第235話 移動ルートの選定
移動手段
どのような移動方法でハイグレード豊国までの行路をどうするかをルートから検討しようと思いますの。
「自宅のあるグランドワール王国からグランドール帝国へのルート」か「賢者アレク様の屋敷のあるグランドツール共和国から飛竜でハイグレード豊国へ直接向かうルート」のどちらかという所まで絞り込めましたの。
他のルートもありますが、今の所はこの二つが良い案かもと考えているのです。
短期間でハイグレード豊国へ行くなら飛竜を使って直接ハイグレード豊国へ向かった方が早いのです。
ただ、ハイグレード豊国へ直接向かうと飛行距離が結構あるので、飛竜の長距離の運行が可能かどうかは分かりません。
飛竜を使うなら直接向かうことが出来るかもぐらいの認識ですの。
動物やモンスターであっても疲れが出てしまう距離なので大丈夫かどうかまだ確認していないのです。
可能であったなら飛竜で直接向かった方が断然早いのです。
元の世界の移動手段で例えるなら、飛行機と新幹線ぐらい異なりますからね。
グランドール帝国からハイグレード豊国まで高速馬車が運行されていますがこれが新幹線ルートで、飛竜を使ってハイグレード豊国へ直接向かうルートが飛行機なのです。
元の世界の東京から大阪までを飛行機で行くか新幹線で行くかを移動時間で考えたらどちらが良いかと同じなのです。
新幹線の駅や飛行場への移動時間や出発までの時間を含めないで、純粋に移動する時間と距離だけで判断すると飛行機の方が断然有利となるのです。
高速馬車や飛竜という乗り物で移動する距離が大幅に異なりますが、移動速度は飛竜の方が早いのです。
ただし、飛竜を運用する費用の方は高速馬車で移動するよりも凄い高額になるという問題点もありますが・・・
飛竜で移動可能なだけのお金はありますが、グランドール帝国からハイグレード豊国へ高速馬車で行く方法を選ぶことにしたのです。
これは、飛竜で運行可能距離ではないってことをグランドツール共和国に問い合わせた結果なのです。
飛竜であれば世界中の移動が早くなると考えていましたが、飛竜だって生き物なので無理に飛行距離を延ばすのは良くないとのことでした。
グランドツール共和国とハイグレード豊国間を直線で結んだ半分ぐらいの距離までなら可能だということですが、それ以後の移動は普通の馬車移動になります。
私の知らない地域なので、ハイグレード豊国までどれぐらいの期間で行けるのかも不明となると飛竜を使って移動するのは諦めるしかなさそうですの。
運用する飛竜次第で運用距離は伸びますが、グランドツール共和国が所有している飛竜ではハイグレード豊国までは行けないってことなのです。
飛竜を途中で休ませてから移動するという方法も考えられない訳ではありませんが、飛竜を運用しているのはグランドツール共和国ですの。
その休ませる仕組みというのかな準備などを飛竜を運用していない地域でその補給は出来るはずがないのです。
元の世界で飛行機や船で移動した時に故障や給油の関係で最寄りの港に立ち寄ったとします。
船や飛行機が使われていない国では十分な補給や修理を行うことが出来ないのと同じことなのです。
飛竜を運用している国がグランドツール共和国だけではないと思いますが、ハイグレード豊国方面では難しいんだそうです。
そう言えばダイガの大森林のランクＳからパルチ山のランクＳへと移動した時に、確かグランドツール共和国の協力の元で飛竜で運んで貰ったような気がしますが・・・
事前の運用の方法を知らせて貰っていれば、飛竜での移動も飛行距離が伸ばさせるんだそうです。
あの時は緑の勇者様絡みの案件だったので、中継地点や飛竜を休ませる支援の準備などが十分に出来ていたということらしいです。
一介のＳランク冒険者さんが飛竜を使って長距離を依頼されても緊急事態ではないので引き受けて貰えないようなのです。
色々と準備が必要なのと緊急時だから可能（国家要請）だから応じて貰えたのだと思いますの。
グランドール帝国までは直ぐに行けますが、その後の高速馬車で約三十日が大変だなと思いました。
グランドワール王国～サラブ領サラブまでの高速馬車と同じで移動中の大きな町や都市で一泊することを繰り返しながら約三十日を使ってハイグレード豊国に到着します。
グランドール帝国とハイグレード豊国間との国境まで約二十日で、国境からハイグレード豊国の中心地まで約十日で移動することになるでしょう。
馬車移動して宿に泊まるを何度も繰り返すだけの日々は面白くないと思いますの。高速馬車で三十日ですが、普通の馬車移動だと約九十日間も馬車移動は出来ないので我慢するしかない訳ですが・・・
カスミ：
ディーネさんが持っているような転移門のポイントを使って移動するということは出来ないのでしょうか。
青の勇者の一族の方も青の勇者様を慕う会のメンバーなので転移門のポイントを持っていてもおかしくはないと思いますの。
賢者アレク：
それは出来ないんじゃ。
転移門のポイントは魔力を登録する必要がある。
登録された魔力で転移が使用可能かどうかを判断しているんじゃ。
仮に、魔力や使用者の登録は転移を使える者がどこにも出現してしまうのを防ぐ効果があるからの。
基本的に転移門のポイントは使用時に魔力を込めて設置しますが、何らかの方法で転移門のポイントを設置するタイミングを知られると不審者が大勢で転移して来るなんてことが可能になってしまいます。
悪いことをして逃亡するのに転移門のポイントを利用して逃げることまでも想定して犯罪に利用されないような対策は必要ですからね。
転移を使って逃げられるのを防ぐ手段はないとのことです。敢えて、対策するなら転移を使えない場所に転移門のポイントを設置するしかないんだとか。
私の魔力が勇者の一族の方が持つ転移門のポイントに登録されていないから使えないってことが分かりました。
カスミ：
青の勇者の一族の方と賢者の一族の方など青の勇者様を慕う会同士での交流は余りないのでしょうか？
賢者アレク：
深い交流があるとは言えんな。
特に聖女の一族は慕う会とは違う思想で動いておるからの。
カスミ：
聖女の一族の方って、あのおっぱい教の方々のことですよね。
賢者アレク：
それは違うな。
聖女アンズ姫を象徴として崇高しているだけの組織じゃ。
アズアン聖神国のトップは男性の教皇様だからの。
カスミ：
魅惑のブラを使っておっぱいを大きくした男性ですか？
賢者アレク：
普通の体型の男性じゃよ。
アズアン聖神国のおっぱいへの執着は凄いと聞いていましたが、聖女になると聖神国として重要な立場の方や国の貴族の奥方や女性貴族の方など高位の立場の方が重視しているだけで男性は不遇とかそういう訳ではないようですね。
どちらかと言えば、女性の綺麗と言われることや美しいと思われることが他の国よりも執着していると感じるぐらいです。
まぁ、アズアン聖神国のことは置いといてグランドール帝国へと向かうとしましょう。
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますｍｍ
