第222話 ダンジョンとは
注)グロ注意です
修正)戦闘後の倒れていくモンスターに関して修正を加えました。
判定なし→判定ありに変更しました。
カスミ:
ダンジョンって、いつ頃からあるのですか?
賢者アレク:
それは不明じゃ。
創世と建国の時代(青の勇者様が活躍した時代)よりもずっと前からある。
いつ頃に発見されたのかは不明だし、気付けばダンジョン街という不思議な街も出来ておる。
ダンジョンとダンジョン街は、誰もいつ出来たのかしらないのではないかと思うぞ。
カスミ:
ダンジョンは神=管理者の仕業で間違いなさそうですね。
タイチ:
そうだね。
この世界で不思議な現象と言えばダンジョンだけじゃないかな。
スキルやクラスなんかは元々のシステムとして組み込まれていそうだけど、ダンジョンだけは最初から備わっているようなものではないように思えるんだ。
カスミ:
どうしてそう思うのですか?
タイチ:
ダンジョンを詳しく調べているとランクEと呼ばれるダンジョンが最初だということ。
それ以降は徐々に増えていったとしてもランクA~ランクEが同じ場所に勢揃いするのはおかしな現象な訳さ。
後から勢揃いしたと考えると神が追加したとしか考えられないからね。
カスミ:
人の手でダンジョンなんて作れないですから・・・
タイチ:
普通はそう考えるよね。
でも、自然発生ってことは考える必要があると思うんだ。
カスミ:
ダンジョンが自然発生するって何が原因がですか?
タイチ:
可能性としては魔力が関係すると考えたんだけど、それだとダンジョン街という存在が魔力が貯まった場所にダンジョンが出来るって考えを否定してしまうんだよ。
だからこそ、神が関与してダンジョンが意図的に作られたと判断したんだよ。
カスミ:
普通に考えてもダンジョン街はあり得ないですからね。
もし、ダンジョンが自然発生するならランクSぐらい単独のダンジョンが色んな処にあるはずですからね。
タイチ:
自然発生したダンジョンを管理しやすいように移動させたって考えはどうにも否定出来ないけど、そこまでする理由が見つからなくってね。
かすみ:
ダンジョンを一つの場所にする理由ですか。
管理しやすい以外の理由ですよね?
タイチ:
ああ。そうなんだ。
それ以外でこれと言った理由が見つからなくてね。
カスミ:
王都など首都の近くにダンジョンがまとまった場所にあるってことはダンジョンからモンスターが出て来ると国が滅ぼさないようにダンジョンを人に管理されるとかはどうですか?
タイチ:
ダンジョンが崩壊するようなことはないんだよ。
ダンジョンの中からモンスターが出て来るようなことはあり得ないんだ。
カスミ:
そうなのですね。
以前に、レッドカラーと言ってダンジョンのモンスターが強力になったのは体験しましたが・・・
タイチ:
それでもダンジョンの中での話で解決なのさ。
レッドカラーになったダンジョンを放置し続けても中のモンスターが強くなるだけでダンジョンの外に影響がないんだ。
カスミ:
何年も放置したってことですか?
タイチ:
そうだね。何年も放置され続けたダンジョンからモンスターが出て来なかったんだから、ダンジョンからモンスターは出て来ないと結論付けたのさ。
カスミ:
どうして何年も放置されてのですか?
タイチ:
創世と建国の時代の前の僕がこの世界の召喚されて直ぐの頃のことさ。
世界の人々は世界の脅威と戦っていた訳だから、ダンジョン探索ではなかったのさ。
世界の脅威が封印されて漸く世界情勢が落ち着いた頃にはダンジョン街の各ダンジョンの殆どがレッドカラーだったのさ。
戦火の結果で有力な冒険者たちも散ってしまった訳だし、ランクBに挑戦出来る冒険者も少なかったのさ。
その関係でランクAはレッドカラーになったまま放置され続けた訳だしね。
カスミ:
ランクSも放置されていたという訳ですね。
タイチ:
ああ。そうだね。
ランクAが長らく放置されていたのにランクSを攻略する冒険者なんていなかったからね。
ランクAを手付かずなのにランクSも放置は仕方ない出来事だよね。
カスミ:
戦乱だったからダンジョンが放置されてしまったのは仕方ありませんものね。
ダンジョンに逃げ込んだ人とかはいなかったのですか?
