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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第八章 不思議な夢

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213/269

第203話 あり得ない現実

祝)一周年の月です。

赤の勇者 ~~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~を投稿し始めて約一年が経過しました。

これも皆様のお陰で頑張れた結果です。


一周年記念として新作(タイトル未定)の内容を一部を変更して投稿しています。

話数も短いですが、どうぞお付き合い下さいmm

 『ピッピッピッピー。ピッピッピッピー。ピッピッピッピー。』という普段の生活ではあり得ない電子音が聞こえて来ました。


新太郎:

えっ? 何の音? もしや敵襲?


 突然、鳴り響いた聞き慣れない音に私は、いつもの習慣で咄嗟に飛び起きて身構えてしまいました。

 状況を確認するために直ぐに冷静になるように努めますが、周囲の状況は何だか見覚えがあり懐かしい感じがする場所です。


 そう。ここが日本の私の部屋であることを理解するのにはそんなに時間がかからなかったのです。

 

 こうなる直前はどんな状だったのかゆっくりと思い出します。

確か、昨夜は男子グループと交代してクラスメイトの女子グループでまとまって休息を取っていたはずです。

 突然聞き慣れない音がしたと思って飛び起きたら、そこが私の部屋だなんて本当にどうかしてると思ったのです。


新太郎:

どうして、私は元の世界の日本にいるのかしら?

ここは私の部屋で間違いないようですし・・・


 高校を卒業した私たちはクラスのお別れ会という名目で教室を借りて打ち上げしてたのですが、その時に出現した大きな魔法陣によって私たちは異世界に召喚されてしまったのです。

 異世界に召喚されて結構な年月が経過したまでは薄っすらと覚えているのですが、具体的にどんな生活してたかなど細かい内容までは思い出せないのです。


 先程、煩く鳴り響いた目覚まし時計には、今日の日付のDW(ダンジョンワールド)五十年三月二日が表示されていました。


 私たちが異世界に召喚されたのは令政十六年三月一日の卒業式の直後の出来事だったはずです。

 いつの間にかDW(ダンジョンワールド)という年号に変わって五十年も経過していることになっているのです。


 令政の時代がいつ終わったのかは不明なので私たちが召喚されてから何年ぐらい経過したのかまでは分からないのです。


 あっ、そうそう。自己紹介がまだでしたね。

私の名前は『山木新太郎』です。十八歳の高校生三年生です。

 

 異世界むこうに召喚されて長い間、暮らしていましたが私たちは歳を取ることは一切ありませんでした。口調もまだ高校生だった頃と同じなんだけど誰一人として不自然には思わなかったの。


 それは、普通は歳を重ねると口調や考え方など歳相応に変わって来るのだけど、私とクラスメイトたちも容姿も口調も変わらないままだけど、クラスメイトと一緒にいる環境がいつまで経っても高校三年生の感覚のままにしていたのかも。


 私を含めて殆どのクラスメイトは『異世界だからこんなものだろう』という認識だったのです。

 元の世界とは異なった世界の異物である私たちに何か特別なことが起り得ることは「元の世界ではあり得ない事情」が異世界ではあり得てしまうかもしれないってことなのです。


 クラスメイトの勝也かつや彰人あきひとの二人も私と同じように異世界に召喚されたんだけど、ここが元の世界の日本とするなら勝也と彰人の二人がどうなってしまったのか心配です。

 

 私たちだけが何年も失踪扱いなら日本に居場所なんて無いはずですからね。 

 

 異世界の物語とかに良くある『異世界に召喚された時に私たちの存在そのものの記憶や記録が抹消されている』なら誰もそのことに気付かないなんてこともあるかもしれません。

 

 ここで残念なお知らせです。


 勝也と彰人を含めてクラスメイトたちに改めて電話してみたのですが『おかけになった番号は現在使われて・・・』という電話番号が使われていないことを伝えるアナウンスが流れました。


 一応、着拒を疑いましたが異世界に召喚されたクラスメイト全員が一斉に私を着拒するのはおかしいのです。少なくとも勝也と彰人とは着拒するなんて間柄ではありませんからね。


母さん:

新太郎~。そろそろ起きなさい~。朝ご飯は出来ているよ~。


新太郎:

今行く~。

 

 母さんからご飯を食べろと催促する声が聞こえて来たので部屋を出てご飯を食べに行きます。

 母さんも私が既に起きていることに気付いていると思います。

 

 いつもそろそろ時間かな? と思うぐらいいつも絶妙なタイミングでいつも声をかけてくれるのでありがたいです。

 異世界むこうでは一人暮らしだったので家族という大切な人と一緒に過ごせるのは本当に・・・嬉しい。


 母さんが用意した朝ご飯は、ベーコンベッグが乗ったトーストとミルクティと野菜サラダです。

 ドレッシングはお母さん特製の和風のドレッシングです。市販されているドレッシングよりも私は母さんが作ったドレッシングの方が好きです。


 自家製のドレッシングなので日持ちがしないのが残念ですが、いつも作り立てのドレッシングで食べられるの。

 こんな朝ご飯は久し振りに食べたので凄く懐かしい気がします。


母さん:

新太郎。あんた何泣いているのよ?


