第241話 旅路 ハイグレード豊国 首都グレード
目的地に到着
国境の都グラングレードを出発して漸くハイグーレード豊国の首都グレードに到着しました。
ハイグレード豊国へ入国してから十日で首都まで来れましたがハイグレード豊国は他の国とは異なった植物を見かけることが多かったです。
街に入ると更に他の国との違いを実感したのです。
ハイグレード豊国の街や首都にある建物は二十メートル程 高い位置にありますの。
普通の家が一階に居住スペースがあったりしますが、ここでは一階は倉庫や保管庫や馬車などの駐車場などに使われていて居住部分は全て二階以上で住んでいるのです。
なので、建物は二階建てや三階建ての物が多く、これは民家だけではなくお店や冒険者ギルドまでも一階部分が使われていないようのです。
高速馬車の道中にも見かけた植物も地上から二十メートル以上離れた所に花や枝がありますの。
地上から二十メートルまでは太い幹がまるで棒のように立っているように見えるのです。
太い幹を見て、何だろうと上空を見上げると花が咲いていたり、大きな枝から茂っていたりしている植物ばかりなのです。
街中にある案内表示する看板は字面に打ち付けられている部分と二十メートルの高さの位置にあるのと二段構えですの。
地面に打ち付けられている看板は頑丈に作られているように見えます。これではハイグレード豊国が意図的に二十メートルの高さを維持しているようにしか見えません。
街通りはこんな感じですが、元々高い位置に建てられた建物は一階部分も普通に使われているようですの。
国境の都ではこんなことは無かったのですが、ハイグレード豊国内で立ち寄った街全てがまるで一階部分が無くても生活出来るように作られているのではと思ってしまうのです。
冒険者ギルドへ立ち寄って依頼にどんな感じのものが多いかやどういう傾向の依頼が多いのか事前情報として確認しておこうと思います。
青の勇者の一族の方が私を指名依頼したのでハイグレード豊国まで来た訳ですが、情報を集めておかないと体調が万全でも依頼に対応出来ないと意味がありませんの。
冒険者ギルドで依頼の掲示板を見ているマーガレットさんを見つけました。
北部都市以来ですが、マーガレットさんも高速馬車に乗ってここまで来たのかな?
カスミ:
あれ? マーガレットさんではありません?
コスモス:
えっ? 私はマーガレット姉さんとは違いますよ。
良く似ているので間違われますが・・・
カスミ:
間違ってしまって、どうもみすみませんでした。
あれ? コスモスさんってAランク冒険者パーティー【花園】のメンバーだったと記憶していますの。
マーガレットさんがあの後直ぐに高速馬車に乗らないと花園の方々はここにいるのはおかしな話ですの。
カスミ:
マーガレットさんもこの街に来ているのですか?
コスモス:
姉はここには来ていませんよ。
私だけが別行動でグレードまで来ています。
もう用件も終わったので明日の便で北部都市まで戻って合流することになっています。
カスミ:
そうなのですね。
てっきり、マーガレットさんがこの街に来ているのかと思っていました。
では、私はこれで・・・
冒険者ギルドで、まさかマーガレットさんの妹さんのコスモスさんに出会うとは思ってもいませんでしたの。
それにしてもマーガレットさんとコスモスさんは姉妹なのに双子のように似ていました。
ハイグレード豊国の首都グレードまで出掛けるなんて思っていたよりも広範囲で活動している冒険者パーティーなんだなと思いましたの。
ここから北部都市まで高速馬車で二十日もかかるということは馬車では約六十日も必要になります。
広範囲で活動していると言ってもパーティーメンバーは六十日という長期間不在というのも活動に支障が出そうですし、主要メンバー以外の方以外もいて一人ぐらい不在でも問題ない冒険者パーティーかもしれませんね。
高速馬車でも二十日ですから、個人的には長期間としか考えられませんからね。
依頼の掲示板を軽く見た程度だと私が探しているような特別な依頼はありませんでしたの。
これなら何処の冒険者ギルドでも似たような感じの依頼が受注されていると思っても間違いなさそうですの。
それと冒険者ギルドで仕入れた情報ですが、このハイグレード豊国の建物や植物などが二十メートル以上になるように作られている理由を知ることが出来ましたの。
理由は簡単で雨期の雨の量が凄いので、雨を避けるために建物を高い位置に建設して、植物の方が雨に被害に遭って雨の中で枝や花が咲けるように変化したものそうです。
水の中で花が咲けないのと同じように大量の雨が降って川のようになってしまっても太い幹だけで支えているんだとか。
そこまでの量の雨が降るなら被害を受けないように建物を高くしたりしますからね。
二十メートルの高さまで国中が川になるような雨が降るなんていうもの驚きましたの。
国境の都でもハイグレード豊国側の壁が高くなっていたのは気付きませんでした。
高速馬車が国境に到着したのも夕方ですし、一部の壁の高さが異なっていても気にするほど注目はしないと思います。
川となった水が他の国に迷惑をかけないように壁で覆われているのかと思いましたが、壁では覆われていないそうですの。
地盤が低いってことでもないそうですし、雨の水が貯まりやすいような環境でもなさそうですの。
どんな理由があって大量の雨が川のようになるのは気にはなりますが、解消出来る手段を持ち合わせていないので関わることはないでしょうね。
雨期になると街中では船で移動するようになるそうですが、外でも船で移動するとなるとその期間中は馬車や高速馬車の運行は止まり物流が止まったりしないのかな?
それとも高速馬車の船版と言った感じの高速艇で運行したりするのかな?
ー閑話休題ー
依頼主である青の勇者の一族の方にはハイグレード豊国の首都グレードに到着したことは伝えて貰うように手配だけはしました。
もう遅いのでこんな時間から会うのは控えさせて貰いましたの。
て〇れ〇亭に宿泊していることも伝えて貰ったので翌日になれば青の勇者の一族の方から連絡もあるでしょう。
冒険者ギルドに来て下さいとは言われていないので何処に行けば良いのかまだ分からないのです。
まぁ、それも仕方ありません。
青の勇者の一族の方から依頼を受けたのは私がダンジョン内で力を調整していた時のことだったのです。
不在だった私に代わって賢者の一族の方に対応して貰いましたが、依頼を受けてとハイグレード豊国までの移動日数を考えると「〇月△日に冒険者ギルドで待つ」みたいなことは出来ませんからね。
今日はもう休んで明日から青の勇者の一族の方からの連絡を待とうと思う今日このごろです。
それでは、おやすみなさいmm
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




