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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第九章 勇者と聖女

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閑話 緑の勇者の帰還

久し振りの緑の勇者様の登場です。

第三者による報告書ですが(;^_^A

 緑の勇者様一行が八十階層の安全地帯に到着しないといいう報告を受けたのが始まりだった。


 深層を攻略中の一行が七十階層のエリアボスを倒し、次の八十階層を目指すという報告を受けてから十五日~二十日ぐらいには到着する予定だったのだ。


 緑の勇者様には、各ランクSを拠点にしているSランク冒険者パーティーのリーダーたちが同行しているので大丈夫なはずだが、到着予定日数を大幅に超えても一向にその姿を見せないのは直ぐに地上の冒険者ギルドに報告されたのだ。


欄:

アンズさん。

どうにかして、ここから出ることは出来ないの?


アンズ:

ディーネさんの剣技でも壊せないのでしたらわたくしの力ではどうしようもありませんわ。


 緑の勇者様一行が特定の場所で軟禁されたという報告があるが、その場所から出ることは出来ないが、身体が拘束されて動けないという訳ではなかったと聞く。

 生活などは自由に出来るがその不思議な場所からは誰一人として出ることが出来なかったんだと後からの報告により知る所となった。


 緑の勇者様が捕らわれた状態になり、それを助けようと他の冒険者たちが近づくと他の冒険者たちもそこから出ることが出来なくなったのだとか。

 一度、入れば出ることが出来ないが入る数には制限が無いので緑の勇者様一行の全員が捕らわれた状態になってしまっていたのだ。


 緑の勇者様のアイテムポーチのお陰で食事不足となる心配はありませんでした。

無限に食事やアイテムを入れることが出来て、その上に食べ物などは時間停止するのでいつでも新鮮なまま食べられるのは助かりましたとそういう報告が多かったのだ。


 緑の勇者様はレベル56と公表されています。

伝承の通りの勇者様なら、レベル560の冒険者と同レベルの強さのはずだが、どうも勇者様の能力値はレベル相当と同じではないかと思われます。


 レベル560相当の能力値を持っているならば、協力して貰ったSランク冒険者と同等またはそれ以上の力があるはず。

 勇者のクラスという恩恵を受けていたとしても、さすがにレベル56ではランクSと呼ばれるダンジョンに挑むのには無理があると思う。


 脅威度Cは何とか倒せるレベルですが、脅威度C+で苦戦して脅威度Bでは厳しいという判断を下すしかなかったのだ。

 同行している聖女アンズ様もそう強い力を持っているようには思えないし、魔剣のディーネ様だけは魔剣と呼ばれる有名な冒険者だけあって実力は確かなものだった。


 こんな能力値が低いのかレベルが低いのか、それとも勇者の力を発揮出来ないのか分からない状態の緑の勇者様との同行は厳しいと判断せざるしかないと思う。

 簡単に言えばどうしてランクSなんかに挑戦しようと考えたのか不思議なぐらい緑の勇者様は弱ったのだ。


 いつでも身体を動かせるような準備を怠らないようしつつ、消耗し過ぎないように調整して状態が何日も続いたそうです。

 いつしか、急に目の目に広がる光景が森へ変わったそうです。


 転移門ゲートを体験したことがある者からすれば、緑の勇者様と一緒にいた冒険者たち全てが転移したということを理解出来たと思う。

 誰も脱出しようと試みてもいないし、何処かを触れた訳でもないのに強制転移させられたようだ。


 そこが何処かは分からないが、何処かの森ということだけは誰もがそう思える場所だ。

 少し薄暗くて大きな木が多い茂っている状況と森の外へと続く道もなく、森の外が近いという訳でもなさそうな予感がしたのだとか。


 パルチ山のランクSへと続く魔の森の中や森林エリアの看板を探すような森の中を進む感覚と同じだったという訳だ。


欄:

ここが何処だか分かる人はいますか?


アンズ:

直ぐには誰も分からないでしょう。

森に関する情報が足りなさ過ぎています。

周囲の木々が緑色をしているということから森の深い所にいないということだけは分かります。

その森が一体何処の国にある森かまでは分からないと言った所でしょう。


欄:

森がたくさんあるってことですか?


