レミィンダティナ
「 デモナさんが教えてくれたけど、パンダさんの刺繍とかマスコットとか寄附されてて、展示されてるんだよね?
何処で見れるのかな? 」
セフィ
「 エイミ、あの奥みたいですよ。
上に “ 展示室 ” のプレートが付いています 」
エイミ
「 本当だぁ!
早速、見に行こう♪ 」
セフィ
「 はい♥️ 」
セフィの手を引ひっ張ぱって[ 展示室 ]に入はいる。
──*──*──*── 展示室
中なかでは、手巾ハンカチの刺繍,手て作づくりのマスコットだけじゃなくて、クッション,エプロン,巾きん着ちゃく,トートバッグ,ヌイグルミも展示されている。
レミィンダティナ
「 わぁ~~。
300年も前まえから色いろ々いろと作ってたんだね。
トートバッグなんて何なん種しゅ類るいも有るよ!
手巾ハンカチや巾きん着ちゃくにはパンダさんの刺繍がされてるね。
動物とか花の刺繍も有るね~~ 」
セフィ
「 色いろが変へん色しょくしているのが残念ですね 」
レミィンダティナ
「 300年も経たってたら仕方無いよね……。
余生を過ごす歳としになる迄、“ 聖女様 ” として頑張ってたのかな…… 」
セフィ
「 エイミ、聖女が使用していた裁縫道具も展示されていますよ。
私し物ぶつも展示されていますね 」
レミィンダティナ
「 本ほん当とだね。
聖女が着用していた衣装も有るね 」
流さす石がに下した着ぎ類るいの展示してないみたい。
一寸ちょっとだけホッとした。
展示されている聖女の私し物ぶつを見ていたら、とんでもない物ブツを発見した!
アタシが1番欲しいと思っていたスマホスマートフォンだ!
やっぱり、聖女は日本人だ!
レミィンダティナ
「 聖せい具ぐぅ~~??
スマホスマートフォンが聖せい具ぐって…どゆこと?? 」
セフィ
「 すまほ…とは何なんですか、エイミ 」
レミィンダティナ
「 あ~~とね、便利な通信道具かな?
離れた場所に居いる人と話せたり、手紙を送れたりする……みたいな? 」
セフィ
「 それは凄いですね。
魔法具,魔道具,魔術具にも、それ程ほど便利な道具は無いですよ 」
レミィンダティナ
「 相手も同じスマホスマートフォンを持ってないと意味無いけどね。
300年も経たってるから充電、切れちゃってるだろうな……。
バッテリーも劣化してるかも知れないし…… 」
セフィ
「 じゅうでん?? 」
レミィンダティナ
「 えっとね、溜め込んだ電気で動くんだよ。
バッテリーが生いきてれば使えると思うんだけど…… 」
セフィ
「 ばってりぃ…ですか?? 」
レミィンダティナ
「 構造に関しては、アタシも詳しく知らないの。
まさか≪ フィッツ村 ≫でスマホスマートフォンを見る事になるなんて思わなかったよ 」
セフィ
「 欲しいですか? 」
レミィンダティナ
「 そりゃ欲しいけど……でも、人ひと様さまのスマホスマートフォンだらかね……。
ロックも掛かってるだろうし?
別に無くても……ねぇ? 」
スマホスマートフォンを持っててもロックの解除が出来ないと写メも取れないだろうし……。
バッテリーの問題も有るし、充電が出来ないと使えないし……。
喉から手が出でる程ほど、欲しいけどね!!
