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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第八章 不思議な夢

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第210話 ダンジョンとダンジョンブレイク

一周年記念のお話です。

 ダンジョンはダンジョンコアを破壊しなければ消滅されることが出来ません。

比較的浅い階層のダンジョンぐらいなら日帰りで攻略出来ますが、ダンジョンを消滅させても社会的な問題が起こらないのか少し調べてみる必要がありそうですの。


 もし、海外の国ではダンジョンコアを破壊してダンジョンを消滅させているとかで、その情報が日本にも知れて渡っているのであればFランクやEランクダンジョンぐらいの日帰り出来そうなダンジョンコアを破壊して回りたいですの。

 

 さすがに、大量の低ランクダンジョンが消滅すると言った事態になると大騒ぎになるでしょうから、控えめに行動しようと考えています。

 でも、日本全国で不自然に思われないようにダンジョンを消滅させないとバレそうですよね。


 例えば、急に東京のダンジョンだけが消滅したとか。

北海道のダンジョンだけが消滅したとか異変が特定の地域に限定されると一体何が起ったのか騒ぎになると思いますの。 


 ダンジョンを消滅させている人物の行動範囲や行動時間帯から、それが私だと特定される日もあるかもしれませんの。

 政府が何処までの範囲を記録していて、何処までの範囲を政府が調べることが出来るのかまでを把握出来ていませんの。


 全ての行動を記録していて、調べようとすれば調査出来るような環境だと厳しいですの。

 普段は興味なさそうで、必要であれば全てを把握出来るって政府には都合が良いですからね。


新太郎:

カスミール。その辺はどうなっているのか分かる?


カスミール:

はい。新太郎様がお考えのことを肯定します。


新太郎:

何か異常があれば調べることが出来るって訳ね。

日本で初めてダンジョンを消滅させた人がいれば、そんな心配もないのだけど・・・。


カスミール:

ハンターの第一世代の方でダンジョンコアを破壊しダンジョンを消滅させたという事例はあります。

現役を引退されてから、世界ハンター協会 日本支部の相談役という役職に就いています。

もう高齢ですから現役ハンターとして復活するには無理がある方ですね。

 

 第一世代とはDW(ダンジョンワールド)になった今から五十年ほど前に突然スキルに目覚めた人たちのことです。  

 もし三十歳でスキルに目覚めたと考えても現在八十歳という年齢になりますし、十歳だったとしても六十歳という年齢になるのです。


 五十年という月日が経過すれば人であるハンターも高齢者に・・・ですからね。

 お父さんやお母さんが生まれた頃には既にダンジョンやハンターとか存在してたってことになりますの。

 

 つい最近までハンターや能力者と言った事情を知らなかった私からすると凄い変化だなと思いますが、子供の頃からハンターやダンジョンやらのお話が日常茶飯事の両親からすれば普通のことなのでしょうね。


 日本で最初のダンジョンを消滅させた公式記録は、第一世代が活躍している頃に岐阜にある徳山ダム付近に発生したCランクダンジョンを消滅させたと記録されていました。

 徳山ダムは日本最大のダムです。こんな所にCランクダンジョンが出来た理由までは分からないですが、ダンジョンの影響で何か起これば大変なことになりますからね。


 慌ててダンジョンを消滅させたのは日本で最初に出来たCランクダンジョンだったからと思います。

 現存するダンジョンはBランクにまでになってしまいましたが、当時のCランクダンジョンの発生は大騒ぎだったのでしょうね。


 下手すればダムが崩壊してしまうという予想だにしない事態に大騒ぎになってしまってたんだと思うとダンジョンを消滅させるという事案は緊急性を要したんじゃないかと思うのです。

 今ではそれが解明されてダンジョンや異空間ゲートそのものが現実の物に影響を与えることはありませんけどね。おそらく当時はそれほど重大な出来事だったんだと思います。


 今では管理の問題で、辺境のダンジョンや異空間ゲートは積極的に消滅させるよう有力なハンターさんに依頼しているようです。

 人里離れた集落の地元民しか知らない隠されたダンジョンにハンターではない人がダンジョンに入られても困りますからね。

 

閑話休題(話変わって)


 『ダンジョンブレイク』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

どんな現象かというとダンジョンが蓄えているエネルギーが飽和状態になるとダンジョンそのものが崩壊します。


 このダンジョンが崩壊することがダンジョンブレイクと呼ばれています。

基本的にAランクダンジョンまではダンジョンブレイクは起こらないです。


 これには仮説があって、SランクダンジョンやAランクダンジョンが他のダンジョンからエネルギーを吸い上げているのではないかと言われています。

 吸い上げたエネルギーも含めて限界に達するとダンジョンブレイクを引き起こすと言われています。


 異世界むこうでは『ダンジョンブレイク』と呼ばれていました。

元の世界(こっち)では何と呼ばれているのか分かりませんが、ダンジョンブレイクが起るとダンジョン以外でもモンスターに遭遇するようになります。


 ダンジョン以外の所にモンスターが出るようになりますが、その出処のダンジョンは無くなります。

 エネルギーを放出してしまったのですからダンジョンではなくなるのです。


 ダンジョンがダンジョンブレイクを起こさないようにするにはダンジョンにエネルギーを消費させればダンジョンブレイクは起こりません。

 ハンターがダンジョン内のモンスターを倒すだけで防ぐことが出来ます。


 こう聞くと凄く簡単な行為のように聞こえますが、AランクダンジョンやSランクダンジョンでモンスターを倒す必要があるのです。

 AランクダンジョンのAランクモンスターやSランクダンジョンのSランクモンスターを倒すのは容易ではないはずですからね。

 

 現状ではCランクダンジョンやBランクダンジョンにはランキング上位のハンターさんがダンジョンを消滅させるために日々頑張って活動しています。

 FランクダンジョンやEランクダンジョンは階層も浅いのでレベルの低いハンターさんたちの活躍の倍として残されています。


 では、増えすぎたダンジョンを間引きしていないのか?

こんな疑問が生まれると思いますが、辺境の地のダンジョンや異空間ゲート以外は間引きは行なわれていないのです。


 間引きは、おそらく可能なんだろうけど、どのダンジョンを消滅させるとかどのダンジョンを残すとかの権利問題に発展してしまいます。

 ダンジョンの近くで活動しているハンターにしてみれば、消滅すると稼ぐ場所がなくなるということで深刻な話となります。


 私個人としては低ランクダンジョンはどんどん消滅させていって高ランクのエネルギーにさせないようにすることが理想と考えています。

 先にも挙げましたが、AランクやSランクダンジョンは周囲のダンジョンからエネルギーを吸い上げます。


 ダンジョンブレイクのエネルギー源を集めさせないためには低ランクも消滅させた方が良いのです。

 Bランク~Dランクぐらいのダンジョンを管理して収入を得た方が良いはずですからね。


 ダンジョンを宝の宝庫みたいな感覚で、どんなダンジョンでも利があるからと残しておくのは私としては意味がないと考えています。


 電車やバスの停留所かと思えるぐらいの間隔で低ランクダンジョンがあるのですからね。

 私の家から近くのハンター協会まで約ニキロぐらいあります。


 その間にFランクとEランクダンジョンは八個もありましたからね。

こんなにたくさんのダンジョンは必要ないと思うの。


 低ランクダンジョンはコンビニ並に数ありますからね。

私としては高校ぐらいの数か理想ですが、小学校や中学校ぐらいの数もあれば十分だと思いますの。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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