第202話 最後の・・・
色んな意味で・・・
これにて第七章は終わります。
第八章の前に閑話の投稿があります。
魔性の微笑みの戦闘メンバーの八十階層の階層ボス戦です。
私以外の戦闘の様子を見る機会ってこれが初めてなのではないでしょうか。
私は基本はソロで活動しているのでヤマギワ村でレイラちゃんたちと一緒に冒険してた時以来の出来事と思います。
Sランクの冒険者となっても他の冒険者さんの戦い方を見るのは初めてって・・・私はどれだけソロで活動していたのか改めて理解出来ましたの。
青の勇者様パーティーの方がいたからソロでも耐えられたんだと思いますが、そうでなければ途中で目標を見失っていたかもしれません。
今頃、グランドワール王国やアズアン聖神国付近で冒険してたんだと思うのです。
八十階層の階層ボスの部屋で行われている『魔性の微笑みVS階層ボス』はベテラン冒険者さんの戦いだと思いました。
タンク役の冒険者さんにモンスターの攻撃を受け止めて貰って、その間に他の冒険者さんが強力な攻撃をするという連携の獲れた行動なのです。
階層ボスも深層なので、脅威度Aの黒虎が六体です。
脅威度Aのモンスターが六体は階層ボス(脅威度A)にしては少し高いぐらいに分類されると思います。
脅威度A+に届くか届かないかぐらいなのでそこまで高い脅威度とは言えませんの。
黒虎と言えば幼い頃の因縁のあるモンスターです。
あの個体とは違いますが、父さんたちヤマギワ村の狩猟団でも手を焼くモンスターがこうも簡単に相手にしている光景はSランク冒険者さんの実力は凄いと思いました。
(タイチ):
カスミもそんなSランク冒険者だぞ。
(カスミ):
私は普段はソロなので、ここまでの戦いを見るのは初めてです。
(タイチ):
あれでレベル450~550ぐらいだね。
上手に戦えていると思うよ。
(カスミ):
私と同じぐらいってことですか。
(タイチ):
そうだね。能力値で言えばカスミの方が力を制限されているから魔性の微笑みの方が実力は上だね。
でも、カスミは黒虎六体を一人で倒せるだろ?
(カスミ):
はい。たぶん出来ると思います。
(タイチ):
カスミ一人で戦うよりも戦い方が違うだろう?
(カスミ):
はい。連携が上手だなと思いました。
(タイチ):
これがパーティーで戦うってことなんだ。
まぁ、僕たちがカスミのパーティーメンバーだからカスミは厳密にはソロではないが、ソロとパーティーで戦うってことの違いが分かったと思う。
そうなのですよね。この冒険者パーティーさんの戦い方が、タンク役が攻撃を引き受けて他のメンバーが攻撃するというっ戦法ですの。
私だと全員がアタッカーって感じで、個々撃破って感じの戦法なのです。
魔性の微笑みのメンバーには、モンスターと一対一で戦ってもこれなら個々で倒せてしまえるぐらいの強さがあると思いました。
タンク役がいなくても個別に撃破出来るぐらいの力があると・・・さすが、ランクSの深層で戦って行ける冒険者さんたちだと思いましたの。
(カスミ):
パーティー戦で挑まなくても、このメンバーなら余裕ではないでしょうか。
(タイチ):
そうだね。でも、そうしないには理由がある。
魔法を使うクラスは呪文の詠唱に時間が必要だ。
その時間を稼ぐには、タンク役が必要となる訳さ。
カスミやアレクには「無詠唱」が使えるから、戦闘時に直ぐに魔法が使える訳だけど、そうでない魔法を使う者もいる。
それに良くみてご覧?
(カスミ):
何処をですか?
(タイチ):
火力の弱い者もいるだろ?
手数でモンスターと戦っているといくら優勢でも突然のモンスターの強力な一撃を喰らってしまうってこともある訳さ。
火力が高いと一撃で倒してしまうし、ある程度の火力があれば苦戦することもないかもしれない。
だけど、火力が足りない時は誰かがカバーしなければバランスが崩れてしまうこともあるってことさ。
本当に連携や判断がきちんと出来ていて良いパーティーってことですの。
例えば、今の私とレイラちゃんたちとパーティーを組んでもこんなに上手に戦えるとは思わないのです。
魔の森で黒虎の件は私たちの実力不足だった件を除くと魔性の微笑みのメンバーのように良いパーティーだったのか? と聞かれると『そうだ』とは言える自信はありません。
一角兎を狩っていた頃なら自信を持って『そうだ』と言えるのですが・・・
青の勇者様には「駆け出しの初心者冒険者」と「ベテランのSランク冒険者」を比べるなと言われそうですけどね。
魔性の微笑みのメンバーさんが階層ボスの黒虎を倒しました。
カスミ:
どうも。ありがとうございました。
ファルマ:
それは気にしなくても良いよ。
私たちが依頼されたことだからな。
カスミ:
依頼ですか?
