マリアンナのプロローグ
ゆっくりスピードですが、どうぞよろしくお願いします!
仮に、私が王子だったら、どんな人生を送っていたのだろう。
幼い頃から、天才だの、神童だのと言われてきた。だがそれは、私への本当の評価などではなく、王族に対する世辞であることくらいわかっている。
どれだけ努力し結果を出しても、色眼鏡を通してしか自分を見てくれない人がたくさんいる。弟すらそうであった。
今自分が結果を出すことは、将来のハードルを上げることに他ならない。それでも私は努力を続けるのだ。
私に必要なものは、王太子としての政治手腕、知識、王宮の古狸たちと渡り合えるだけの度胸と実力だけなのだ。
自分がいるのは、国を守り、民を守るためなのだと。私個人などどうでもよく、努力を怠れば、すぐに捨てられてしまうのだと。
19のあの日まで、そう思っていた。
家族には愛されていたし、慕ってくれるやつらだっていた。
それでも私は、自分が嫌いだったのだ。
今は、素直に自分を大切にすることができる。
「姫さま〜、どこにいらっしゃいますか〜⁉︎」
「殿下〜!」
乳姉妹のエリーと乳母のアデル。私の侍女だ。
私は女だ。
それでも王太子として努力することができる。このアースバル王国は、男女差別をなくすため、現王であり、私の父でもあるフレデリック王が王家及び貴族家の跡継ぎは、性別、生まれた順に関係なく、その意思があり、優秀な者であると定めたからな。
私は今、女であることを誇りに思う。
どうか聞いてほしい。アースバル王国初の女王になる私の、人生で唯一となろう命をかけた恋物語を…。
マリアンナは、ちょっと後ろ向きちゃんです。




