやり過ぎでは?


(賢者アレク):

青の勇者様。カスミ殿では無理じゃ。

ソロ冒険者として活動している者が、いきなり五人もの守べき冒険者を抱えては戦えんよ。

聖女の結界で守って自分で倒した方が早いと行動してしまうはずじゃ。

それに残された冒険者の方も手持無沙汰になって勝手な行動を取り始めて、どの道カスミ殿では守り切れんよ。


 賢者アレク様が使った【光矢ライトアロー】は私の目の前のモンスターとアリサさんに襲いかかっているモンスターとその向こう側にいるモンスターと合計三体の大猪グレートボアを倒しました。

 

 急に私の手元が光ったと思ったら、三体のモンスターを同時に倒したことに青い風(ブルーウインド)の方々は驚いていますの。


 私は咄嗟に口パクで魔法を使ったように見せかけましたの。【光矢ライトアロー】を使えることは事前に説明していなかったので驚いているかもしれませんね。

 私の自己紹介では剣士のクラスだと言った訳なので、初級魔法の威力ではあり得ない初級魔法を使った剣士なんて信じられないものを見たと思っていそうですの。


 初級魔法の【光矢ライトアロー】がどうして脅威度Dのモンスターを三体も同時に倒せたかというと賢者アレク様が勇者の力を使っていたからですの。

 勇者の力は魔力とは異なった力なので、初級魔法でも予想外のダメージを与えることが出来るのです。


 それに加えて【光矢ライトアロー】という魔法は貫通する魔法ですの。

大猪グレートボアの頭の弱点の部分を狙ったように三体同時に貫通したのですから一撃で倒せたのです。


 光という物を貫通する力が爆散されるという物理的な意味での破壊を防いだと言えるでしょうね。

 私が考えた土魔法で石を投げるとは段違いですの。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