ディーネ:

はい。その通りです。

緑の勇者様も元の世界にはたくさんの山や森があったと思います。

木があるというだけでは何処の山か森か分からないのと同じように私たちの世界でもそれは同じです。

おそらく、ここはグランホーク王国の樹海の森と呼ばれている森のはずです。


アンズ:

どうして、そのようなことが分かるのでしょうか?


ディーネ:

私のスキルがそう教えてくれました。

ここから四日~七日ぐらい歩いた先にグランホーク王国の王都があるはずです。

方角はこのまま真っ直ぐに進めば辿り着けるはずです。


欄:

グランホーク王国ですか。

私たちがいたダンジョンには直ぐに戻れますか?


アンズ:

それは無理なお話です。

グランドワール王国とグランホーク王国は凄く離れた距離にあります。

グランホーク王国の王都からグランドワール王国の王都まで転移門ゲートで飛んで、そこからパルチ山のランクSまで行かなければなりません。


欄:

そんなに遠いんですね。


ディーネ:

私たちにはどれぐらいの距離か分かりませんが、勇者様の世界の「北極と南極」と言えば距離感が分かると聞きます。


欄:

そうですか。北極と南極ですか。

凄い遠い所まで来たってことだけは理解出来ました。

グランドワール王国の方に連絡するとなればどれぐらいの日数が必要ですか?


ディーネ:

それは心配しなくても大丈夫です。

ここから王都まで行ければ直ぐに連絡出来ます。

それとも直ぐに連絡しないと駄目な理由でもありますか?


欄:

いえ。そうではなくて、異世界の文化を考えると連絡手段が馬車などによる連絡かなと思ったものでして・・・


ディーネ:

その辺は心配ありません。

急ぎの要件であれば今からでも連絡は出来る状態です。

助けを呼んでも直ぐに対応して貰っても四日~七日ぐらいは必要ですね。

グランドワール王国には直ぐに行けるので、あのダンジョンに戻るなら約四十~五十日ぐらいは必要でしょうね。


欄:

そんなに必要なんですね。


 実際にパルチ山のランクSに行く大人数であることを考慮すると

グランホーク王国の王都まで 四日~七日

 グランドワール王国からパルチ山のランクSまで 三十日~四十日

多く見積もって四十~五十日ぐらいは正しい計算だと思う。


ディーネ:

あっ、師匠から連絡が入りました。

グランホーク王国で聖女アンズ様はクラスチェンジを考えた方が良いそうです。


アンズ:

わたくしがクラスチェンジですか?

それは出来ないとしか言えませんが・・・


ディーネ:

それは、聖女アンズ様が本当の意味で聖女のクラスの就けると知ってもですか?


欄:

聖女アンズさんが聖女のクラス??


アンズ:

!!!!

王都に戻り次第、クラスチェンジが可能かどうか確認してみますわ。


 こんなやり取りがあって、グランホーク王国に到着後には聖女アンズ様が聖女のクラスのクラスチェンジされたと意味が分からないことを後から聞きました。

 

 今まで聖女のクラスではなかったそうだ。

聖女として目覚めると勇者様の力を底上げするのだとか。


 確か、青の勇者様の時は初代の聖女アンズ様と共に行動してたはず。

青の勇者様がゴブリンを倒せるようになった時から急に強くなったと記録されていたが、ゴブリンを倒せるようになってレベルアップしたからと我々は判断していたが、そうではなかったとすると・・・


 聖女様が勇者様の力を強化するとすれば、聖女アンズ様が緑の勇者様の力を強化するのは今ではないでしょうか。

 これまでは、その力が発揮出来ないでいた? それとも本当の意味で聖女ではなかったとかあるかもしれない。


 クラスチェンジした聖女様のレベル上げと緑の勇者様のレベル上げには、グランホーク王国では魔王の一族の方が力を貸して貰えるそうだ。

 聖女アンズ様と緑の勇者様はレベル100を目標に魔王の一族の方独自のレベル上げ方法なので我々に公開出来ない情報ということです。


 魔王の一族という物騒な名の組織ですが、青の勇者様を慕う会のメンバーで問題ないそうです。

 ディーネさんも賢者の一族だそうで、この地にて聖女アンズ様と緑の勇者様のレベル100を目指すとか普通はそんなことは考えられないのですが・・・


 レベル1の聖女のクラスの者をレベル100までって・・・

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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