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元プロゲーマー、VRで銃が当たらないので投げナイフだけで無双します。  作者: 那須 儒一
二章 フルパ編

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36話 交流戦②

——絶望が襲ってくる。

「くそ……届かないのか……」


敵を二人落とせたラウンドもあったが、

結局、圧倒的な実力差で押し込まれた。


……完全にこっちのヒーロー構成、立ち回りを読まれている。


それに、須藤……まさか、俺がアストラに所属していた頃のヒーローを使っているなんて。


あの頃の俺は、ルクスの機動力で敵の背後を取り、戦線を制圧してきた。


でも、銃を当てれない俺が……今さら使えるヒーローじゃない。


「みんな……ごめんっ……」


言葉が出てこない。

配信中だっていうのに……泣いたらダメだ!


「レイちゃん! レイちゃんならいけるよ!」

アカリちゃん……いや、舞ちゃんの声が響く。


「そうねぇ〜、ムラサキもぉ、やられっぱなしでムカついているのよねぇ」


「ムラサキ先輩……怖いっすよ……」


「レイ……私……次は負けないから……」

ユキノちゃんからも静かな決意が伝わってくる。


ルミナスイリア頑張れ!

やっぱ、プロは次元が違うな……

せめて1ラウンドは取ってくれ!

レイちゃんが負けたら、俺が代わりに仇を討つ!


コメントから声援が届く。


「お前ら……」


「そうだ……もう1ゲームある。みんな……弱気になってすまない。少し、作戦を聞いてくれ……」


俺は一か八かの賭けに出ることにした。


§


「さあ、ここで15分間のインターバルを挟みます。ミリアちゃん……1ゲーム目の感想はいかがでしょう?」


「いや~、やっぱりアストラは強いですね!」


「それはそうですが、試合を通しで見て、いかがでした?」


「うーん、1ラウンド目の白雪さん……普通に化け物だったわね。てか、スナイパーの弾丸ってレイピアで斬れるんだ……初めて知った……」


「そうですね。誰も試そうとしたことがないですし、そもそもサブのレイピア自体があまり使用されませんから」


「てか、反応速度どうなってんのよ……人間じゃないわ……」


「さて、続いてのマップは西洋風の白い民家が混在する、セラーノですね!

マップ自体は狭いですが、A/B/Cのスリーサイトあるのが特徴的です。

両チーム、ヒーロー選択からのスタートになります!」


「えっ……てか、同接が3万人まで増えてんじゃん!

みんなあ〜ミリアの可愛い顔を見て〜!」


「ミリアちゃん、今回、主役は選手たちだよ。

君はおまけなんだから大人しくしてなさい……」


「はいはい分かりましたってば……そんなんだから、黒田さんはモテないんですよ」


「はっ!? 今、そんなことは関係ないだろ!

俺だって——」


「はい、それでは〜試合開始(ジャックイン)!」

ミリアは、黒田の言葉を遮り、各チーム、初期地点に転送された。


§


「セラーノで攻撃側か……俺がAサイトを一人で守る。須藤すどう由里ゆりはB——

詩音しおんとおるはCを守ってくれ」


充が全体に指示を飛ばす。


「てか、充さん。そんなに、慎重になる必要あります? 適当に攻めて落とせますよ」


「おい、須藤、新人のくせに生意気なんだよ!

私は、泉以外のルクスなんて認めねぇからな!」

ボイスチャットに気の強い女性の声が飛ぶ。


「ちょっと、由里先輩……俺にはなんか当たり強くないっすか?」


「由里……須藤は俺が認めたルクス使いだ。

こいつ以外に泉の代わりは務まらん」


「……充さん……やっぱ、みんな……泉って奴がいいんですね。新参者の俺なんか……くそっ!」


「僕は、須藤くんを信頼しているよ。

詩音ちゃんもそうだろ?」


「えっ、私ですか?

そうですね。私は充先輩さえいたら、後のメンバーはどうでもいいですから。てか、充先輩っ!今度二人でご飯行きません?」


「おい、詩音! こんな時にイチャついてんじゃねえ!」


「由里先輩ってば、更年期ですかぁ?

