エドワードのプロローグ
はぁ〜。
さっすが守備の堅い国。
そう簡単に弱みは握らせてもらえないか〜。
1番手っ取り早いのは、王女を陥落させることだけど、今の俺の身分じゃあな。
お?
女発見。
あいつ落として情報引き出すかぁ。
いくら男の格好してても、ちょっとした動作が女なんだよな〜。
「すみませ〜ん」
声をかけると、なんだ?と少し不機嫌そうな返事が返ってきた。
「お願いがあるんですけど〜」
そう言って、正面に回ってみる。
「あ〜。
すみません、人違いでした〜」
そこには、イケメンが立っていたのだ。
腰まである混じり気なしの金髪。
若葉のように美しい緑金色の瞳。
切れ長の目、高い鼻、引き締まった赤い唇。
身長は175センチくらいか?
冷酷に見えるほど整った美貌は、女性かと聞いたら、腰に提げている剣で斬りつけてきそうだ。
この滲み出るカリスマ性は、男が惚れる男!って感じ。
この圧倒的なオーラに当てられ、俺は、頭で考えることなく言葉を発してしまった。
「あの、少し協力してほしいことがあるんですけどーー」
イケメンさんは、少し眉を顰め、先を促すようにこちらに向き直ってくれた。
「密偵、手伝っていただけませんかね」
今思えば、俺は最初から、こいつに惹かれていたんだ。




