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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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最終話未来へ

道男と秀平と洋子が保大を卒業して10年後。秀平と洋子の間には二人の子供が生まれ、道男は三等海上保安監、秀平は二等海上保安監に出世をした。洋子は二人目の子供を出産した段階で、海保を離職。今はスーパーのパートに出ている。

洋子曰く、子供との時間を大切にしたいんだとか。秀平は折角保大を出て幹部保安官になったのに、もったいないと何度も洋子を引き留めたが、洋子は聞く耳を持たないでいた。そんな洋子にはある野望があった。

それは海保にいては絶対に叶わない事であった。1966年に保大卒業者に大学院入学資格が付与される様になったので、洋子はそれを活用して、日大大学院に進学。育児と学業の二刀流で4年間通い、日大大学院経済学博士課程を修了。子供も大きくなって来たので空き時間にと一念発起。政治家になる事を決めた。

「いきなり大丈夫かよ?」

「大丈夫よ。何の為に大学院行ったと思っているの?」

「選挙の半分は学歴で決まっているっておばあちゃん言ってたし。」

「いや、人柄だろ?」

「いきなりだけどおばあちゃんの地盤がある神奈川2区の衆議院補欠選挙に出馬しようと思うんだけど?」

「お金あるの?選挙資金必須だろ?」

「おばあちゃんの遺産あるし。」

「その為にスーパーでパートしてたのよ?」

「おばあちゃんの遺産は手をつけるなよ?」

「お金は使う為にあるのよ?」

「それはまぁ、良いとしてどこかの政党の推薦は貰えたの?」

「うん。由民党と明光党から公認してもらえたよ。」

「そっか、与党のお墨付きか。当選確実だね。」

「議員になれたらね、海保長官になるのが私の野望なの。」

「へぇー。おばあちゃんと同じ道を歩むのか。」

そして選挙の結果見事当選した。それから1年後第二次岸部改造内閣で遂に洋子は海上保安庁長官になった。選挙公約は海保人員の増加や、海保隊員の処遇改善。とにかく徹底した海保改革を掲げて当選した。

その間に秀平は次長・海上保安監に就任。夫婦で海上保安官のNo.1とNo.2を担うと言う稀な状況が発生していた。そんな施策もかない海保の予算は3倍に、人員は2万人を突破していた。SSTにもその波は波及して、人員は1000人にまで増加していた。

それから数年後。神秀平と洋子の長男洋平と長女秀子は、一般4年制大学に進学。青春を謳歌したのち、国家公務員第一種試験にそれぞれ合格。霞ヶ関の官僚になった。本来なら海保隊員になるのを願っていたが、秀平や洋子の親のエゴか…。洋平も秀子もそれぞれの未来へ向かって歩き出したのである。それを見守ってやるのが良い親と言うものだろう。

洋子は正直子息がキャリア官僚になるのを反対していたが、あえてその茨の道を望むならと、あえて何も言わなかった。洋子は10年間海上保安庁長官を務め、秀平も次長・海上保安監として妻を支えた。

「時代変わってくれたかな?」

「じっちゃんの頃に比べれば相当良くなったよ。」

「おばあちゃんも喜んでくれるかな?」

「さぁな。」

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