泉先輩に捨てられたからって、私に八つ当たりはよくないと思いまーす!」


「由里……てめぇ、ぶち殺す!」


「まったく……お前らは少しは緊張感をもてないのか……ともかく、相手のグレイシャル——白雪って奴には気をつけろ。

たぶん、レジェンドクラスの実力はある。

それに、シガー使いの神宮寺とフロッグ使いの霧雨にも注意しろ」



「「了解!」」


充の言葉にチーム全員が声をそろえる。


§


「あの、紫髪の奴、私と同じシガー使いなんでしょ。強いって言っても私より弱いでしょ」


「詩音ちゃんの方が強いですよ!」


「うるさい。独り言なんだから、町崎くんは話しかけないでよ!」


「詩音ちゃん……充先輩以外にはホントに冷たいんだから……前、二人いるよ」


「見えてる……町崎くん、引き付けて!

私がスモークで撹乱して、落とすから」


アビリティ︰サイドストリーム


二本の煙草を詩音が投げる。

煙によって、射線が切られる。


「はいはーい」


アビリティ︰グレネード


町崎が二つのグレネードを投げ込み、相手の注意を引き、更に戦場を撹乱する。


詩音が遮蔽物を影にムラサキの横をとる。


「シガー使いなのに、スモークも張らずに棒立ちなんて……お粗末ね」

詩が、ムラサキの横を取りアサルトライフルを撃ち込んだ。


「まずは、一人目——」

次の瞬間――弾丸がすり抜けて分身が消えた……。


「はっ!? まさか、紫髪……シガーじゃなくてフロッグ――」


詩音のこめかみにハンドガンの銃口が突きつけられ、発砲!


青い光とともに詩音が落とされる。 


4VS5


「えっ、詩音ちゃん!」


町崎が詩音に目を取られた隙に、横からキララが突進してくる。


「げっ! ブレイカーのショルダータックルか……」


町崎はキララの突進に跳ね飛ばされる。


「ぐっ……」


キララは1秒の硬直を挟み、町崎も地面に転がる。


「体勢を立て直せば、僕ざ勝つ!」


1秒後――キララのウルト、トールハンマーが大地を揺らす。


「やばっ!」

小さい悲鳴とともに、町崎が衝撃波で落とされる。


3VS5


「Cサイト……状況はどうなっている?」


「紫髪……いや、神宮寺って奴が……」

詩音の伝令を須藤が遮る。


「Bサイトに霧雨がいる!

