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「リンファはそれで良いの?後悔はしない?」
イオンの言葉にリンファは目を伏せた。
後悔するに決まっているのだ。それも、一生後悔し続ける。
イオンはリンファの背中を押してくれたのだった。
リンファは彼女が消えた場所に目をやる。彼女は今、一つの可能性に賭けていた。
(イオンを信じよう)
彼は言ったのだ。見失った辺りは本来ならば、見失う事自体が有り得なかった。それならば、魔法が絡んでいるかもしれないと。
本当にそうなら、リンファに手立ては無い。だが、彼女には助けがあった。共に逃亡生活をしてくれているイオンが居る。魔法が使える彼なら頼りになる筈だ。
(本当にもう一度現れるのだろうか・・・)
イオンはリンファが見た事が本当なら、もう一度現れるという。信じると決めたが、やはり不安だった。
彼が言うには、魔法にも制限があるらしい。使えない人は何でも出来ると思う者が多い。
しかし、真実は違う。
例えば、長い距離を移動するには多くの力と時間が必要になる。長ければ長い程難しくなるのだ。
だから、魔法での移動は基本短距離。イオンが王宮から出るのに使った時の距離でさえ、人によっては無理なのだとか。ちんくしゃとはいえ、召喚獣を持つイオンだからこそ、他者と共に移動出来たのだろうとリンファは思っている。
そして、今回の魔法が何なのかであるが・・・彼が言うには簡単な姿くらまし。つまりは消えただけらしい。
それのどこが簡単なのか、彼女には分からなかったが。
この魔法は消えている間は動けない。しかも、視界も消える為、周囲の確認も出来ない。つまり、周囲の確認、もしくは移動の為に姿を現す。
リンファはその言葉を信じている。
しかし、不安だった。
不安だったのだ。その時までは。
「あ!」
リンファの見る景色が歪んだ。そして、そこから現れたのは・・・
「ロヴァーナ」
確かに、リンファの妹だった。
面影の女 完




