第204話 決めセリフは「悪即斬なのです」
一周年記念のお話です。
クラスメイトの中で一番良い能力値はクラス委員長をしていた山崎守君です。
二番目は副委員長の亀田茜ちゃんです。
クラスでも成績優秀だった守君と茜ちゃんは召喚された当初から魔法が使えてました。その関係で能力値が良かったのかもしれません。
三番目の能力値は桜木悟君です。
悟君は剣道部だったからか剣術が得意で全国レベルの大会に参加するぐらい優秀です。
四番目の能力値を持つのは私です。
特に何も他のクラスメイトと特に変わったような所は無かったと思うのですが・・・思い当たるのはクラス(職業)が勇者だったからかも。
召喚された直後は全員同じ能力値だった訳ですが、クラス(職業)やスキルの能力の違いなどから評価され同じレベルなのに能力値に差が出始めました。
この評価の差が一番目の人は一般人の九倍の能力値、二番目の人は八倍の能力値、三番目の人は七倍の能力値・・・八番目の人は二倍の能力値、九番目の人は一倍の能力値と言った具合に倍率は下がっていきました。
九番目の人の一倍という倍率は他とクラスメイトも一倍なので、能力値に違いのある上位八人までと他の人では能力値にこんなにも差があるようになってしまったのです。
私は四番目の能力値だったので他の人とは六倍の差があります。
私も含めてクラスメイトは三十人いました。
その中の上位八人だけが突出した能力値になってしまったのです。
戦場で戦っている者と戦っていない者では能力値の差は大きな影響となり、それがレベル差に繋がってしまいました。
一度、レベルや能力値に差が出始めるとその評価の差を埋めることが出来なくなってしまったのです。
私たちはレベル100になった時に大幅に能力値が成長しました。
このことで異世界の一般人と比べてもその差は凄い広がったと思います。
レベルアップと能力値の成長も地元の人(異世界の人)とは大きく違っています。私たちはレベル100で能力値が大幅に成長しましたが、地元の人は1レベルごとに能力値アップしてたのです。
私たちはレベル1~レベル99までが同じ能力値でレベル100に到達すると急に強くなれました。
それが急に十倍の能力値を得るなんて考えてもいなかったです。
レベル200になったクラスメイトはいないので今後どうなるのかは分からないですが、馬鹿みたいに能力値アップすると慣れるまでが大変なの。
元の世界では能力値の内容も異世界とは少し違いがありました。
異世界にはクラス(職業)がありましたが日本ではクラス表記はありませんでしたからね。
何かしらの方法で政府が私の能力値を確認することが出来るのであればバレるのは必然ですからね。
スキルを使って誤魔化せるよう偽装は常に試みておきます。
スキルを持つ能力者だからと言っても戦えるとは限りません。
持っているスキルが「園芸」なんて場合だと戦えるはずがありませんもの。
戦える力のない能力者は一般人と大差はありません。
Gランクのモンスターを倒せるぐらいで良くてFランクのモンスターを倒せるかどうかです。
これは武器の扱いが出来ない能力者は一般人と差がないと実証された結果なのだとか。レベル差が発生しない訳ですから一般人と変わらないのは普通ですからね。
モンスターと戦える能力者さんのことを『ハンター』と呼ぶんだそうで、戦闘に有効なスキルを持ち合わせていない能力者さんのことは『能力者』と呼ぶんだそうです。
なので、能力者と言えば戦えない能力者さんのことを指すんだそうです。
ハンターさん:モンスターと戦える力があり、スキルを持つ者
能力者さん:スキルを持ってはいるが戦える力がない者
スキルによってモンスターと戦えるか戦えないか決まる訳なので、同じスキルを持つ者として考えられていないのだとか。
広義ではスキルを持つ者=能力者ですよ。
ー閑話休題ー
『世界ハンター協会』は世界のハンター協会を取り纏める組織です。
世界ハンター協会 日本支部では、日本ハンター協会本部とハンター協会に分かれ、ハンターのために作られたハンターを管理・サポートする日本政府の機関の一つです。
日本ハンター協会本部は各自治体に設置され、これまでの市役所や区役所と言った建物の中にあります。
役所の中に新たに設立された『日本ハンター協会本部』という部署なのです。
役所にある『総務課』や『会計課』や『財政課』や『企画課』や『広報課』などと同じ部署です。
主な業務は事務手続き関係の業務やハンターのランクの管理・報酬の管理などなど多岐に渡ります。
これまでの市役所や区役所などの出張所や支所と言った建物が新たにハンター協会として立て直されました。
ハンター協会の建物の中でも役所手続きが出来ると言った感じで、これまでの役所の支店や出張所とハンター協会が一体化した姿に生まれ変わりました。
これから私が目指す行先はハンター資格の登録が出来るハンター協会の方です。
ハンター協会にはハンター専門の武器・防具・日用品の販売を行うショップもあります。
多くの武器や防具類を取り扱っているので見るだけでも面白そうなのです。
私の愛用の武器は聖剣です。
それも何故か日本刀なのです。
簡易的に私の能力値を確認した所、異世界のままの能力値なので、バレると大変面倒なことが起りそうな予感がします。
さすがに目立った行動をしてしまって顔バレは不味いので、顔バレしないように顔を隠したハンター活動で生きて行こうと思います。
人殺しは平気かって?
どうして、そう聞くのか分からないですが人殺しは平気で出来ますよ。
異世界では人やモンスターを殺さないと生きて行けなかったんだから仕方ないのです。
異世界では戦場の最前線で戦っていたのだから人やモンスターを殺すことに躊躇うことはありません。
召喚された当時は人やモンスターを殺すことに躊躇ったりして苦労しましたが、そうしないと私たちが死んでしまいますし、私たち前線組が死んでしまうとクラスメイトの命も危ぶまれますからね。
死と生が隣り合わせの所で生活してたんだから躊躇うことは致命的ですからね。
決めセリフは必要と思いませんか?
勝也や彰人はそんなの必要ないと言っていたし、決めセリフは誰も聞いていないとも言います。
『一撃必殺』とか『悪即斬』とか『また、つまらぬ物を斬ってしまった』とか言ってみたいと思いませんか?
さすがに、私が納得出来ないことはしたくありませんが『正義の名の元に誅を下します』って言葉もアリかなと思っているぐらいです。
決めセリフはどれが良いですかね? 私としてはどれも捨てがたいと思うので迷う所です。
不思議としっくりくるのは「悪即斬なのです」が使い慣れているように感じます。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