レミィンダティナ
「 《 孤児院 》に行こっか。
聖女様が描かいた絵が飾られてるんだよね? 」
セフィ
「 行きましょう 」
名な残ごり惜おしいけど、スマホスマートフォンとサヨナラして、後ろ髪を引かれる思いで《 教会 》を後あとにした。
──*──*──*── 孤児院
レミィンダティナ
「 …………一寸ちょっと廃れてるね。
300年も経ってるし、しょうがないのかな? 」
セフィ
「 自由に入はいれるみたいですね 」
レミィンダティナ
「 誰も暮らしてないのかな? 」
《 孤児院 》の中なかに入はいると直すぐに壁に掛けられた絵えが視界に入はいる。
パンダさんの絵だ。
レミィンダティナ
「 ……………………何なんでパンダさんがグローブを付けてるの?? 」
他ほかのパンダさんの絵を見てみると、ゴルフクラブを持っていたり、野球のバットを持っていたり、サッカーボールを蹴っていたり、バスケットボールをしていたり、テニスやバドミントンのラケットを持っていたり、サーフボードの上うえに立ってたり、「 えぇっ!? 」って思うような絵ばかり。
コック帽を被かぶってるパンダさん,エプロンを着けてるパンダさん,藁わら箒ぼうきに跨またがってるパンダさん……色いろんなパンダさんの絵も飾られている。
可愛いんだけど……、何なんか胸がキューーーって締め付けられるような気持ちになる。
日本には返れない……家族にも会えない……分かってしまった時とき、どんな気持ちだったんだろう……。
アタシはあ・ん・ま・り・未練が無いから別にね、日本に帰れなくても良いいし、両親に会えなくても構わないんだけど……。
日本に帰りたかったのかな…………家族に会いたかったかな……。
セフィ
「 エイミ、大丈夫ですか?
涙を拭きましょう 」
レミィンダティナ
「 セフィ──。
有あり難がとう(////)」
セフィ白狼神フェンリルが持っている手巾ハンカチで、アタシの涙を優しく拭ぬぐってくれる。
セフィ
「 パンダさんの絵に心を揺さぶられましたか? 」
レミィンダティナ
「 ……………………分かんない。
この絵を描かいた聖女様は日本に帰りたかったのかな──とか、家族や友達に会いたかったのかな──とか考えてたら…………。
300年も前まえに生いきていた聖女様と育った環境の違うアタシなんかに、聖女様の気持ちが分かる訳ないのにね── 」
セフィ
「 故日郷本に想いを馳はせながら描かいたのかも知れませんね 」
レミィンダティナ
「 どの絵も丁寧に描かかれてるよね。
本ほん当とうにパンダさんが好きだったんだね。
《 石屋 》の職人さんに頼んで作ってもらうくらいだもんね!
──そうだ!
セフィ、パンダさんの石像だけどね、《 石屋 》の職人さんに作ってもらったらどうかな?
石像に≪ フィッツ村 ≫の名前を入いれるの。
そしたらさ、≪ フィッツ村 ≫が “〈 大陸神しんノクターム 〉の御み遣つかいパンダ ” が誕生した “ 発祥の地 ” って事を知らせる事が出来るよね? 」
セフィ
「 出来ると思いますけど、それだと時間が掛かりますよ 」
レミィンダティナ
「 そうかも知れないけど……。
アタシと同じ日本人が余生を過ごした≪ フィッツ村 ≫を無くしたくないんだよね。
《 教会 》の墓地には聖女様が眠ってる墓ぼ碑ひも在るんじゃないないかな? 」
セフィ
「 先まずずは村長さんに相談してみましょうか。
我われ達たちは余よ所そ者ものです。
土地を借りて滞在させて頂く立場ですし、勝かっ手てに物もの事ごとを進める事は控ひかえるとしましょう。
村長さんを通とおせば《 石屋 》の職人さんにも話くらいは聞いてもらえるでしょう 」
レミィンダティナ
「 そうだね。
出来るだけ波風を立てずに穏便に済ませたいもんね 」
そんな訳で、村長さんに会いに行く前まえに《 教会 》の裏手に在る《 墓地 》に向かう事にした。
折角だからね、聖女様として生いきた同胞日本人に冥福を祈りたい。
──*──*──*── 墓地
レミィンダティナ
「 ……………………聖女様の墓ぼ碑ひが無いね。
あれだけパンダさんが好きなら、パンダさんの形をした墓ぼ碑ひでも依頼して作ってると思ったんだけど── 」
セフィ
「 聖女の名前が彫られている墓ぼ碑ひも見当たりませんね 」
アタシとセフィ白狼神フェンリルは《 墓地 》を出でて、村長さんの家へ向かった。
村長さんなら知ってるかも知れないよね。
──*──*──*── 村長宅
村長さんを訪ねると、快こころよく受け入いれてもらえた。
セフィ白狼神フェンリルと一緒に淹いれ立ての茶おちゃを御馳走になる。
先まずは聖女様の冥福を祈りたくて《 墓地 》へ行った事を話した。
聖女様の墓ぼ碑ひが見当たらなかった事を伝えると、村長さんは悲しそうな顔をして詳しい事情を話してくれた。
300年前まえ、聖女様は≪ フィッツ村 ≫で余生を過ごす気で過ごしていた。
そんな聖女様の元もとへ再さい々さい≪ 王都ケンレイクバ ≫から騎士団が訪ねて来きていたらしい。
どうしても聖女様には≪ 王都ケンレイクバ ≫で余生を過ごしてほしかったみたい。
だけど、聖女様は≪ 王都ケンレイクバ ≫へ戻る事を頑かたくなに拒こばんで≪ フィッツ村 ≫で暮らしていた。
ある日、聖女様は天てん寿じゅを全まっとうされたのか、≪ フィッツ村 ≫で息を引き取った。
≪ フィッツ村 ≫で葬儀をする事にしたんだけど、葬儀をする前まえに騎士団が強引に聖女様の遺体を≪ 王都ケンレイクバ ≫へ護送してしまった。
そんな訳で、聖女様の遺体は≪ 王都ケンレイクバ ≫で盛大に弔とむなわれた事もあって≪ フィッツ村 ≫には墓ぼ碑ひが無いんだとか。
聖女様の冥福を祈るなら、≪ 王都ケンレイクバ ≫の《 大だい神殿 》へ行かないと駄目らしい。
レミィンダティナ
「 そうだったんですね。
教えてくれて有あり難がとう御座います、村長さん。
アタシは≪ フィッツ村 ≫の《 教会 》で聖女様の冥福を祈ります 」
村長
「 いやいやいや、聖女様の御遺体は≪ 王都ケンレイクバ ≫の《 大だい神殿 》に眠っているんだよ。
《 大だい神殿 》で祈らないと聖女様へは届かないよ 」
レミィンダティナ
「 そんな事は有りません!
聖女様は〈 大陸神しんノクターム 〉へ “ 忠実なる御み遣つかいパンダ ” を捧げました。
〈 大陸神しんノクターム 〉に対する聖女様の熱い信仰心に感かん銘めいを受け、聖女様の想いを石像という形で〈 大陸神しんノクターム 〉へ奉納したのは≪ フィッツ村 ≫の御先祖様達です。
その子孫である皆みなさんの真ま心ごころが込められた尊とうとい祈りが〈 大陸神しんノクターム 〉に伝わらない訳が有りません!!
聖女様の為に捧げる皆みなさんの祈りは〈 大陸神しんノクターム 〉が必ず、天へ召めされた聖女様へ届けてくださいます!! 」
セフィ
「{ ものは言いようですね、エイミ }」
レミィンダティナ
「 だって──『 《 大だい神殿 》で捧げた祈りじゃないと届かない 』なんて、〈 大陸神しんノクターム 〉を過小評価してるよ!
〈 大陸神しんノクターム 〉は姿も形もないし無味無臭だけど──、だからこそ陸りん民みんの祈りを天に召めされた御先祖様達へ届ける事が出来るんです。
態わざ々わざ≪ 王都ケンレイクバ ≫に在る《 大だい神殿 》へ足を運ばなくても、≪ フィッツ村 ≫の《 教会 》で冥福の祈りを捧げたら良いいんです。
その為に各地に《 神殿 》や《 教会 》が建てられている筈です 」
セフィ
「 怪物モンスター,魔物マタムトは “ 神聖な気 ” を避さけます。
《 教会 》で心こころの伴ともなう祈りを捧げる事で、“ 神聖な気 ” を溜める事が出来ます。
“ 神聖な気 ” が強まれば、妖精や精霊が集まって来きます。
妖精,精霊が集まる≪ フィッツ村 ≫を怪物モンスター,魔物マタムトは自然と避さけるようになります。
《 教会 》で祈る行為は、≪ フィッツ村 ≫を護まもる力ちからにもなるのです 」
レミィンダティナ
「 そんな仕組みになってるの? 」
セフィ
「 妖精も精霊も姿は見えませんけど、遥か昔から “ 神聖な気 ” を好このみます。
決こっして祈りは無駄にはなりません 」
村長さんは面めん食くらったような顔をしている。
まるで宗教の勧誘をする為に語ってるような内容だもんね?
