第7.5話「力の代償」
7話のおまけみたいなものです。
「本当に何もなかったんですよね!?」
「は、はひ!何もありませんでした!」
あまりの気迫に少し気圧されてしまった。
「レイン…別に夫婦が一緒のベットに寝ていても何も問題はない…」
「まだ夫婦じゃないだろ!」
「『まだ』って事は未来は夫婦…問題はない…」
「あーもう!余計ややこしくなるからお前は喋るな!」
「ト、トーチさん…?」
「あー!違うんだレイン!本当に何もしていない!」
朝から騒がしい理由は、十分前まで遡る。
ん…もう朝か…
カーテンの間から差し込む光に目を覚ます。トーチはマインドダウンで寝込むことが多く、リザの実験にも夜中まで作業していたので、完全に夜型となっており、朝起きるのは苦手だった。
「あ~…まだ寝ていたい…」
太陽の光から逃げるように寝返りをうつと、
ぽにょ
何故か柔らかい衝撃が額に来る。目を開けると、裸のハクが気持ちよさそうな寝息を立てて、隣で寝ていた。
え…今頭に当たったのって…
すると、部屋に扉を叩く音が鳴り響く。
「トーチくーん、起きてくださーい。朝食の準備ができ…な、ななな!何やってるんですかー!」
ノックをし、部屋に入ってきたのは、先日トーチが助けた、金髪の可愛い系美少女レインちゃんだ。同い年らしく、トーチの事をトーチ君と呼んでいる。
「んあ…レイン…朝から騒がしい。」
「さ、騒がしいって!ハクちゃん!なんで裸でトーチ君と寝てるんですか!」
「気が付いたらここで寝ていた…」
「はぁ…トーチ君も、トーチ君ですよ!」
「は、はい!」
「全く不用心ですよ!部屋に人が入って来たのに気が付かないなんて!」
「す、すみません…」
ベットの上で正座して、ハクと共にレインに怒られる。マインドダウンしていたので、気がつくはずがない。
「ハクちゃんは早く服を着てください!」
「ほ~い…」
ハクはベットの上に立つと、空気中から光を集め、服を構築し始めた。
「なんで上着だけ先に創るんですか!下を隠しなさい下を!トーチ君も見ない!鼻血を拭く!」
「わぁああっと!見てない見てない!」
急いで収納魔法から鼻紙を取り出し、細長く丸めて鼻に詰める。鼻血を処理している間にハクは服を構築し終わったようだ。
「さぁ!ハクちゃんは服を着たことですし。朝食を食べに行きましょう!」
冒頭へ続く・・・
話は適当に速攻で書いたので、色々矛盾しているかもですが…夜遅くまで書いていたので疲れが出たのかもです…