ファルマ:
ああ。そうだ。
地上にいる冒険者ギルドから魔性の微笑みへの依頼だ。
カスミちゃんや緑の勇者様一行が八十階層の安全地帯に訪れた時は階層ボスを倒して地上へと帰還させてくれという依頼なんだ。
七十階層の方では緑の勇者様の捜索という依頼があるからカスミちゃんを先に行かせて、緑の勇者様一行が救援を求めたらエリアボスを倒して地上へ帰還させることなんだ。
カスミ:
それでは私が緑の勇者様一行の情報を持っていても持っていなくても階層ボスを倒して地上へのルートを開けて貰えるってことなのですか?
ファルマ:
カスミちゃんに関してはそうだな。
カスミちゃんは地上へ戻ったら、これまでのことを報告して貰うことにはなると思う。
緑の勇者様の安否が確認されると、緑の勇者様の捜索依頼が完了という扱いになる。
それまでは地上の冒険者ギルドで待機となる可能性があるな。
カスミ:
何か面倒ですね。
ファルマ:
いつ緑の勇者様一行が解放されたのか分からないからね。
もしかすると、既に地上では緑の勇者様の安否が確認されているかもしれないしね。
カスミ:
それは、まだと思いますよ。
緑の勇者様の安否が確認されたなら冒険者ギルドや通信の魔道具で連絡があるはずですよ。
ここまで安否の連絡が届いていないのは、まだ緑の勇者様の安否の確認が出来ていないと・・・
ファルマ:
緑の勇者様の安否が確認されたなら、リーダーや冒険者ギルドから何らかの連絡があってもおかしくないからね。
それがないってことはカスミちゃんの言う通りのようなだね。
話は変わるけど、カスミちゃんってこの後はどうする予定なんだい?
話せるなら教えて欲しいな。
カスミ:
まだ、予定は決まっていません。
取り敢えずは、グランドワール王国の王都かグランドツール共和国の賢者の一族の方の所に向かう予定です
どちらにするかは決めていません。
ファルマ:
そうか。分かった。
また、何かあればどちらかに魔性の微笑みから何かあれば依頼するかもぐらいに受け止めて貰えると助かるよ。
私たちとしても『攻略の幼女』と縁が出来たと言うとリーダーも喜ぶと思うからね。
それにしてもカスミちゃんは凄いな。
カスミ:
凄いって何がですか?
ファルマ:
『エルフル遺跡群のランクSの攻略』『タイガの大森林のランクSは最下層まで到達』それに『パルチ山のランクSも最下層に到達』だからね。
ソロの女の子の冒険者がこの快挙だよ。
凄いことだと思うよ。
魔性の微笑みのメンバーさんはここまま勤務継続=八十階層に滞在することになるので階層ボス戦が終わると八十階層の安全地帯に戻ることになりますの。
一方の私は地上の戻る為の転移の魔法陣がある場所へと向かいます。
階層ボスやエリアボスを倒すと一定の時間だけ入り口の扉が開くことが出来ます。
これまでもエリアボスの部屋や階層ボスの部屋の直前の安全地帯で待機していた冒険者さんたちは物資の輸送を行っている冒険者さんを通過させて来たのです。
地上への帰還命令が出ると交代要員と引継ぎをして、エリアボスや階層ボスを倒して転移の魔法陣で地上に戻るのだそうです。
地上から深層まで新たに交代要員となった冒険者さんが来る訳ではなく、八十階層なら七十階層にいる冒険者さんが来るんだそうです。
地上から十階層へ新たに任務を受けた冒険者さんが行き、十階層にいた冒険者さんが二十階層にと言った具合に安全地帯に待機している冒険者さんが次の赴任先に進むんだとか。
まぁ、そうなるでしょうね。「貴方は八十階層になりました。次の赴任先には一人で出向いて下さい」みたいにダンジョン内を一人で移動して次の赴任先に向かうなんて馬鹿げているのです。
冒険者パーティーで移動する訳なので連携や信頼関係などの新たに構築する必要もないので楽と言えば楽なのかな。
でも、何かずっとダンジョンの中にいるような気がするのは私だけなのでしょうか。
さすがに、ダンジョンの中だけで生活していると病気とかにならないのかな? と心配になりますね。
では、最後の挨拶も済んだので地上に戻ろうと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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