不安そうな顔をされるのは仕方無いと思うの。
レミィンダティナ
「 だよね!
それでね、村長さんに相談したい事が有るんです 」
村長
「 相談ですか?
どのような内容でしょうか? 」
レミィンダティナ
「 聖女様が〈 大陸神しんノクターム 〉へ捧げた〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉の件です 」
村長
「 …………………………あ…はい?? 」
レミィンダティナ
「 実じつは〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉の石像を他ほかの《 教会 》にも広めたいと思っているんです。
《 教会 》が無ければ、新しく建てますし、〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉を一緒に設置したいんです。
《 噴水広場 》の〈 大陸神しんノクターム 〉と〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉がセットになっている石像も広めたいんです 」
村長
「 そ…そうですか? 」
レミィンダティナ
「 石像には〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉の “ 発祥の地 ” として≪ フィッツ村 ≫の名前も入いれたいと思っています 」
村長
「 は…はぁ…… 」
レミィンダティナ
「 それで、石像を≪ フィッツ村 ≫の《 石屋 》の職人さん達に作ってもらいたいんです。
アタシは余よ所そ者ものですから、《 石屋 》の職人さんには村長さんから話はなしをしてもらえないかな──って…… 」
村長
「 私から話すのは構いませんけど……。
仕事が入はいるなら職人達は喜ぶと思いますよ。
ただ、職人達が受けるかは分かりませんけど…… 」
レミィンダティナ
「 駄目なら駄目でも良いいんです。
石像は別の職人さんにお願いしますから── 」
村長
「 分かりました。
然しかし、職人達へは誰が石像代を支払われるのですか? 」
セフィ
「 我われが支払います 」
村長
「 貴方あなたが…………ですか? 」
セフィ
「 《 教会 》と《 噴水広場 》の建設も我われが担にないますからね 」
村長
「 そうなんですね……。
今日きょうは日が暮れてしまいますから、《 石屋 》には明あ日す話はなしをさせて頂きます。
宜しいでしょうか? 」
レミィンダティナ
「 はい!
大丈夫です。
村長さん、宜しく御願いします 」
村長さんに御礼を言ったアタシは、セフィ白狼神フェンリルと一緒に《 村長宅 》を後あとにした。
レミィンダティナ
「 村長さんに引き受けてもらえて良よかったね。
でも、石像代を出だしてくれるなんて、良いいの? 」
セフィ
「 構いませんよ。
エイミの希望を叶える為の出費ならば惜おしむ必要は有りません。
石像3体に対して金貨1枚を出だせば十分です 」
レミィンダティナ
「 金貨1枚がアタシの故郷で幾いくらするのか分からないけど、有あり難がとね 」
セフィ
「 引き受けてもらえると良いいですね 」
レミィンダティナ
「 そうだね。
断られた場合は、石像に何なんて彫ほるの? 」
セフィ
「 『 クレイス・セイクラント・エルシムグレオより贈呈 』と彫ほりましょう 」
レミィンダティナ
「 えぇ~~~~。
ニィニレンディムダンテルの本名を彫ほっちゃうの?
ニィニレンディムダンテルの死体も見付かってるんでしょ?
死んでる事になってるのに大丈夫かなぁ…… 」
セフィ
「 貴族は慈善活動が義務付づけられています。
《 噴水広場 》を作り、〈 大陸神しんノクターム 〉と〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉をセットにした石像を設置し、《 教会 》には〈 大陸神しんノクタームの忠実なる御みつ遣かいパンダ 〉の石像を設置する事は悪わるい事では有りません。
〈 大陸神しんノクターム 〉への信仰心が誰よりも熱心な信者だと思われるだけです。
騒ぎになった場合は、精霊達が対処してくれます。
エイミは心配しなくて大丈夫です 」
レミィンダティナ
「 うん。
セフィに任せるね 」
セフィ
「 任されました♥️
雲行きが怪しいですね。
雨が降る前まえに帰りましょう 」
レミィンダティナ
「 うん 」
セフィ白狼神フェンリルの言う通とおり、確たしかに雲行きがお・か・し・い・気がする。
急いで帰ろうと思う。