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少女リックと月夜より現れし者  作者: はなさき
第二章 大切な人のために
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十二話 大きな決意

 リック、サン、ランスがイアンの場所に戻ると、リックは驚きのあまり立ち尽くしていた。その理由は居ないはずの人物が居たからだ。

「ジャック、どうして此処にいるの? パンプちゃんは?」

 リックは大きな混乱をしていた。幼い頃、仲の良かったジャックがいて、今のパートナーである南瓜のお化けのパンプは辺りを見渡しても居ないからだ。ジャックはリックを見て、落ち着かせた。リックは余計に混乱した。その二人を見かねて、イアンがジャックの背を小突いた。ちゃんと説明するようにと前押しするように。それでもジャックは黙っている。

「ちゃんと話したほうがいい。リックは分かってくれる」

 イアンの言葉にジャックは覚悟を決めた。

「僕は、イアンが居なくなってから、悲しむリックを見てどうすればいいか考えたんだ。それで、悲しまなくて済むように、なるべく楽しく居られるように、パンプに為ることを決めたんだ」

 ジャックはやっと話し始めた。だが、リックにはジャックの言葉が理解出来なかった。俯いて小さな声で何かを呟いている。

「……そんな、そんなこと、して欲しいなんて頼んでない! 居なくなるほうが嫌だよ! ジャックもイアンと同じだよ」

 顔を上げたリックの目からは涙が溢れていた。リックはイアンでもジャックでもなく、サンに歩み寄り、縋りついた。サンはリックが叫んだ二人の方を見て、寂しげな表情をした。サンは自分より小さいリックを抱き締め頭を撫でた。イアンとジャックが居なくなってからリックを見守ってきたサン。サンは涙を拭うリックの手を取り、外に出た。その後にランスもついていった。二人を残し、三人は少しばかり歩いた。さっきの敵の事もあり、警戒しながら。


「ランスはどう思うよ?」

 サンは後ろを歩いていたランスにそれとなく問い掛ける。ランスは二人の背を見つめながら、不意に立ち止まった。

「皆、勝手だ。二人もだ」

「は?」

 リックとサンは振り返り、サンは思わず声を出した。ランスは厳しい顔をした。

「俺は勝手でもいい。だけど、リックは違うだろ」

 その言葉にリックは表情を変え、サンに視線を向けた。サンはリックが思ってるほど恐い顔をしていた。

「私、勝手だよ。任務の為に外に出たのに、イアンに会ったら報告そっちのけだもん。イアンは本部に戻りたくないと思っても、私連れて行きたいし、必ず連れていく。だから、お願い。イアンと二人で行かせてほしい」

 リックは真剣な眼差しで二人を見た。二人は驚き、お互い見合った。突然の頼みに戸惑う二人。二人はリックを探し連れて帰るつもりで来た。だが、途中で居なくなっていたイアンに会い、生きていると知った。リックは連れて帰りたい、と。連れて帰れば、イアンは殺されるかもしれない。それを知っていても、リックの真剣な表情に二人は悩まされた。リックは二人の言葉を待った。


 不意にランスは目を閉じた。目を開けて溜め息を一つ吐いた。

「兄さんを、頼む」

 たった一言発して一人歩き出した。リックはランスの背を見つめていた。突然の事でぼっとしていたサンは慌ててランスを追いかけようと早足になる。

「ちょっと待てよ。怪我して体調崩してるんだろ。リック独り残すのは無責任すぎじゃないのか」

「あ、そうか」

 サンの言葉でランスは負傷している兄を思い出した。リックに振り向き、表情を変える。それから、リックに歩み寄った。

「イアンと行く所があるんだろう? 兄さんの怪我が治ったら、俺たちは本部に戻る。リックは見つからなかったと報告するから、終わったら兄さんと帰ってこい。ジャックを連れていくかは任せる。それでいい?」

 リックに向けて口にすると、サンに話を振った。サンは反対せず、相槌を打った。

「有難う。必ず連れて帰るから」

 約束するように、リックは誓った。ランスは何も云わず、リックを優しく撫でた。それから三人は散歩をしながら、イアンとジャックの元へと向かった。

次回は、今まで登場したキャラ紹介を載せようかと考えています。

次話分は更新出来たらします。

良ければ、ブックマーク、感想、アドバイス待っています。今後とも宜しくお願いします。

では


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