表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第九章 勇者と聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/269

第216話 勇者と聖女の関係

聖女かすみ?

 おはようございます。今日も元気なカスミールです。


 昨日は八十三階層と八十四階層を移動しながら力を制御していました。

少しぐらいなら力を制御出来るようになったので進歩といえるのかな。


 それでも少しでも気を抜くと物を壊してしまうので、力の制御はまだまだなのです。


(かすみ):

もう大丈夫だよ。


 何処からかそんな声が聞こえたと思うと身体が凄く軽くなりました。


カスミ:

聖女アンズ様? 何か言いました? 

何かやりました?


聖女アンズ:

いいえ。何もしていませんわ。

幻聴でも聞こえたのではありませんか?

最近、お疲れですから幻聴の一つや二つぐらい聞こえてもおかしくはありませんわよ。


カスミ:

女の子か女性の声が聞こえたと思うと急に身体が軽くなりました。

これを見て下さい。


 そう言って私はご飯の時に飲む予定のお水の入ったボトルからお水を飲みます。

これまでは力加減が出来ていなかったので、いつも粉砕していたボトルが無事なのをアピールします。


聖女アンズ:

あらあらまあまあ。

それは大変ですわ。


タイチ:

何だ? 何が起った?


聖女アンズ:

聖女カスミールの力が発揮し始めたってことですわ。

カスミが聖女カスミールの聖女ってことが確定したようですの。


タイチ:

そんなの初耳だぞ。


聖女アンズ:

それはそのはずですわ。

だって、言っていないのですもの。


 聖女と勇者は世界の脅威となる存在から世界を守るために誕生するそうです。

青の勇者タイチ様には聖女アンズ様と言った勇者と聖女は対になって誕生(登場)するそうです。


 緑の勇者様の対となる聖女は、本来なら聖女カスミールであるはずなのだとか。

そこにイレギュラーに赤の勇者が誕生し、聖女カスミールは死亡するというトラブルが発生したのです。


 聖女カスミールと緑の勇者が出会う前に起った不幸な出来事なのです。

聖女は勇者の力を増幅するという恩恵があり、青の勇者様が聖女アンズ様に出会ってから勇者の能力値の成長が十倍になっていますの。


 もちろん、赤の勇者である私と聖女カスミールが本当の意味で勇者と聖女となった証として私の能力値が十倍になったということなのだそうです。

 それだと緑の勇者様の能力値は十倍にならない=世界の脅威を倒すには力が及ばないのではないという疑問が生じます。


 それは問題ないそうで、緑の勇者様に対となる聖女は既に何処かに誕生しているはずだというのです。

 それは聖女としての力に目覚めていない少女または女性で、その候補は当代の聖女アンズ様を名乗る聖女様ではないかと聖女アンズ様の予想なのです。


 おそらく、これは神という管理者が関わっている内容ではなく、神様がこの世界を守るためのシステムとして組み込んだものと思われます。

 勇者の力は常人の十倍の能力値に育つという内容だけで人々に伝わったのでしょうね。


 それなら緑の勇者様がランクSのダンジョンで苦戦したのも納得なのです。

レベル100に到達していない人の能力値は1000に届かないのです。


 そんな緑の勇者様がランクSに挑戦するのは、ある意味無謀でしかなかったのですからね。

 それなら、今後の緑の勇者様は聖女と出会うことで能力値が急激にアップしてその力を発揮するのではないかと思います。


 世間も緑の勇者様が真の実力を出し始めたと感じるのではないかと思いますの。

勇者として覚醒というか実力を出せていなかった緑の勇者様の今後に期待なのです。


タイチ:

それに関しては僕にも心当たりがあるよ。

この世界に勇者として召喚されたぐらいの直ぐの頃にはレベルが上がっても、そんなに能力値が伸びることはなかった。

あのゴブリンにも苦戦するほどだったしね。


剣神ジョア:

そうだね。

あたしが指導始めた直ぐの頃にはゴブリンを怖がって逃げてもいた程だし間違いないと思う。


タイチ:

それがいつからは分からないけど、急にゴブリンが簡単に倒せるようになったし、怖くもなくなったんだ。

たぶんだけど、その頃にアンズが仲間に加わった頃と一致するように今だからこそそう思えるんだ。


 青の勇者様の経験でも急に強くなったという印象があるそうですの。

私の場合は能力値が十倍になったことが、最近急に強くなったと判断せざる得ない事情となった訳なのです。


 では、それまでの私はというとクラスチェンジの影響と考えるしか辻褄が合いません。勇者として覚醒した覚醒勇者もその前段階なのだと思うしかありませんの。


カスミ:

それが真実だとすると、今頃は緑の勇者様の周囲では大騒ぎになっているのではないしょうか。


聖女アンズ:

おそらくは、そうなるでしょうね。

当代の聖女アンズさんが急に聖女として目覚める訳ですし、緑の勇者様が勇者として急に力が覚醒したかのように強くなるのですから仕方ありませんわ。


カスミ:

それって大丈夫なのでしょうか?


聖女アンズ:

大丈夫とは何がでしょうか?

もしかして、アズアン聖神国から聖女が誕生したことでしょうか。


カスミ:

それもです。

これまで聖女が誕生することが無かったアズアン聖神国から派遣された当代の聖女アンズ様が聖女認定されると何も問題って起きないのですか?


聖女アンズ:

それは大丈夫でしょう。

これまで聖女が誕生しなかったのは対になる勇者様が存在しなかったからですの。

今は緑の勇者様と存在が当代の聖女を目覚めさせたと判断するに違いありませんわ。


タイチ:

緑の勇者の傍に当代の聖女が付き添うようになっても何年も経過している訳ではないから、その辺は大丈夫じゃないかな。

問題は聖女や勇者がそれに気づいて、聖女がクラスチェンジするかどうかだね。


 当代の聖女アンズ様のクラスは司祭のクラスのはずです。

本物の聖女のクラスには力は及びませんが準聖女と言われるぐらいのクラスですから、司祭から聖女へクラスチェンジが出来るとは確認もしないのではないかと心配でもあります。


賢者アレク:

ディーネにそれとなく伝えるとしようかのぅ。

聖女のクラスへとクラスチェンジするとレベル1になるのじゃらから、レベル上げは早い方が良いからのうぅ。


 賢者アレク様経由で当代の聖女アンズ様の元へと本当の意味で聖女のクラスへとクラスチェンジのお話は伝わったと思います。


 今後、当代の聖女アンズ様のことをどう呼ぶようになるのか気になる今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