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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第九章 勇者と聖女

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第219話 待機中の冒険者のお仕事は?

ランクSの冒険者の日常

 おはようございます。今日も元気なカスミールです。


 九十階層のエリアボスをささっと片付けて次の百階層にいる階層ボスを目指します。百階層の安全地帯には待機している冒険者さんはいないので気軽の通り抜けられます。


 何処のランクSも九十階層の安全地帯には冒険者さんが待機しているのだとか。

これは、八十階層から主力メンバーが魔石やドロップアイテムなどを集めた後に安全地帯を訪れた時に怪我の治療や回復薬などの補充する冒険者さんが必要だからなのです。


 ーランクSダンジョンの冒険者さんの配置と役割ー


 上層は一階層から二十階層までの範囲ですが、十階層にはエリアボス、二十階層には階層ボスがいます。

 エリアボスと階層ボスの部屋の直前の安全地帯には十~二十人ぐらいの冒険者さんが待機しています。

 

 ダンジョンに入って直ぐの十階層でも同じ人数が待機しているのです。

上層に出て来るモンスターは脅威度Dのモンスターです。一部例外がありますが基本は何処のランクSでも同じ仕様です。


 ランクSに挑戦出来る冒険者さんはSランク冒険者なのでレベル100以上の冒険者さんです。

 脅威度Dのモンスターに対処出来ないはずはありませんが、実はAランク冒険者さんもランクSに挑戦出来るのです。


 ランクAを攻略クリア出来るような実力があるAランク冒険者さんはランクSに挑戦出来るのです。

 Aランク冒険者さんになるにはレベル制限がないので、意外と低いレベルの冒険者さんも居たりします。


 なので、十階層ぐらいでも後れを取って脅威度Dのモンスターに怪我を負わされたりすると十階層でエリアボスへの挑戦が出来なくなります。

 待機している冒険者さんがこのパーティーではこの先のエリアボスには無理だと判断した結果なのです。

 

 今後、ランクSに挑戦するには時期早々と判断されるという訳ですの。

仮に、十階層で合格を得たとしても二十階層で合格を得られるとは限らないのです。


 もちろん、Aランク冒険者さんが無理して亡くなってしまわないようにと配慮して結果なのです。

 通信の魔道具があるので情報伝達されている訳で厳しい先輩冒険者の目での判断なのです。


 中層、下層、深層、最下層には上層のような役割はありません。上層にこんな役割があったなんて知らなかったのです。

 Sランク冒険者であれば通過出来て、Aランク冒険者では条件次第では足切りがあるようですね。


 上層って脅威度Dと地上でも良く見かけるモンスターが多く、十階層まで約一日もあれば到着出来ます。

 二十階層でも約二日で到着出来るので、そこまで大変なエリアではありませんの。


 そんな十階層の安全地帯の待機している冒険者さんは物資や食料の輸送部隊のためにエリアボスや階層ボスを通行しやすいようにボスモンスターを代わりに倒します。


 他の安全地帯でも同じことを行いますが、他の安全地帯にいる冒険者さんよりも忙しそうな印象なのです。


 十階層や二十階層からなら簡単に地上に行き来出来ます。

一日や二日ぐらいの距離なら十階層から一階層へ向けて進んでもそんな大変な距離ではありません。


 物資や食料の輸送の手伝いとかあったりすると上層の安全地帯に配置されると凄く忙しいのでは? と心配してしまいますの。

 下層や深層だと地上に容易に行き来出来る距離でもありませんし、たまに来る輸送部隊から物資を受け取ることやエリアボスや階層ボスを倒すという行為ぐらいしか思い付かないのです。


 上層の安全地帯にいる冒険者さんよりは業務内容が少ないと思いました。

ただし、エリアボスや階層ボスの脅威度が高いので戦闘面では下の方の階層にいる冒険者さんの方が辛いのかもしれませんね。


タイチ:

九十階層を最後に安全地帯で待機している冒険者がこの先にはいないと分かるとこんなことを考えるんだから、カスミの想像力は流石としか言えないな。


カスイ:

どうして上層の冒険者さんのお話になったのか分からないんですが(;^_^A


タイチ:

九十階層の冒険者は普段は何をしているのかという疑問からだが・・・


カスミ:

そうでしたね。


 百階層の安全地帯に待機している人はいないので、ここ九十階層の安全地帯が最後の人がいる安全地帯。

 その人たちがどんな生活をしているのかって事の始まりでしたの。


 普段はエリアボスを周回や上の階層や下の階層でモンスターを狩るのがお仕事と考えました。

 場合によっては補給部隊の出迎えや手伝いに出向くとかも考えられます。


 上層では一階層に一時間だから一日の行動で地上まで戻れてしまうことが今回の考えの元になった訳ですの。

 中層では二時間、下層では三時間、深層では四時間、最下層では五時間の行動時間で限られた範囲でモンスターを狩って魔石やドロップアイテムを得ることが出来るのです。


 もちろん、宝箱の位置が分かっている階層なら周回するのもアリですからね。

そうやって何もする訳でもなくただ待機しているだけではないと思ったのです。


 深い階層になると複数のパーティーが滞在している訳ですから、少し延長した距離で稼ぐってことも出来るのです。

 最下層という最前線で冒険者パーティーの主力が稼いでいるというのは一般常識ですから、緑の勇者様の件で各有力な冒険者パーティーのリーダーさんたちも私と同時期に解放されましたからね。


 砂漠の虎(デザートタイガー)のリーダーさんもそろそろタイガの大森林のランクSに到着する頃と思います。

 緑の勇者様がグランホーク王国で保護されてから約四十日ぐらい経過しているはずです。


 グランホーク王国からグランドワール王国には転移門ゲートを使えば国家間の移動は簡単に出来ます。

 それが例え南極と北極ぐらい離れたグランホーク王国とグランドワール王国間であってもです。


 王都からタイガの大森林のランクSまで約四十日かかったので、砂漠の虎(デザートタイガー)のリーダーさんは近い内に到着すると予想出来たのです。


 私は一足先に転移門ゲートでここまで来たから、主力が最下層まで戻って来るまでにはもう少しだけ日数が必要なのです。


 えっ? タイガの大森林のランクSまでどうやって来たのかって?

それはですね。八十一階層に設置してある転移門ゲートのポイントでタイガの大森林のランクSに転移を使って移動します。


 八十一階層からは転移の魔法陣で一度地上に戻り、冒険者ギルドでランクSへの入場手続きを終えてからダンジョン内へ入って再度八十一階層に設置してある転移門ゲートのポイントへ転移してから進んだのです。


 少し面倒でしたが、隠密を使って地上に戻った時はバレないかヒヤヒヤしましたの。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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