第238話 転移門と高速馬車
考察と理由
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日は朝から高速馬車に乗ってハイグレード豊国へ向かいますの。
グランドール帝国内は約二十日ぐらいなので二十か所の街に宿泊するようです。
国境を越えてハイグレード豊国に入ると約十日ぐらいなので約十か所の街で宿泊します。
普通の馬車の航路と違って高速馬車は街から街間をノンストップですの。
高速馬車と定期便の馬車も運行時間は八時間と決められていますの。
次の街には、帝都グランドールを朝に出発して夕方に到着するのが高速馬車で、定期便だと翌日の朝か夕方ぐらいに到着すると聞いていますの。
グランドワール王国で高速馬車に乗った時は約十日ぐらいでしたので、そこまで気にしていませんでしたが今回は国家間を高速馬車で移動するということと三十日も使って移動するとのことなので詳しく聞いてみました。
私の故郷のサラブ領ヤマギワ村から王都グランドワールまで定期便と高速馬車を使っても十四日ぐらいは必要ですから十日ぐらいの馬車旅はありふれた日程ですからね。
ちょっと王都グランドワールまで行って来ますぐらいの感覚で移動する冒険者さんは私以外にもいますからね。
王都グランドワールからパルチ山のランクSへ向かう時でも三十日ぐらいかかりますから移動に何日も使うのは良くありますの。
サラブ領ヤマギワ村からパルチ山のランクSへ向かった時でも道中多少迷いましたが、二十五日間も移動に使っていたのです。
なので、長旅を問題なくやり過ごせるのです。
ただ、長時間馬車に乗るのは嫌だなと思っているぐらいですの。お尻が痛くなってしまうのは何回馬車に乗っても慣れないのです。
今後、この高速馬車の運行ルートを利用すると魔動王国メイドールの魔動機械の技術が新しい高速馬車に生まれ変わって運用されているかもしれませんの。
余所の国の高速馬車と多少違っているかもしれないのです。
三十日の距離を十日間で進めますが、二十~三十日ぐらいの距離を約十日間で移動すると聞いたことがあります。
定期便で四十日の距離を約十日程度で移動出来るようになっているかもしれないのです。
四十日と考えたのは、二十~三十日より長い距離って意味なので、そこまで厳密な日数ではありません。
もしかすると定期便三十五日の距離を十日間かもしれませんからね。具体的な日数は分かりませんが、高速馬車が改良されて運行距離が延びているかもぐらいに留めておきます。
高速馬車の次の停車街はフロン郡メソードという街です。
グランドワール王国では〇〇領と言っていた領がグランドール帝国では〇〇郡と呼び名が異なるだけでグランドール帝国内の都市であることに間違いありません。
グランドワール王国ではサラブ領サラブのように分かり易い名前の街もありましたが、フロン郡フロンとかあるのかもしれませんね。
ハイグレード豊国との国境の街まではグランドール帝国の国内ですから変わった名前の都市があってもおかしくはありませんもの。
約二十日もの日数で各街で宿泊することになるだから、そこで食べられる食事も楽しみですの。
在り来たりの食事も美味しいですが、現地でしか食べられない物もきっと美味しいはずですの。
フロン郡メソードの次の街はフロン郡セレッシュという街に着きます。
フロン郡フロンという都市もあるそうですが、高速馬車の航路には含まれていないというのです。
定期便や高速馬車であっても余所の国の人が入り込む可能性がある場合、グランドール帝国では避ける傾向にあります。
魔動ロボットのような試運転を国の重要な所で行っているようなのです。
どうして、こんなことをしているかというと地方の小さな町で試運転や試運用に大きな魔動機械を設置すると実際に運用する街には簡単に運べないのです。
一度、解体して運ぶことになるか、大きなまま運ぶことになるのです。
ありふれた物なら、実際に使う場所で新たに作れば良い訳ですの。
それに加えて、魔動ロボットのような運用をするなら人口の多い都市で実験した方がサンプルが集りやすいのです。
