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スパイ業
お久しぶりです。
このところ忙しくて、すみません>_<
マリアンナの話が終わると、エドワードは深くため息をついた。
「俺の国とは随分違うな」
「まあそうだろう。
この国の文書は包み隠さずだからな」
「エリボワの話では、パスカルが黒髪の乙女を攫い、魔法を強要したと伝わっている」
「そうか、で?
お前はどちらを信じるのだ?
アースバルの民としては、是非ともこちらの話しを信じてもらいたいものだがな」
彼女の話は事実だろう。
しかし、エリボワの人間として、信じたくない思いがあるのもまた、事実だった。
そんなエドワードの葛藤を見抜いたマリアンナは、フッと笑った。
「別に今答えを出さなくてもいいぞ。
それよりも、私と友達にならないか。
特典として、当時の王の手帳を盗む手伝いをしてやる」
「いいのか?
ばれたら殺されるぞ」
「命が惜しくて騎士ができるか。
それに、私も王族の血が入っているし、陛下のお気に入りだからな。
殺されはしない」
「わかった。
よろしく頼む。
俺のことはエドと呼べばいい」
「ああ。
こちらこそよろしく、エド。
私のことは好きなように呼べ」