第231話 勇者の色 検証編
色と書いてカラーと呼びます。
魔法には【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【光魔法】【闇魔法】の六つ属性魔法があります。
火魔法=赤色、水魔法=青色、風魔法=緑色
土魔法=黄色、光魔法=白色、闇魔法=黒色
それぞれの属性の色はこんな感じの色になると魔法の属性を習う時に誰もが教わる内容なのです。
【神炎】という火魔法だけど火魔法の特徴である赤色ではない魔法もあります。
青白い炎の魔法を使う魔法は火魔法の上位魔法ですが、火魔法の赤色ではないのです。
他にも回復魔法や補助魔法など属性が含まれる魔法以外の魔法もあるので、必ずしも赤色をしているから火魔法だとか青色だから水魔法だという見た目で判断することは出来ませんの。
かすみが使った魔法が光魔法の光矢の上位魔法と判断するのは早計ということなのです。
聖女だけが使えるスキルの魔力が光魔法と同じ色の魔法という可能性があるかもしれません。
光矢の上位魔法を見たことがないので、どんな色の魔法かも分かりませんの。
かすみが使った魔法は白色とは言い辛く、白色に少し黄色が混じった感じで薄っすらと青白かったような気もします。
かすみが魔法を使ったのは一瞬のような出来事だったのと私自身がかすみによって力を使われたので、かすみが使った魔法を詳しく見ることも出来なかったのです。
試しに、火魔法の火矢を使ってみると凄いことになりました。
赤色の大きな矢と思われる物体がドスンという音と共に現れ、砂漠の上を走るようにズサササーと進んで行ったのです。
あれは本当に火矢の魔法だったのでしょうか。
私の見間違いではありませんよね? 五メートルぐらいの太さで長さが二十メートルぐらいの大きさの矢なんて普通はあり得ませんの。
そんな矢が砂漠の上を進んでいくのです。
火矢よりも遅い速度で威力だけは凄そうな火魔法と化してしまったのです。
もちろん、他の属性魔法も試したのです。
風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法で作成した矢の魔法も普通ではなかったですが、この場合は普通の魔法でしたと言うべき内容かも。
火魔法と水魔法だけは異常な大きさの矢となってしまいました。
若干ですが、水魔法で作った水矢の方が火魔法のそれよりかは小さかったのです。
赤の勇者だから赤色の魔法の威力が強くなります。
青の勇者様の力も私には加わっているので青色の魔法も威力は高くなります。
赤の勇者の力の方が強く出てしまってしまったという結果となりましたの。
最速はやはり光矢でしたが、かすみが使った魔法とは何かが違うなとは感じましたが、理由は私には分かりませんでした。
風魔法の風矢、土魔法の土矢、闇魔法の闇矢は通常より早い速度の魔法だったのは秘密なのです。
通常より早くなったと言っても、さすがに光矢のように光速で飛んで行った訳ではありませんし、使った魔法も初級魔法なので射程距離を考えると凄く早いと感じてしまいます。
私の体感ですが、魔法の速度と射程距離は1.5倍ぐらい延びていると思います。火矢と水矢に関しては1.5倍どころの射程距離ではありませんが、魔法の速度は極端に落ちています。多分、半分ぐらいに・・・。
火矢の魔法の速度が落ちたのは、おそらくその大きさが原因と思いますの。
魔法が停止した状態(運動エネルギーが0の状態)で発生し、的を射る指示や命令を受けてから移動を始めるとどうしても大きな質量な物は初速が遅くなりがちですの。
特に火矢は大きいので空気抵抗も普通の矢の魔法に比べると大きいのではないかと思いますの。
それに射程距離も矢全体が約二十メートルもあれば、それだけで射程範囲外に先っぽが出ていうと思うのです。
そうなので、火矢は発生した時点で予定到達地点に届いている訳ですから、同じように十五メートルぐらい移動すれば射程距離が延びたと判断するのではないかと思いますの。
賢者アレク様に【火球】は試さない方が良いと言われました。
【火矢】であんな状態だった訳で、【火球】は飛んでもない大きさになるのではないとか心配してのことですの。
球系の魔法は魔法のランクによって大きさが異なります。
初級は十センチぐらい、中級は二十センチぐらい、上級は三十センチぐらいですの。上位は四十センチぐらいが基本の大きさだそうですが、上位の魔法は殆ど使われません。
上級の三十センチでも大きくて狭い所や人が密集しているような所では使いづらいのです。
ましてや、四十センチになると更に大きいですからね。仕方ありませんの。
これに勇者の【色】で威力が増してしまうと凄い大きさの球の魔法になるのでは興味はありますが、危険を伴いそうなので賢者アレク様に言われた通りにしておきます。
勇者の【色】は前よりも威力が増しているように感じるのは私だけでしょうか。
それとも気のせいで終わらせても問題ないのか疑問は残りますが・・・
前まで、こんな感じに赤色と青色の反応がここまで極端に影響が出たような覚えはありませんでした。
赤色の魔法や青色の魔法を使えば、効果が割増になるから積極的に使おうぐらいにしか思っていませんでした。
私が覚醒勇者となってからは初級魔法なんて使っていませんでしたからね。
知らなかったのは仕方無かったのかも。それとも聖女と勇者の関係の影響で急激に【色】の効果が高まったのかもしれないのです。
今となっては確認のしようがないので初級魔法と勇者の【色】の検証は出来ませんが、他にも検証出来る要素はあるの引き続き検証していこうと思いますの。
これから使う魔法は上位魔法と行きたい所ですが、上位魔法は初級魔法と比べ物にならないぐらい強力な魔法ですの。
それ以外にも勇者戦用のスキルも検証の対象になっているので急がないと間に合いません。
えっ? 何に間に合わないのかって? それは勿論ご飯の時間にですよ。
魔力の消費が多い魔法をガンガン使っている訳ではないので時間はそこまで経過している訳ではありませんが、この階層で実験を始めてからでも結構な時間が経過していますからね。
私の活動時間は約八時間ぐらいです。
無理をすれば活動限界を超えて活動出来ますが、そこまで無理をする必要がないと思う場面では十分な休息を取って明日に備えるようにしてのです。
魔法の実験やスキルの検証は急ぐ必要もない訳で、時間を延長してまで行う必要はありませんの。
残業が必要な時に無理に切り上げるなんてことはしません。必要であるならば残業はするのです。
でも、今は残業が必要な場面ではないのです。
「また明日」で問題ないのです。それ以外にも、ゆっくり考える時間が欲しいのです。
これまでの情報を整理するには時間が必要です。
まだまだ検証する内容はたくさんあるので「また明日」にしようと思う今日このごろです。
それでは、おやすみなさいmm
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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