俺が、倒します」


「須藤、スキャンを入れた――霧雨はいったん遮蔽物に隠れたからその隙に詰めろ!」


「由里先輩……ナイスっす!」


須藤が詰めたタイミングで、

霧雨レイが、遮蔽物を乗り越え由里へ直進する。


「須藤っ、早く倒せ!」


由里が発砲し、再び霧雨レイは遮蔽物に姿を隠す。


アビリティ︰アクセラレート


須藤が加速して霧雨レイの背後を取る。


「霧雨――とどめだ!」


「須藤くん、待って……霧雨レイはフロッグじゃない!」

ボイスチャットに詩音の声が響く。


直後、霧雨レイの体が、光の如く加速する。

空中をひるがえり、加速していた須藤の背中に乗り、地面に押し倒す。


「バカな……まさか、こいつルクス……」


霧雨レイは、須藤の背中にサブマシンの銃口を押し当て、引き金を引いた。


「くそっ!」

須藤は青い光となって落とされた。


2VS5


「由里先輩……何してるんですか!」

町崎の声がボイスチャットで飛ぶ。


由里は銃を下ろし、霧雨レイを見つめる。


「そんな……加速しているルクスの背中に乗るなんて……お前……もしかして……泉……」


由里の声は霧雨レイには届かなかった。


レイは静かに由里へ歩み寄り――彼女を抱きしめた。


「泉……」

由里は目を閉じ、霧雨レイの背に手を伸ばそうとする。


直後、レイが、由里の脇腹に銃口を押し当て――発砲した。


1VS5


「……まったく、何をやっているだ」


充はため息をつき、目の前の白銀の少女を見据える。


彼女はレイピアを抜き、突進してくる。


「白雪……いい度胸だ」


充は引き金を引いた。

閃光が駆け――白雪ユキノは再び弾丸を斬り裂く。


「こんな、高揚――泉以来だ!」


二人の距離は20m。


更に一発――白雪はレイピアの先端で弾丸を跳ね飛ばす。


――10m。


「その、鋭い目――覚えておこう」


アビリティ︰クロー


充の左手から鈎爪のフックが飛び、白雪ユキノを掴み引き寄せる。


ユキノが反応して、勢いままにレイピアを構えるが、充の銃弾が1手速く、ユキノの頭を撃ち抜いた。


1VS4


充がスナイパーのコッキングを手早く行う。


その隙に物陰から犬柴アカリが、銃を構えて飛び出した。


「惜しかったな……」

充はそれだけ、言うと犬柴アカリにスナイパーの銃口を向けた。


充が引き金に手をかける。


――同時に、犬柴アカリがつまずいた。


充の弾丸が犬柴アカリの胴体をかすめる。


「ちっ……運に救われたか……」

充はすぐさまハンドガンに切り替える。

足元に倒れた犬柴アカリに銃口を向けた。


ハンドガンが放たれたと同時に、

光が立ち上る。


「まさか、セラの蘇生ウルトか!」


充が光に銃口を向けるが、レイピアが伸び、素早い刺突が無数に放たれる。


「ふっ、見事だ……」

充は青い光となって消えた。


2ゲーム目の初ラウンドはルミナスイリアが先取した。

§ヒーロー§

基本耐久値100

アバター作成できるため、

外見からヒーローの判別はできない。

近接攻撃不可。特定のヒーローのみ例外あり。


【フロッグ】 霧雨レイ

ラーク特化のキャラ。

機動力と隠密で敵の懐に入るのが基本的な立ち回り。撃ち合いには不向き。

ランク使用率最下位で1%未満。


パッシブ︰サイレントステップ

移動時の足音を大幅に軽減。機動力も上がる。

常時発動。


アビリティ︰ドッペルゲンガー

分身を二体までだす。簡単な行動パターンなら動かすことができる。

リキャスト20秒。


ウルト︰グランドエスケープ

マップの選択した地点まで大ジャンプをする。

壁の高さによっては乗り越えられる。

飛べる距離に制限あり。

毎ラウンド1回使用可能。


メイン︰ハンドガン

小回りが利き、機動力にボーナスがつく。


サブ︰投げナイフ✕二本

ヒットすれば、一撃必殺。

ただし、再使用には投げナイフを回収する必要あり。


【セラ】 犬柴アカリ

回復を得意としたヒーラー。

チームのバイタルを支える衛生兵。


パッシブ︰セルアクセラレート

時間経過とともに微量に自身の耐久値を回復していく。1/S(秒)回復。


アビリティ︰ニューイヤーギフト

ボールを投げ、当たったヒーローの耐久値を50回復させる。

ただし、敵に当たった場合、敵を回復する。

リキャスト30秒。


ウルト︰リインカーネーション

仲間のヒーローを蘇生させる。

ただし、死亡した場所に手を置く必要がある。

1ゲームで一度のみ使用可能。


メイン︰サブマシンガン

小回りの利く銃。近〜中距離での戦闘向き。


サブ︰ハンドガン


【シガー】 神宮寺ムラサキ 二宮詩音

煙幕を使い、場を撹乱する。

射線を潰したり、地点を確保する際の足掛けとなる。


パッシブ︰ヘビースモーカー

サイドストリーム内に入ると、5秒間、

機動力が1.2倍になる。


アビリティ︰サイドストリーム

タバコを投げ、煙幕を貼る。

リキャスト20秒。


ウルト︰スモーキングハイ