たくさんの人が試験的な行為に協力して貰うことになる訳ですが、不具合や改善点を見つけ出すにはサンプル(稼働実績)が多い方が改善点を見つけやすいですからね。
十人が試すのと百人が試すのでは百人の方が貴重な意見が聞けそうですの。
宿屋で仕入れた情報によるとグランドール帝国内では珍しい特産物などは無いんだそうです。
これはどこの街でも同じ物が食べられるという平等に与えられた権利なのだとか。
大きな街だけでこんなことをしている訳ですが、それ以外の小さな村や街では独自の食材を使った料理が食べられるんだとか。
どこででも利用出来る「て〇れ〇亭」を参考にしたということだそうです。
まぁ、て〇れ〇亭はどこの国でも利用出来る宿屋ですが、それ以外の地元の特産品などは他のお店で販売しているから安定したサービスを提供出来るようにした事業ですからね。
競合があるから出来る事業であって、マネた所で似た感じのお店が増えるだけで求める客層を奪い合いになるんじゃないかと心配になります。
グランドール帝国では大きな都市や街にはファミレスなど全国展開しているようにお店を開業して、それ以外の地域では個人商店を集めたみたいな感じのようです。特に高速馬車が停車する街は高収益が望めそうな有名なお店が揃っているのだとか。
高速馬車に乗るような乗客はお金持ちで、急いでいる人という考えが強く、そのお金持ちのお金を狙った発想みたい。高速馬車は早いですが料金が定期便より高いのです。長距離を急いで移動するのは冒険者さんや商人さんなどが多いです。
お金の無い人は定期便で移動したり徒歩であったりする訳です。
もちろん、お金を節約して定期便や自前の馬車でという人も含まれますよ?
転移門があるからと言っても転移門では不便と感じる部分もあります。
それは中距離の移動ですの。確かに転移門を使えば一瞬で移動出来ますが望む場所に移動出来る訳ではありません。
転移門で移動出来る場所は限られていますし、転移門がある国同士を転移門を使わないで移動しようものなら大変な日数が必要になります。
何日使えば辿り着けるとかは分かりませんが、グランドワール王国とアズアン聖神国間は高速馬車があるので、アズアン聖神国とグランドツール共和国間のより早く到着出来ます。
ですが、高速馬車のないアズアン聖神国とグランドツール共和国間はとてつもない日数がかかりそうですの。
これはグランドツール共和国とグランドール帝国間でも同じことが言えるのです。
カスミ:
どうして東西の移動は高速馬車がないのか分かりますか?
タイチ:
すまん。それは時間と資金が無かったからさ。
緊急時に移動出来るように転移門を設置したが、東西のルートを一直線に結ぶ航路を作成するのに必要な資金が無かった。
それと時間も無かったんだ。
南北のルートと転移門を設置するのに尽力したが、流石に資金と時間が無くなったから途中までしか作成出来なかったという訳さ。
カスミ:
青の勇者様の後継というかその事業を受け継いだ人はいなかったのですか?
タイチ:
転移門や高速馬車を作ったのは創世と建国の時代は戦後の話さ。
国を造りつつ、高速馬車や転移門を設置するのが精一杯だったのさ。
維持にも資金が必要だったし後続がいたとしても続けられなかったと思う。
最初は定期便の運航路線を整備しつつ、今後高速で運用出来る馬車も視野に入れた開発だったんだとか。
その途中で移動が大変と感じたから転移門の設置に及んだそうですの。
青の勇者様はグランドワール王国の建国中ですし、聖女アンズ様はアズアン聖神国を建国中の最中に馬車と高速馬車の運用ルートを決めて世界中を巡っていたのです。
賢者アレク様と魔王ガリア様の協力で開発された転移門の設置されたのです。転移門を設置する国を選定したのは青の勇者様なのです。
自身の都合が良かったグランドワール王国とアズアン聖神国が最初に設置された国ですからね。
本人に理由を聞かなくても理由は想像しやすいのです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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