新太郎:

えっ? 私、泣いてた?


母さん:

あんた。いつから私って言葉遣いになったんだい?

昨夜、何か悪い物でも食べたのかい?

いつものなら「僕が・・・」と言っていたのに今まで何だったんだい?

まさかと思うけど、男の娘として目覚めたとか・・・


新太郎:

僕がそんなことを言う訳ない。

朝ご飯いつもありがとう。


母さん:

・・・

 

 日本で食べるベーコンエッグと異世界むこうで食べるベーコンエッグ。

どちらも言葉の響きからは同じ物のように聞こえますが、素材から調味料に至るまで全てが違う別物と感じるぐらい差があります。


 懐かしい思い出や美味しいと感じる気持ちが僕に涙させたのかもしれません。


新太郎:

母さん。ご飯美味しいよ。


母さん:

あら? ありがとうね。

それにしても急に改まってご飯美味しいって、あんたどうかしたの?


新太郎:

何でもない。ごちそうさま。

 

 僕は急いで部屋へと戻って出掛ける準備をして図書館へと向かいます。

昨夜までは異世界むこうにいた僕がどうして元の世界(こっち)の日本にいるのかは謎だけど、DW(ダンジョンワールド)という年号から元の世界の日本とは違うような気がします。


 それを詳しく知るには外で情報を得ようと思います。

令政十六年から五十年も経過したなら母さんが生きているはずがありません。何かしらのことが起ったに違いありません。


 図書館でこれまでの近況を調べていると僕たちは令政十六年に異世界に召喚されたけれど、そんな事実は無かったかのようです。

 三十人もの高校生が一斉にいなくなるなんて大事件ですからね。


 僕たちが召喚された翌日が今日だということが判明しました。

何故なら私が異世界むこうに持ち込んでしまっていたスマホには今日が令政十六年三月二日だということを示していたからです。

 

 スマホはDW(ダンジョンワールド)という年号に対応していませんでした。

ついさっきまでクラスメイトに連絡出来ていたスマホも、いつの間にかもう使えないようになっていました。


 年表を見る限りだと私の知っている年号は一切ありませんでした。

そもそも『令政』という年号すら存在していなかったのです。


 それよりも驚いたのは、僕たちが住む日本にいえ世界中にダンジョンが出来ていました。


 初めは異空間へと繋がるゲートのような小さな存在だったそうですが、その異空間へと繋がるゲートが次第に大きくなり異空間ゲートと呼ばれるようになりました。


 異空間ゲートを消滅させることが出来なかったことで更に大きく発展しダンジョンへと成長してしまったのだとか。

 ダンジョンが発生するようになると人類の中にはスキルという特殊な力を持った人たちが発見され始めます。


 スキルという特殊な能力がある者=能力者という名で呼ばれているんだとか。

スキルも生まれてから持っているとかではなくて、ある日突然スキルが目覚めるんだとか。

 

 具体的にその理由は分からないそうですが、遺伝とかでスキルに目覚める訳ではないということだけは分かっているそうです。


 スキルを持たない一般人同士の男女からスキルに目覚めた子供がいます。

両親が能力者であってもその子供のスキルは両親のどちらかと同じではなく、両親とは全く異なったスキルに目覚めたんだとか。


 他にも色んな事例からスキルが目覚めるのは後天性であって、遺伝ではないってことが裏付けされたんだとか。

 能力者は異世界むこうの人も同じようにスキルを持っている人と持っていない人がいたので異世界むこうのスキルを持っている人と同じような存在なのかも。

 

 最低ランクのGランクモンスターぐらいならスキルを持たない一般人でもフライパン片手に倒すことが出来ますが、強力なモンスターになると一般人では敵わなくなりスキルを持つ能力者に頼るしかありません。


 Gランクモンスターは一般人でも倒せますが、Fランクモンスターは銃器を使えば何とか倒すことが出来ます。

 Eランク以上のモンスターは銃器でも倒せなくなるのでダンジョン産の武器や鉱石を加工して作った武器でしか倒せなくなるそうです。


 Eランクぐらいまでなら自衛隊や武術の達人の方たちならダンジョン産の武器を使えば倒せるんでしょうが、それ以上となると能力者のスキルに頼らないと倒せなくなるぐらいモンスターが強くなるんだとか。


 ・一般人ではGランクモンスターが倒すのに精一杯。

 ・警察や自衛隊や武術の達人はFランクモンスターを倒せる程度の強さ。

 ・自衛隊や武術の達人がダンジョン産の武器を使ってEランクモンスターを倒せるかどうか。

 

 これが世間には知られているモンスターの強さの認識です。

まだまだ色んな部分が僕が日本で生活してた頃と比べると変わっているようなのです。昨日の今日でこんなにも変わってしまうだなんて本当にここは日本なのかしら。


 異世界むこうでは恋人はいたの? 独身だったのかって?

それって必要ですかね(;^_^A


 クラスメイトの中にはクラスメイト同士で結婚して子供を産んだ子もいるし、異世界むこうの人と結婚して子供が生まれた子もいますよ。

 僕には良い出会いがありませんでした。ただ、それだけですよ。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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