第193話 下層 階層ボス戦
美味しいカニを食べたい
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日は階層ボスに挑戦前に魔性の微笑みの方々に緑の勇者様御一行の詳しい情報を聞こうと思いますの。
ここの階層ボスを倒せば次からは深層だからです。
深層の七十一階層~八十階層までの何処かに緑の勇者様たちがいると考えています。
七十階層のエリアボスの部屋のある安全地帯が緑の勇者様たちを見かけた最後なのです。
六十階層の安全地帯なので集まる情報も不足するかもしれませんが、ここ六十階層と次の七十階層で得られた情報や当時では気付かなかった部分から考えてみようと思うのです。
魔性の微笑みの調査報告として挙げている情報以外を思い出すかもしれませんしね。
カスミ:
おはようごうざいます。
カスミールと申します。
サラン:
お嬢ちゃんが『攻略の幼女』と呼ばれている冒険者か。
その感じだと噂通りってことか。
カスミ:
噂って何ですか?
サラン:
小さな女の子の冒険者ってだけさ。
カスミ:
私ってそんなに小さいですか?
サラン:
お世辞とは言えないがその身長は小さいぞ。
サランさんはそう指さしたのは、身長が高い女性冒険者さんばかりがいる集まりでした。
六十階層の安全地帯には、これまで出会って来た魔性の微笑みの中でも高身長の女性ばかりが集っていました。もちろん、サランさんも高身長の女性ですよ。
私の噂っていうのは、小さな女の子の冒険者でランクSを一人で活動するような活発な子供という内容だそうです。
まぁ、その通りですけどね。
カスミ:
緑の勇者様の情報で変わった内容ってありませんか?
サラン:
変わった情報って例えばどんなのだ?
冒険者ギルドから緑の勇者様の情報を報告した内容以外に得た情報がありませんでしたの。
六十階層の安全地帯では休んだだけで傍にいる聖女アンズ様と魔剣のディーネさんと殆ど一緒にいるだけで、魔性の微笑みの現地の方との情報交換は同行していた冒険者さんが行っていたんだそうです。
緑の勇者様が積極的に安全地帯に待機している冒険者さんや同行している他の冒険者さんとお話するような機会が殆ど見ることが無かったんだそうです。
緑の勇者様って人見知りなのかな?
そんな疑惑が出て来そうな内容のお話ばかり聞けましたの。
更に詳細を聞きたければ七十階層のメンバーに聞いてみると良いと言われました。
ただ、下にいるメンバーも報告した内容以外の情報は得られないと思うと念を押されました。
緑の勇者様の普段の人との接し方には問題がありそうですの。
私と最初に会った時も、異世界に来て助けてやっているとか選ばれた人とか上から目線でしたからね。
勇者は元の世界で亡くなってしまった人なのです。その中から選ばれたと言えば間違いないですが、私個人として悪い方で選ばれたような気がするのです。
私の場合は、おそらく神が意図して私を殺しにかかって来たんだと思います。足元にバナナの皮が突然現れるなんてあり得ない話ですからね。
何かの理由で選ばれたんだと思いますが必ずしも良い意味で選ばれたんじゃないと私は思います。
ー閑話休題ー
望んでたような情報は得られなかったので先に進もうと思います。
六十階層の階層ボスの部屋へと入って行きます。
下層の階層ボスなので脅威度Bなのです。
五十階層のエリアボスと変わらない脅威度なのでキング級とか出そうですが、私としては巨大猪や狂牛ぐらいがたくさん出て来てお肉を大量にGETしたいですね。
この階層の階層ボスとなって登場したモンスターは巨大蟹という脅威度Bの大きなカニさんのモンスターでした。
カニさんのモンスターもお肉とは違いますが、美味しく食べられるカニをドロップするモンスターなのです。
巨大蟹はドロップアイテムが少し変わっていると有名なモンスターなのです。
大きなカニさんからドロップするのは小さなカニ(食材)なのです。カニさんからカニさんをドロップするというおかしなことが起きるんだそうですの。
カニさんの件は有名なお話ですが、このことを知らない人からすると大きなカニさんが小さくなったと勘違いする人もいるそうですよ。
お肉のような食べられるドロップアイテム(食材)は脅威度が高いと美味しくなる傾向にあります。
必ずしも脅威度が高いほど良いドロップアイテムを落とす訳ではありませんの。
巨大蟹の場合だと中級のカニ、上級のカニという二種類のカニをドロップするらしいのです。
美味しいのは上級のカニですが、中級のカニの方がドロップしやすいそうですの。
脅威度Cのカニさんのモンスターがいれば、中級のカニをドロップして、脅威度Bのカニさんからも中級のカニをドロップするなんてことが起るんだとか。
脅威度Cと脅威度Bという脅威度の違いはあっても中級という同じランクのアイテムをドロップするんだとか。
カスミ:
あの大きなカニさんの爪って切り落とすと食べられますかね?
タイチ:
無理だね。
モンスターの部位を斬り落としてもその場には残らないんだ。
カスミ:
破壊された部分が消えてしまうってことですか?
タイチ:
ああ。そうだ。
そこまでしてモンスターを食べたいのか?
カスミ:
元の世界でも食べられているような食材なら食べてみたいなと思います。
ドロップアイテムのような高価な食材なんて一度は口にしてみたいです。
お肉のようにドロップアイテムの中で食べることが出来る食材は下級、中級、上級とランク分けされています。
上級ランクに分類されるお肉はとにかく貴重で凄く高価です。一度は食べてみたいと思う憧れの物です。
上級ランクの食材は、王都ぐらいの規模の大きな都市じゃないと購入することも食べることも出来ませんの。
庶民である私には動物のお肉が基本で何かのお祝いなど食事を豪華にしたい時に下級のお肉を食べます。
ヤマギワ村のような田舎の村だと中級ランクの食材を食べる機会なんて殆どありません。領都まで出掛けないと中級ランクも食べられないのです。
ここまで貴重で高価なのは、モンスターからドロップする食材だからです。動物のお肉の方が圧倒的に流通している量が多いですからね。
巨大蟹をサクっと倒して次の深層へと向かいます。
余談ですが、やけに大きなカニさんだなと思っていましたが、ドロップした魔石から脅威度B+のモンスターだったことが判明しましたの。
倒した巨大蟹はレア個体で脅威度が上がっていたようですね。
本来の巨大蟹の通常個体は脅威度Bですから脅威度B+になるほどの巨体だったのですね。それなら納得ですの。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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