状況によってはダンジョンに逃げ込んだ方が助かる場合もあると思いますが・・・
タイチ:
ああ。カスミが考えるようにダンジョンに逃げた者もいたさ。
戦後にダンジョンから出て来た者もいるが、ダンジョンで亡くなった者もいる。
カスミ:
原因は何だったのですか?
タイチ:
モンスターに殺された場合が殆どだと聞くが本当のことは分からないと僕は思う。
カスミ:
人同士が殺し合ったかもしれないってことですね。
タイチ:
そうだね。生き延びるためには仕方なかったのかもしれないからね。
その中には食料問題もあったと思われるから結構悲惨な結末を迎えた人もいたそうだよ。
カスミ:
創世と建国の時代って大変だったのですね。
戦乱の結果がダンジョンの放置となった訳ですが、元の状態に戻すのは大変だったのでは?
タイチ:
それは時が解決するしかないよ。
幸いにもダンジョンが崩壊するとかダンジョンからモンスターが出て来なかったとうことが救いだからね。
青の勇者様の時代よりも古い時代からダンジョンがあったということですが、結局はダンジョンって何のためにあるのでしょうか。
それこそ神のみぞ知るって奴ですかね。もう、これしか答えはないんですけどね。
ー閑話休題ー
色々とダンジョンについて考えながら進んでいます。
考えていることと行動は別なのでカートで順調に進んではいます。
特に問題なく進めていると思いますが、最下層なので脅威度Aのモンスターを無視して素通り出来るぐらいには余裕があります。
力の制限は十分の一に設定しているから脅威度Sのモンスターでも苦戦することはありません。
能力値が40万というとんでもない値になってから力を制御していましたが、百分の一でも何とか制御出来ていたのは普段の生活だけで戦闘となると制限解除が必要になりました。
でも、戦闘が起る度に力の制限を解除や制限を行うのは良くないと魔王ガリア様から言われたので、樹文の一に力の制限に変更していますの。
十分の一=前の能力値と同じな訳ですが、普段の生活は苦労しませんが戦闘面では所々気になる点もあります。
上手に手加減が出来ないので、弱いモンスターだと木っ端微塵になってしまいます。
良く言えば楽に倒せてしますので苦戦することはないですが、悪く言えば爆散するので迷惑となるのです。
モンスターを倒した直後は一瞬だけですが死体は残っています。
モンスターが倒されて倒れている様子は見ることは出来ます。
ただ、それだけなのです。この死体の内に有効な素材を剥ぎ取るとか出来ないのです。
立派な角を持つモンスターで角を折るとか斬るとかで手に入りそうなのですが、モンスターからは一切の素材を手に入れることは出来ないのです。
戦闘中に腕を斬り落とすことや角を折るなどがあってもモンスターが消える時には一緒に消えてしまうのです。
それなのに死体が爆散というのは、砕け散る瞬間や飛び散る様子は目に見える形で残る訳です。
モンスターが爆散すれば被害を受けますし、ヘタすれば大きなモンスターの下敷きになるという危うい場面もあります。
死体が消えてしまうまでの僅かな時間で接触することは出来ても素材の回収は出来ないのです。
この様子だけは不思議なのです。倒した瞬間に薄っすらと消えていくだけで良いのではないかと思いましたからね。
でも、人によっては大型のモンスターを倒して、倒れていく様は達成感を得られるから良いという評価もありますの。
脅威度の低い雑魚を相手にする場合は必要ないとか、意外と冒険者さんは我儘なのかもしれませんね。
こんなことを考えていると九十八階層の安全地帯に到着したの。
明日に備えて食事をして十分な休息を取ろうと思う今日このごろです。
それでは、おやすみなさいmm
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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