第192話 下層 五十七階層~六十階層
下層後半三日目
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は五十七階層から六十階層の安全地帯まで進むことです。
五十七階層、五十八階層、五十九階層の三つの階層を終えれば安全地帯で休んで次の日は下層の階層ボスに挑戦なのです。
五十四階層~五十六階層にあったオアシスが大量にある状態ではありませんでした。
昨日のオアシスは意外とカートの進路を邪魔してたので今日はオアシスがなくて良かったです。
砂漠エリアも無事に五十九階層まで辿り着ければ今日でお終いですが、パルチ山のランクSって環境変化型のダンジョンと言うわりにはそうではなかったように思いました。
砂嵐とか急に夜になるとか昼間なのに夜の砂漠と同じような寒くなるとかを想像しておりましたが、今の所ではオアシスが急に増えて、オアシスからウォーターウォーターに攻撃されたぐらいしか記憶になりません。
上層の洞窟エリアも環境が変化した形跡も分かりませんでした。
ただの通路のような洞窟を進んだだけでしたし、中層の遺跡も試練という名のパズルに挑戦しただけですしね。
私が思ってたような環境変化では無かったと思いましたの。
ただ、私の知らない所では大変な環境変化なのかもしれない点は知り様がありませんからね。
カスミ:
アイスが食べたくなるぐらいに暑くなりましたね。
賢者アレク:
氷の魔法でも使おうか?
タイチ:
アレク。それは違うな。
それにしても五十七階層になってから急に暑くなったと思うのは分かる。
カートの温度調節が機能しないなんてあり得ないからな。
カスミがアイスを食べたいという気持ちも分かるけどな。
そうなのです。外の気温処かカートに乗ってても暑いと感じるぐらい凄く暑いのです。
これまで砂漠の暑さを感じることが無かったカートでの移動で五十七階層になってから暑さを感じるようになったのです。
夏の暑さより厳しい暑さですが、カートで無理矢理にでも進んでしまおうと思います。
カスミ:
魔王ガリア様。
もっとスピードを上げることは出来ませんか?
魔王ガリア:
それは無理な相談だ。
ダンジョン由来の仕様かランクSの仕様か分からないが、どんなに急いでも下層は三時間かかる。
三時間を超えるとその時間になるが三時間以内で攻略は諦めてくれ。
そうでした。そうでした。すっかり忘れていましたの。
どんなに急ごうと三時間未満で下層の階層を攻略することは出来ませんでしたの。
この暑さを何とかしなければならないと思いました。ここは環境変化型のダンジョンですから油断は出来ませんもの。
今は我慢出来そうな暑さですが、いつまでも続いてしまうといずれ私はバテてしまうかもしれませんからね。
五十九階層まで進んで来ました。暑さの方は相変わらずです。
どちらかと言えば五十七階層に居た時よりも暑くなったように感じます。
この五十九階層さえクリアしてしまえば暑さに我慢しなくても済むと思うと気が楽になります。
六十階層は階層ボスの部屋がありますし、その次は下層ではなく深層ですからね。下層から深層へ変わってしまえば砂漠の暑さに苦しめられることも無くなるのです。
聖女アンズ:
カスミ。危ないですわ。
【拒絶結界】
既視感のある何処かで体験したことのある聖女アンズ様による緊急避難ですの。
私が油断している所を狙って来ては聖女アンズ様に助けられています。
砂漠の地面の中にいる何者かによって攻撃されたなのです。
その正体はサンドサンドという砂漠の砂の中に生息するお魚さんのモンスターでした。
砂漠の砂の中に生息出来るのに魚類っていうのはツッコまないで欲しいのです。
この世界のモンスターは元の世界のような生態系? 生活圏内が異なっているからですの。
お魚さんのモンスターだからと言って、空を飛ばないとは限らないですし、水の中に生息する鳥さんのモスターもいます。
お魚さんは水の中で生活し、鳥さんは地面や空を飛ぶものという固定概念は捨てなければならないのです。
私はまだ見たことがありませんが、お魚さんに人の足だけが生えたモンスターがいるそうです。敵に襲われると人が走って逃げるのと同じように走って逃げるんだとか。
空気中だから肺呼吸だとか水中だからエラ呼吸だとかモンスターに分類されてしまえば関係ないの。
お馬さんが空を飛べばベガサス? (翼があるのから違う?)、お馬さんが海の中で走れば海馬というモンスターとか元の世界には存在しない動物のようなモンスターもいるのです。
だから、砂漠な中にお魚さんのモンスターが生息していてもおかしくはありませんの。
五十六階層で遭遇したウォーターウォーターは透明で水中に生息するモンスターでしたが、このサンドサンドは砂漠なような地面と同じ体色で地中に潜んで攻撃する鉄砲魚のモンスターです。
ウォーターウォーターとサンドサンドは鉄砲魚のモンスターですが、土中と水中という生息地の違いでしかありませんが似た感じのモンスターなのです。
サンドサンドは肉食のモンスターでサボテン系のモンスターであるサボッテンやサボテルなどの天敵ですの。
サンドサンドはサボテンが大好物で砂漠の中からサボテンを攻撃し、破壊した所から食べて行くんだそうです。
お魚さんがサボテンを食べる光景は想像出来ませんが、サンゴを食べるお魚さんと似たような感じなのでしょうね。
周囲から攻撃されていることからサンドサンドが一体だけではないことがは分かります。
砂漠と同色なので見つけるのは大変ですが、似た体験をしているので問題ありません。
カスミ:
【迅r・・・
タイチ:
カスミ。ストップだ。
カスミ:
どうして止めたのです?
スキルで纏めて倒した方が簡単じゃないですか。
タイチ:
あそこを見てみろ。
安全地帯にいる冒険者がこちらの様子を伺っているぞ。
おそらく、カスミの到着予定時刻になったから出迎えと思うが・・・
カスミ:
まぁ、そうですよね。
そろそろ予定の九時間となろうとしていますからね。
出迎えという名の様子見に六十階層から上がって来てもおかしくありませんね。
私はアイテムポーチから剣神ジョア様から借りている刀剣を取り出します。
気配察知のスキルを使えばサンドサンドのが隠れていようと位置は丸見えです。
えっ? どうして気配察知を使って移動していないのかって?
気配察知のスキルを使うとたくさんの情報が頭の中に入って来ます。この感覚が凄く苦手で常時は使えないですし、長時間スキルを発動されるもの避けたいのです。
気持ち悪くなってしまいますから私には合わないのかも。
サンドサンドを倒したので魔石を回収して安全地帯へ行って今日は休もうと思います。
安全地帯にいる魔性の微笑みの方と情報交換は明日にしようと思う今日このごろです。
それでは、おやすみさないmm
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




