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レティシア公爵令嬢は誰の手を取るのか  作者: 宮崎世絆
学園編

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12 皆んなと楽しい食事会だよ

 食堂の前にやって来ると、レテアが一人で壁側に立っていた。

 同じワンピースを着ていて、ソレイユに気が付いたレテアは笑顔を浮かべた。


「レテア、早いね」

「はい。皆さんとの食事がとても楽しみで、早めに来てしまいました」

「私もだよ。後ね、夕食の料理がどんなのかもすっごく楽しみにしてるんだ」

「まあ、フフ。ソレイユは食いしん坊さんですね」

「だって、昼食美味しかったし」


 レテアと楽しく談笑していると、少ししてセレーネとミモザが到着し、その後アナスタシアも到着した。

 皆、同じワンピースの出で立ちだった。



「それじゃあ、皆んな揃った事だし。早速入ろっか」



 早めに来たので直ぐにウエイトレスに席を案内される。夕食の簡単な説明があり、皆は先ず夕食を取りに行くことにした。


 やはり前世のホテルビュッフェに引けを取らないクオリティー。美味しそうな料理がズラリと並んでいる。


 夕食はビュッフェスタイルなので、好きな料理をチョイスしていく。


 昼食をガッツリ食べたので、夕食はサラダを多めにして健康管理には気を配る。


(もし暴飲暴食を繰り返して、レティシアの姿に戻った時。おデ…ふくよかになってたら、やだもん。お肌が荒れたり吹き出物が出来ないように、ビタミンやミネラルもしっかり摂るべし!)


 まずは夕食を食べることに集中する。食事中もたわいもない雑談を交えつつ、食後のデザートを選ぶ頃には皆の会話が弾んできた。



「そう言えば。魔力測定でのソレイユさんの水魔法は素晴らしかったですね。まさか的を貫通させるなんて」


「えっとセレーネさん、私のことはソレイユでいいよ。ミモザさんやアナスタシアさんもね」

「では、ソレイユと呼ばせて頂きますね。私もセレーネとお呼び下さい」

「私も、ミモザと呼んでくださいね」

「フン、好きに呼びなさい。別にアナスタシア様でも良くってよ」


「じゃあ、セレーネ、ミモザ、アナスタシア、改めてよろしく。……で、何だったっけ。あー……魔力測定の的、の件ね……。あ、あれ多分私の魔法が凄いんじゃなくて、的の耐久性に問題があったんだと思うよ。だってほら、最後だった私の番まで一度も的を交換して無かったじゃない? 

それに、男子生徒の試験で過去最高の数値が出たって言ってたし。もし男子生徒の試験後も的の交換はして無かったとしたら? それなら流石に負荷がかかり過ぎてるよ。壊れても仕方ないんじゃないかな?」


(そう、私は一般人です。モブ、オブザ、モブです。チートなんてしてません)


 平常心を装い紅茶を飲む。


「成程そうね。でも……。あの的は特注品で破壊不可だと聞き及んでいたのだけど。まあ、私の勘違いだったのかもしれないわ、ね?」


 その言葉に、口に含んだ紅茶を吹き出しそうになったが何とか堪えた。


「……ソウダヨ、キットカンチガイダヨー」


 片言に返答したソレイユを流し目で見つめるアナスタシアに「ハハハー……」と乾いた笑い声で返した。


「過去最高の数値ともなれば、かなりの威力でしょうね。そんな凄い魔法を放ったのは一体どの方なのでしょう? 気になります」

「やはり、首席のナハトさんでしょうか? 男子生徒のどなたかにお聞きしたら、教えて頂けるかもしれませんね」


 レテアも気になるようだ。


「そうですね。……ふふ。多分ステイルさんなら、直ぐに教えていただけそうですね」

「確かに!」


 ミモザの言葉にソレイユは即答し、皆もその通りと言わんばかりに頷いた。


「ステイルさんは女性への関心が強すぎる気がするわね。軽率な行動を起こさなければ良いけれど」

「軽率な感じは……確かにしましたわ」


 アナスタシアとミモザは今のところステイルの好感度は低そうだ。


「そう言えば、ステイルさんとお話しされていたヴェヌスさんは、少しやんちゃな方だなと思いました。何だか……幼さがあるような。そんな印象でした」

「ああ分かる! 何だか弟みたいだなって思ったよ」

「私も……年下の方のようには感じました。けれど、朗らかで優しそうな方でしたね」


 ヴェヌスへの好感度は、セレーネは少し低め。レテアはそれ程低くないようだ。


「一番第一印象が良かったのは、やっぱりナハト君かなぁ? 何せ首席だし、自己紹介も丁寧だったし」

「一番印象が良いのはナハトさんで間違いないでしょうよ」

「自己紹介もですが、ナハトさんの代表挨拶も立派だと思いました」

「私も一番紳士的な方だと思いますわ」

「ナハトさんのような文武両道な方はやはり憧れますね」


 満場一致でナハトの好感度は一番高いようだ。


「あ、皆んな。レグルス先生はどう思った? 淡々としてたけど、クールでカッコ良いって感じしなかった!?」

「あら、そうだったかしら? あの方、先生にしては若すぎるのではない? 私の見立てでは、まだまだ若輩者な感じがしたわよ?」

「私もお若い先生だと思いましたわ。けれど、ロアさんに対する手腕は素晴らしかったです」

「確かに。レグルス先生は光魔法を巧みに発動されてましたね。ロアさんの闇魔法もそうですが、どちらも珍しい属性ですから。この目でお二人の魔法を拝見出来たのは、幸運でした」

「……ロアさんの闇魔法は、少し…怖かったですけど……」

「レテア、心配しないで! もしロアに絡まれたら、私が助けてあげるからね! あんな闇魔法、また握り潰したら良いだけだし!!」


「ソレイユ……。あれは、貴方にしか出来ない芸当よ」




 こうして和気藹々と時間が過ぎていき、雑談の頃合いを見計らって楽しい食事会はお開きとなった。


 皆んなと結構打ち解けたのではないだろうか。会話も弾んで、とても楽しい食事会だった。



(ああ……青春、万歳……!!)

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