機動力1.2倍、パッシブと併用可。

耐久力100→120。

2ラウンド毎に使用可能。

使用した次のラウンドは使用不可となる。


メイン︰アサルトライフル

安定した撃ち合いができる小銃。

これ一本あれば、どんな状況にも対応できる万能武器。


サブ︰ハンドガン


【ブレイカー】 羽袖キララ

エントリーヒーロー。

継続戦闘に優れており、前線維持や前線突破の役割りを担うことが多い。


パッシブ︰マッスルボディ

耐久値が常時100→120になる。


アビリティ︰ショルダータックル

肩を突き出し突進する。突進中は無敵になるが、一直線にしか、進めない。

ダメージ20。

使用後に一秒硬直がある。

毎ラウンド1回使用可能。


ウルト︰アースクエイク

地面にトールハンマーを打ち付け、半径10メートルに衝撃波を放つ。

ダメージ100

壁貫通する。1ゲームに一度のみ使用可能。


メイン︰アサルトライフル


サブ︰サブマシンガン


【グレイシャル】 白雪ユキノ 

ラークヒーロー。

パッシブにより、近接での撃ち合いも強く、近接武器を所持している。

アビリティで壁や足場の作成が可能。

ボム設置に有利なヒーローでもある。


パッシブ︰スノウカーテン

粉雪をまとい、自身の位置を誤認させる。

射撃時ミニマップに映らない。

敵視点で狙った位置と実際の位置にズレが生じる。体感的にはラグのように感じる。


アビリティ︰アイシクル

半径2メートルの巨大な氷柱を落とす。

ダメージ20、直接ヒットすることはまずない。

氷柱は壊されるまで存在し続ける。

耐久値300

足場や壁として活用できる。

毎ラウンド1回使用可能。


ウルト︰スノーバイト

氷の狼を走らせる。噛まれると爆ぜる。

ダメージ50

ヒット時は5秒間敵の視覚が遮断される。

素早いが、射撃で簡単に壊れる。

2ラウンドに一度使用可能。

使用後は次のラウンドは使用不可になる。


メイン︰サブマシンガン


サブ︰レイピア(近接武器)

射程距離1m

ダメージ50



【ルクス】 須藤修平

光と重力操作を軸に、

突破するエントリーヒーロー。


パッシブ︰ライトウェイト

ジャンプ力が1.5倍になる。

 

アビリティ︰アクセラレート

慣性を無視して任意の方向に加速する。

リキャスト20秒


ウルト︰ビックバン

巨大な閃光弾が上空に爆ぜる。

ただし、目を閉じれば回避可能。

直視した場合は5秒間視界が真っ白になる。

敵味方に当たる。

2ゲームに一度使用可能。

使用した次のラウンドは使用不可。


武器

メイン︰サブマシン


サブ︰ハンドガン


【ホーク】 片桐充

狙撃に特化したヒーロー。


パッシブ︰ホークアイ

スコープ越しに敵がハイライトされる。


アビリティ︰クロー

壁や地面に鈎爪を打ち込み移動する。

ヒーローに打ち込んだ場合、引き寄せることができる。


ウルト︰キラーレッド

ダメージ100

三秒間――壁が透過し、壁貫通する弾丸を一発放つ。ただし、敵には射線が赤い線となって見える。

三秒以内に射撃しなかった場合は、透過は終了して、通常のスナイパー弾に戻る。

1ゲームに1度のみ使用可能。


武器

メイン︰スナイパー


サブ︰ハンドガン


【ボマー】 町崎透

爆弾のスペシャリスト。


パッシブ︰デクスタリティ

ボム設置が5秒間→2秒になる。

武器の切り替え速度、リロード速度が2倍になる。


アビリティ︰グレネード

グレネードを投擲する。2個までストック可能。

ダメージ50 半径20m。

起爆時間5秒。手元で溜めて起爆時間を調整できる。

同士討ち《フレンドリーファイア》判定あり。

リキャスト20秒。


ウルト︰メテオグレネード

グレネードランチャーでグレネードの雨を降らす。

50ダメージ✕10個。半径10m。

着弾時に爆発する。

1ゲーム一度のみ使用可能。

同士討ち《フレンドリーファイア》判定あり。


武器

メイン︰アサルトライフル


サブ︰ハンドガン


【ストーカー】坂本由里

索敵スキルにより、敵の位置を割り出す。


パッシブ:トレース

敵の足跡が見える。

ただし、10秒前までしか辿れない。


アビリティ︰スキャンボール

電気機器の玉を投げる、半径50m以内の敵をハイライトする。

ハイライトは仲間全員に共有される。

1ラウンド一度のみ使用可能。


ウルト︰ショウダウン

敵プレイヤーからランダムに選ばれた一人の位置がハイライトされ、壁越しで位置が見える。

ただし、同様に相手からも自分の位置がハイライトで見える。

毎ラウンド、一度だけ使用可能。


武器

メイン︰サブマシンガン


サブ︰ハンドガン


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めっちゃ面白いです更新頑張ってください。
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